48(50)の理論

 NFLはプレシーズンゲームが続いているが、いつもの通りあまり重視しないことにする。というわけでFootball Outsidersが紹介していたこの話"http://www.footballoutsiders.com/extra-points/2010/john-claytons-rule-50"を取り上げよう。1試合のパス成功数とラン回数を足した数が48から50になればそれはよいオフェンス、52以上になれば偉大なオフェンスになるという理論なんだそうだ。
 紹介者はこの指標をあまり評価していないようだが、実際どの程度妥当性があるのだろう。母数が小さくて申し訳ないがとりあえず2009シーズンの成績だけで調べてみた。まず32チームで「パス成功数+ラン回数」の平均がどうなっているかを調べると16試合で約764回、1試合平均だと48回弱だ。あれ、つまり「よいオフェンス」ってのは平均さえ上回っていればいいってことか? リーグ全体の平均値を少し上回っているだけの、普通なら凡庸なオフェンスと言われてもいいチームも、この指標なら「よいオフェンス」となる。
 まあ平均より上なら「よい」と言ってかまわない、という理屈もありだろう。むしろ、実際にこの指標とチームの得点との相関性が高ければ、有用な指標だと主張することだってできる。という訳で相関性を調べてみると0.686となった。悪くはないんだが、残念ながら「強い相関」とされる0.7にはちと及ばない。
 それでも他にいい指標がないのならこれは有用な指標と考えられるかもしれない。でも他にもっと相関性の高い指標はある。例えば、かなり乱暴なやり方だがパス獲得ヤードと得点の相関を調べてみよう。数字は0.779となり、立派に「強い相関」を示している。もっと強いのは「1試投当たりパス獲得ヤード数」。こちらは0.861となり、かなり強い相関が見られる。どうやらわざわざ「パス成功数+ラン回数」などという指標を持ち出さなくてもよさそうに思える。
 そもそも「ラン回数」と得点との相関は0.104となっており、ほぼ無関係。そんな数値をわざわざ取り込んだ指標を使わなければならない理由はあまりないだろう(Jetsのオフェンスを褒め称えるという目的以外では)。ちなみにJetsは「パス成功数+ラン回数」の指標ではリーグ6位と上位に位置するが、「1試投当たりパス獲得ヤード数」で見ると21位に落ちる。都合のいい指標だけを持ち出して褒めても、あまり意味はないという一例だろう。
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