週記・しつこく宇宙話

 日記ならぬ週記である。
 
 Liar Gameはいよいよどんでん返しが始まる展開、ってとこで「つづく」となったが、さて次回はどうするつもりなのか。とりあえず思いついたのは(1)ヨコヤグループのもう1人を既に取り込んでいる(2)あわてたヨコヤが椅子を確認に行くのを隠れて尾行し、椅子を横取りする――という実に想像力に欠けたアイデア。まあ仕方ない。正直9日のikarosの展開成功から13日のはやぶさ帰還までそっちの方に思考が向いている状態なので、あまり深く考えられる状況にない。
 といってもはやぶさそのものについては特設サイト"http://hayabusa.jaxa.jp/"やNECの特集サイト"http://www.nec.co.jp/ad/hayabusa/index.html?cid=n2u"を見て情報を仕入れるくらいしかないのが実情。ただ、そこで紹介される関係者の声はなかなか面白い。例えば軌道・姿勢制御担当者は通信途絶からの復旧について「ビーコン電波が捕まったときは、『えっ!もう戻ってきたの』と驚いた」"http://www.nec.co.jp/ad/hayabusa/story/01/03.html"と述べている。驚いた内容が通信回復そのものではなく、その期間の短さであるところが興味深い。実際、はやぶさとの通信回復後に出たプレスリリースでは回復の可能性について「向こう1年間に60-70%の確率」と書いている。
 むしろ通信回復後にまともな運用の回復まで持っていく方が大変だったのだろう。そのあたりはこちら"http://www.nec.co.jp/ad/hayabusa/story/03/02.html"などに書かれている。あと、NHKの番組では取り上げなかったが、バッテリーの復旧に向けた無謀とも言える再充電"http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2007/0130.shtml"などは、はやぶさ運用の中でも大きなヤマ場の一つだっただろう。実際に対策を練った人のメルマガ発言"http://www.isas.jaxa.jp/j/mailmaga/backnumber/2007/back163.shtml"もある。
 
 とまあそういった話を読みながら、そのまま宇宙開発の歴史とか数値とかにも目を向けてしまったのはいつものこと。まず歴史。これまで自力で衛星を打ち上げた国はどこなのかを調べてみた"http://en.wikipedia.org/wiki/Timeline_of_first_orbital_launches_by_nationality"。wikipediaかよというツッコミは当然あると思うが、自然科学系は比較的信頼が置けるらしいのでこれを参考にしよう。見ての通り、実績を持つのは9カ国(旧ソ連をロシア&ウクライナに分ければ10カ国になる)。日本はソ米仏についで世界で4番目に衛星を打ち上げた。その直後に中国が続いている。
 次に数値。他国のロケットを借りて打ち上げたものも含めた衛星のトータル数はこちら"http://www.celestrak.com/satcat/boxscore.asp"で調べられる。国名が軒並み略称なので読み取るのに苦労するが、衛星数もデブリも最も多いのはCIS、つまり旧ソ連で、次が米国だ。そして3番目に衛星が多いのは、実は127の衛星を運用中の我が日本である。
 さらにJAXAのこういう資料"http://www.jaxa.jp/pr/jaxas/pdf/jaxas014.pdf"もある。9ページ目のグラフを見ると、1980年1月から2007年4月までの打ち上げ実績ではロシア、欧州、米国、中国、日本の5カ国・地域が90%以上の高い成功率を誇っている。インドやイスラエルも独力でロケットを打ち上げる能力は持っているが、成功率は上位5カ国・地域から大きく離れた60%台になる。日本の宇宙開発が、世界的に見ても突出したポジションを占めていることがわかるだろう。
 というか、この上位5カ国・地域(あるいは衛星打ち上げの順番でもいいが)を見ても「日本」の名が入っているのはちと異常だ。何しろ他の国は全て安保理の常任理事国である(欧州で自力のロケット打ち上げをやった国は仏と英)。常任理事国でなく、それどころか第二次大戦の敗戦国であった日本が、なぜこんなところに入っているのか。終戦直後から現代までいきなりタイムスリップした人間がこのデータを見たらきっと驚くことだろう。私も改めて驚いた。
 要するに軍事と無関係な科学目的のみの宇宙開発によって宇宙大国にたどりついてしまったのは、世界でも日本だけなのだ。でも、日本人がそう主張しても、他国は信用するだろうか。あのV2ロケットを作ったドイツですら戦後は独自の打ち上げ技術を持たないのに、日本はミサイル技術に活用できるロケット開発をちゃっかり進めていると(猜疑心の強い国なら)思うかもしれん。おまけに日本は原発でも超先進国であり、米日仏の3カ国で世界の原子力発電力の過半数を占めているのだとか。外から見た日本の姿は、我々が思っているのとはかなり違って見える可能性はある。
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