ドラフト続き

 ドラフトは3日間の日程が終了。New Englandは2巡の3人を含めて計12人を指名した。09年に続く大量採用だ。ただ去年は半数以上がラインだったのに対し、今年はTEが2人、LBが2人(中には7巡のDeaderickも含めて3人としているサイトもある)となっており、どちらかというと攻守とも第二列に重点を置いたように見える。人数だけ見るなら。
 実際のところ、期待がかかっているのは3巡までに指名された5人だろう。CB1人、LB2人、TEとWRが1人ずつとなっており、チーム事情まで踏まえれば割と順当な指名か。問題はBelichickのTE指名能力に私が疑問を持っていることと、WRも的中率があまり高くないこと。とはいえCrumplerしかいないTEは何らかの形で補強する必要はあったわけで、今回は珍しくドラフトが的中することを祈るとしよう。
 あとは5巡でパンターを指名したのが目に留まる。前に4巡でキッカーを指名したのに比べればましだが、それにしてもパンターを指名する順位としてはやはり高すぎるような気が。昨年のSTの中ではパントの成績が一番ダメだったのはFootball Outsidersのスタッツ"http://www.footballoutsiders.com/stats/teamst"を見てもよく分かるし、ここを補強すること自体は正しいんだが、できれば6巡くらいで取ってほしかった。
 
 Football OutsidersはQB以外のドラフト選手についても将来の活躍を予想する手法をいくつか編み出している。一つはRBを対象としたSpeed Score"http://www.footballoutsiders.com/fo-espn-feature-columns/2010/espn-speed-score-2010"。40ヤード走のタイムに選手の体重を加味した指標で、この数値が高いほどプロでの活躍が期待できるというものだ。高い選手の代表例としてはBrandon Jacobs(123.4)などがあり、1巡選手の平均は112.9。100を割り込む選手は平均以下と見なされる。
 例えばTomlinsonは40ヤード走が4.42秒であり、体重は221ポンドだとされている。この数字に基づいて計算すると115.8となり、ドラフト1巡平均を上回る結構高い数値が出てくる。Adrian Petersonもほぼ同じ。Ronnie Brownなどは121.0に達しているそうだ。一方、Maroneyは105.8であり、1巡で指名するほどの数字ではなかった。もちろん、この数値が高くても活躍できていない選手はいるし、逆にKevin FaulkやBrian Westbrookのようにランパス両方で使われるRBなどはSpeed Scoreが低くても成功することがある。
 とはいえ参考になる指標であることは確か。そこでドラフト1、2巡で指名されたRBのSpeed Scoreをまとめてみよう。左から全体指名順位、指名チーム、選手名、そしてカッコ内がSpeed Scoreの数値だ。
 
09 Buf Spiller (107.5)
12 S D Matthews (111.2)
30 Det Best (111.2)
36 K C McCluster (78.2)
51 Min Gerhart (107.8)
58 Hou Tate (114.2)
59 Cle Hardesty (110.7)
 
 実は今年は全体にSpeed Scoreのレベルが低いようで、そもそも1巡平均とされている112.9を上回っている有力候補は1人(Ben Tate)しかいない。従って指名された選手たちの数値が今一つ冴えないのも仕方ない面はあるのだが、それでも問題のありそうな指名がいくつか。まずBuffaloだが、トップ10の指名権を使って取ったにしてはSpillerの数字は大したことない(Maroneyとあまり変わらない)。そして、2巡指名とはいえKansas CityのMcClusterはヤバい。大丈夫かPioli?
 
 もう一つ、最近になってFootball Outsidersが紹介したのがSackSEERという指標"http://www.footballoutsiders.com/nfl-draft/2010/introducing-sackseer"。こちらは4-3のDEや3-4のOLBといったパスラッシャーたちがプロ入り後5年間にどの程度のサックを記録できるかを予想した数字である。使うデータはコンバインにおける垂直跳びとshort shuttle"http://www.youtube.com/watch?v=iGBGR4nqxRI"の記録、補正した大学時代のサック数、そして(理由は問わず)NCAAでの試合に出られなかった数の4種類だ。
 Aaron SchobelはこのSackSEERが40.1と極めて高い数字だったが、実際に最初の5年間に記録したサック数は46.5と期待値を上回った。他にもSackSEERが高い選手としてはMario Williams、Shawne Merriman、DeMarcus Ware、Terrell Suggsなどがいるという。もちろん、期待値は高かったが実績は冴えなかったConnor Barwin、Courtney Brown、Jason Babinなどの選手もいるので、必ず的中するわけではない。むしろ的中度が高いのはSackSEERが異常に低い選手たちで、彼らが活躍した事例はほとんど存在しないようだ。
 では今年のドラフト上位のパスラッシャーたちのSackSEERはどうだったのだろうか。残念ながら記事中で数字が紹介されていない選手たちもいるので全ての選手についてデータが揃ったわけではないが、それでも一応載せてみよう。左から全体指名順位、チーム、選手名、SackSEER(数値不明のものは--と表記した)。
 
10 Jax Alualu (--)
13 Phi Graham (22.1)
15 NYG Pierre-Paul (3.8)
16 Ten Morgan (23.3)
31 Ind Hughes (27.7)
40 Mia Misi (--)
43 Bal Kindle (18.8)
52 Pit Worlds (--)
53 N E Cunningham (--)
54 Cin Dunlap (16.1)
 
 実はRBたち同様、今年のパスラッシャーたちのSackSEERもそんなに高くない。その中で上手くやったと言えるのはIndianapolisで、1巡下位にもかかわらず最もSackSEERの高いHughesとしっかりと入手した。PhiladelphiaやTennesseeも悪い選択ではなかったと言える。問題はGiants。Pierre-Paulの数値がやたらと低いのはNCAAで出なかった試合数が異常に多いからであり、それは彼が最初の2年間を短大で過ごしていたのが理由だ。ドラフトされた選手のうち、短大経験のあるパスラッシャーたちのプロ成績は惨憺たる有様だそうで、彼もそうなると思われている。
 なお、掘り出し物と予想されている選手の中にDaniel Te'O'Nesheimなる変な名前のパスラッシャーがいるのだが、彼を3巡で掻っ攫っていったのがPhiladelphia。このあたりのチームは相変わらずFootball Outsidersの視点では評価が高い。
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