週記

 日記ならぬ週記である。
 
 McNabb砦は落ちた。Bulgerも解雇された。いずれ来ると言われていた動きではあるが、実際に来てみるとなかなか感慨深い。McNabbのトレード先が同地区のWashingtonだったのが多少の驚きではあったけど。で、今回の動きに伴い、2000年以前にドラフトされたQBで今なおドラフトチームにとどまっているのは2人だけになってしまった。もちろんPeyton ManningとTom Bradyの2人がそうだ。
 BulgerはSt.Louisに来る前にNew OrleansとAtlantaにいたことはあるが、どちらもpractice squad所属であり、プロとしてプレイした経験はSt.Louisしかない。McNabbは言わずもがな。長期にわたってチームの先発を務めたQBがあっさりクビになる事例は今のNFLでは別に珍しくはないが、それでもMcNabbで11年間、Bulgerは8年間スターターを務めてきただけに、一つの時代が終わったという印象が強い。
 McNabbがドラフトされた1999年は、QBが豊作の年だと言われていた。1巡で指名されたQBは、MarinoやElway、Kellyを生んだ1983年ドラフトの6人に次ぐ5人。だが、実際にプロでの彼らの動きを見ると、期待にある程度答えられたのはMcNabbと(若い頃の)Culpepperくらいしかいない。10年以上が経過した今となっては、とても83年ドラフトと比較されるような年ではなかったことが明らかだ。
 実際、99年ドラフトのQBたちの実力は、他の年と比べてどの程度に位置づけられるのだろうか。Football Outsiders"http://www.footballoutsiders.com/"のスタッツがある93年以降について、年ごとにドラフトされたQBたちの累計DYARと、加重平均したDVOAを調べてみた。DYARはその年のドラフトQBたちがトータルで収めた全成績を示す。ただ、これだとキャリアの長い選手が多い古い時期のドラフトQBたちに有利だ。そこでDVOAで各年の平均的なレベルの高低も調べてみた。
 まずDYAR。順位と数値は以下の通りだ。
 
年度 DYAR
1998 23958
2000 17829
1993 16120
2004 13812
1999  7586
2001  7030
1995  5918
2003  4355
2008  3456
2006  2282
2005  1432
1997  670
1994  -522
2002 -1184
2007 -1363
2009 -1639
1996 -2887
 
 99年組は対象17年分の5位だ。悪くはないが、伝説の83年組と並べるほどの順位ではない。おまけによく見ると分かる通り、4位からは大きく引き離されている一方、6位との差はほとんどない。4位と5位の差は、5位と11位の差より大きいくらいである。要するに、5位と言っても実質的にはほぼ真ん中付近の順位だったと言っていいだろう。事前の評価とは異なり、平々凡々たるドラフトに過ぎなかったのだ。
 実際にQBの当たり年だったのは、99年を挟む前後の年、つまり98年と2000年だったように見える。ただ、これも数字のマジックがある。例えば98年は累計DYARの8割強に達する19417DYARをたった1人の選手(つまりManning兄)が叩き出している。つまり凄かったのは98年組ではなくManningだったということだ。2000年は98年ほど酷くないが、それでも6割近くがBradyの数字。彼らがいなければ2000年組は7327、98年組は4541まで数字が下がり、平凡ドラフトだった99年組以下に落ちる。
 むしろ「組」として考えるなら、累計16120DYARを叩き出した93年組と、現時点で早くも13812DYARを積み重ね今後も上積みが期待できる04年組の方が、よほど83年組との比較にふさわしいだろう。
 93年組では6048DYARを稼いだTrent Greenを先頭に4869のMark Brunell、4334のDrew Bledsoeが続く。累計DYARが最も低いRick Mirer(-1634)に足を引っ張られながらの数字だけに見事だとも言えるが、しかしこの面子で「名誉の殿堂」入りQB3人を抱える83年組と並べるのはやはり無理がありそう。Ben Roethlisberger(4845)、Philip Rivers(4827)、Eli Manning(3023)、Matt Schaub(2975)を抱える発展途上の04年組の方が、まだ有力な対抗馬になれそうだ。
 一方、ダメな方を選ぶなら文句なしで最低のドラフトは1996年である。この年のドラフトQBのうち、そもそもFootball Outsidersのスタッツを残せた選手はたった4人。おまけにその4人が揃いも揃ってマイナスのDYAR(つまり控え選手以下の成績)しか残せなかった。もともとドラ1巡で1人もQBが指名されない「不作」の年だったのだが、数少ない指名QBもみんなbustだったという、これまたある意味で凄い年だった。
 続いてDVOAに基づく順位を。
 
年度 DVOA
2000  11.69%
1998  10.71%
2008  9.84%
2004  8.35%
1993  0.03%
2001  -0.75%
2003  -3.79%
1999  -4.10%
2006  -4.70%
1995  -5.78%
2005  -9.26%
1997  -9.59%
1994 -12.26%
2002 -13.37%
2007 -19.11%
1996 -22.07%
2009 -31.69%
 
 DYARのトップと2位が入れ替わっている。2000年にはBrady(24.8%)以外にもPennington(15.6%)というDVOAの高い選手がいるのに対し、98年はManning(32.5%)しかいないのが理由だろう。また、これで見ると期待の04年以外に08年にもいい人材がいることが分かる。もちろん、彼らのキャリアは短すぎるし、この後も同レベルの活躍ができる保証はないのだが、それでもMatt Ryan(23.7%)、Joe Flacco(8.2%)、Chad Henne(7.6%)らの名前は憶えておいてよさそうだ。
 93年組はDVOAで見ると0.03%となり、やはり83年組に比べられるだけの力がないことが分かる。99年組はもっと酷く、DYARの5位に対しこちらでは8位まで転落。やはり平凡な年に過ぎなかったことが明確に出ている。たった1年分の成績しかない09年を除いた最下位はまたも96年で、いかにこの年のドラフトが悲惨だったかもよく分かる。そして、少々意外ではあるが、2000年代後半(05年以降)も08年を除くとハズレが多い。
 
 一方Liar Gameでは裏のかきあいが継続。ただ、今回は明白に裏切ったため、もはや2・3位連合(もう2位と3位ではないが)は成立しそうにない状態だ。さて次にどうするのか。まだ先は読めない。
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