拾七ポーカー

 週記、ではないがドラマのLiar Gameについて少し。17ポーカーについて気になったところがあるので書いておこう。
 まずパーフェクトシャッフルについて。シャッフルした場合、以下のようにカードの並びは変化する。左の数字はシャッフルした回数、?はジョーカーだ(スートは話に影響しないので無視する)。8回目は最初の並びに戻る。

0 ?KQJAKQJAKQJAKQJA
1 A?KKQQJJAAKKQQJJA
2 AAA?KKKKQQQQJJJJA
3 QAQAQAQ?JKJKJKJKA
4 JQKAJQKAJQKAJQK?A
5 JJQQKKAAJJQQKK?AA
6 JJJJQQQQKKKK?AAAA
7 KJKJKJKJ?QAQAQAQA

 さて、ドラマ第7戦の並びは2番目のものだった(追加3回シャッフルでそうなったので、実際は10回シャッフルしたのだろう)。そしてカットは秋山が8、菊地が7。その後の並びは以下のようになる。

JAAAA?KKKKQQQQJJJ

 これを秋山、菊地の順番に配るとそれぞれの手札と残る山は以下の通り。

秋山 JAAKK
菊地 AA?KK
残り QQQQJJJ

 ここで秋山は手札を5枚換えてQQQQJのフォーカードを作り、菊地のフルハウスを打ち破った。完璧な展開、のように見える。だが、カードを配る前のカットの段階で、例えば菊地が7でなく5と言っていたらどうだろう。その場合の並びは以下のようになる。

JJJAAAA?KKKKQQQQJ

 これを配った結果は。

秋山 JJAAK
菊地 JAA?K
残り KKQQQQJ

 秋山ピーンチ。ここで秋山が手札を5枚換えてもKKQQQのフルハウスにしかならない。「絶対にフォーカードになる」というドラマの説明が成立しなくなってしまう。しかしそれより問題はその後の菊地の交換。彼はおそらくJKの2枚を交換するだろうが、その後の手はAA?QJ。スリーカードの菊地が上限いっぱい賭けてくる秋山に付き合ってコールする可能性は低い。
 秋山が5枚交換でなく、AAの2枚をKKと交換する手はどうだろうか。その場合、彼の手はJJKKKの「キングのフルハウス」。しかしそうなると菊地がJKを捨ててQQを手に入れ、AA?QQの「エースのフルハウス」にして秋山に勝ってしまう可能性が高まる。これではダメだ。秋山のやり方は、決して必勝法ではないように思える。
 だが、手立てはあるのだ。秋山が上手く菊池を口車に乗せてファーストベットでレイズするよう仕向けるという手が。このゲームでは先にカットをした方が先にファーストベットをする仕組みになっているが、手札交換はコールをしなかった方が先。そしてセカンドベットは手札交換を先にした方からやる。第6戦がそういう展開だった。菊地がレイズし、秋山がコールすれば、手札交換は菊地が先だ。菊地はこの手札ならおそらくJKを捨てて2枚交換に出る。その結果、カードはAA?KKのフルハウスになる。一方、秋山はその後で5枚総とっかえし、QQQQJを手に入れる。
 秋山の8枚カットの後で菊地が3、7、11のいずれかを選べば楽にフォーカードで勝てる。だが、5または9を選んだ場合は何とかして菊地にレイズさせ、秋山がコールする恰好に持ち込む。それがこのパーフェクトシャッフルを使った「必勝法」だ。

 問題は、むしろ第7戦よりも第6戦にある。第6戦で秋山は5枚交換で?QQQJのフォーカードを手に入れていたが、上に載せた8種類の並びを見ても分かる通り、5枚交換でこの手札を入手するのは絶対に不可能。原作がどうなっているか知らないが、パーフェクトシャッフルをやっている限りあり得ない異常現象だ。
 パーフェクトシャッフルであり得る並びを満たしつつ、なおかつ秋山の思い通りに第6戦を展開することは可能だろうか。秋山としてはまず勝つことが最優先。次に菊地が下りないことも重要だ。そのうえでできれば「ジョーカーを使って秋山が勝つ」という展開に持ち込みたい。そうしておけば第7戦のカード交換を菊地が「ジョーカー狙いで行った」と判断してくれるだろうからだ。カットを終えた時点でジョーカーが山の4枚目か5枚目に来ることも必要。
 そう考えると、意外に望ましい並びが少ないことが分かる。まずシャッフル回数0、3、4、7の時はどう配っても最初から秋山菊地双方にフルハウスが出来てしまう。流石に菊地も最初からフルハウスが出来ていればわざわざジョーカーを取りに行くことはないだろう。もちろん秋山もジョーカーを取りに行く必要性は薄い。唯一可能性があるのは3回シャッフルで山の5枚目にジョーカーがある時。この時、菊地の手札はJJJAA、秋山はKKKQQで何もしなくても勝てるのだが、敢えて5枚交換に行けばAQAQ?が手に入り、「ジョーカーを使って勝つ」という希望通りの展開に持ち込める。
 シャッフル1回と5回の場合は秋山、菊地とも手札はワンペア。菊地が先に手札交換できる場合は間違いなく4枚以上交換してジョーカーを取りに行くだろうから、ドラマでそうだったように秋山はレイズして最初に交換するしかない。しかも、後々のことを考えるなら4枚交換はご法度だ(山全体を読んでいると疑われる可能性がある)。あくまで総とっかえをやって運よくジョーカーを手に入れた、という恰好にしなければならない。
 シャッフル1回でも5回でも、山の5枚目にジョーカーがあれば5枚換えでフルハウスができる。4枚目にある場合はスリーカードだ。一方、菊地はワンペアにもかかわらず2枚しか交換できない(山にそれだけしか残っていない)。シャッフル1回なら菊地の最終的な手はツーペアかスリーカードで、積極的な勝負に出ない可能性が高くなる。シャッフル5回の場合、菊地の手は秋山よりも強くなってしまう。要するに、シャッフル1回や5回の場合、5枚換えはやめた方がいいということだ。
 シャッフル2回と6回なら2人の手札はツーペア。山の4枚目にジョーカーがある場合、5枚換えをすればフォーカードが、山の5枚目にある場合はファイブカードができる。手札は強いが、問題はむしろ菊地のカードで、秋山の5枚交換の後にペアのないカード1枚を交換しても手札は強くならない。秋山の手の内にジョーカーがあることが分かっているので、菊地は絶対に勝負に応じないだろう。要するに考えられる最悪の選択肢である。
 以上、秋山にとって望ましい展開は唯一「シャッフル3回」で「山の5枚目にジョーカーがある」場合だけだ。この時の彼らの手札と山は以下の通り。

秋山 KKKQQ
菊地 JJJAA
残り AQAQ?JK

 少々ストーリーを変える必要はあるが、このカードならドラマとあまり変わらない第6戦を展開することも可能だろう。

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