週記 Old Football

 日記ならぬ週記である。

 漫画早売りの前にNFL第3週。New Englandのレギュラーシーズン連勝がストップした。それ自体はいつ起きても不思議ではなかったので別に構わないのだが、問題はRecapに書かれていた「Ronnie BrownがTDラン4つ、TDパス1つ。うち4回はdirect snapから」という文章。

 それなんてSingle-Wing?

 映像を見てみるとslot backの位置に入ったRicky Williamsがモーションを始めた後にショットガンQBの位置に入ったBrownにdirect snapを出し、後はBrownがWilliamsにハンドオフするか、あるいはプレイアクションから自ら走ったりパスを投げたりしている。いわゆるJet Series"http://www.usafootball.com/articles/displayArticle/5818/5023"ってヤツだ(去年McFaddenがカレッジでこのプレイをしていた時にはWildcatとかWild Hogとか呼ばれていた)。おまけにMiamiのLTは右サイドに入っていた、つまりUnbalanced lineだった訳である。まさにSingle-Wing。
 使ったプレイの内容はこちら"http://www.footballoutsiders.com/cover-3/cover-3-oh-snap"で紹介されている。Williamsがハンドオフを受けるスイープはSteeler、Brownが自らボールを持って走るのはPower、そしてBrownがWilliamsと反対サイドへ移動してパスを投げたのはCounterからのパスということになるらしい。Miamiは他にもJet Seriesからのプレイを用意していたようだが、この試合ではたった3種類しか使っていないので、今後も同じことをやる可能性はある。
 一方のNew England。これまでMiamiがやっていなかったプレイなので一回はやられるのは仕方ないと思うが、Miamiのオフェンスプレイ全57回のうち6回Jet SeriesをやられてBrownに3キャリー69ヤード3TD、パス1回19ヤード1TD、Williamsが2キャリー31ヤードというのはいかがなものか。Miamiが稼いだランは36回計216ヤードだから、半分近くをたった5回のJet Seriesで取られたことになる。ここまで工夫のないNew Englandディフェンスを見たのは久しぶり。特に最後のTDでいい加減なタックルをしたMeriweatherは正直みっともない。
 オフェンスについては、まあ所詮Highschoolまでしか先発を経験していない選手だから仕方ないのだが、前半から大量点差を追いかける展開だったにも関わらず31回試投して131ヤードしか稼いでいないのはどうなんだろう。1試投平均たったの4.2ヤードである。普通は負けている方が追いかけるべくパスを多投するのでヤードだけは積み上がることが多いんだが、最後のドライブで出てきたO'Connellの分を合わせても獲得合計156ヤード。ディフェンスが踏ん張ったとしても勝てたかどうか怪しい数字である。
 シーズン前にPenningtonが入ってMiamiは安牌ではなくなったと指摘したが、Brady負傷という想定外の事態はあったにせよやはり予想は当たった。Brownばかりにスポットライトが当たっているものの、この試合のPenningtonは20試投中実に17回も成功、1試投平均ヤードは11.3とCasselの3倍弱にも達している。一方、Pennington獲得が可能と言われていたMinnesotaは第3週で早々にTarvaris Jacksonを諦めGus Frerotteに交代。だからPenningtonを取っておけとあれほど。

 でもまあ個人的にはプロの試合でJet Seriesを大量に見られたことには満足している。ネット上でもsingle-wingに焦点を当てた記事"http://myespn.go.com/blogs/afceast/0-3-146/Defenses-will-need-new-manual-to-stop-Fins.html"が見られるようになったし、今までよりsingle-wingへの注目が集まりそうだ(日本のNFL関連blogではMillen Fired"http://www.detroitlions.com/press_releases.cfm"の方が圧倒的に話題になっているが)。
 なぜかSingle-Wing Sentinel"http://swsentinel.blogspot.com/"の更新が滞っており、Highschool Footballの状況が良く分からないので、NFLでその分を補充してもらったのは大変ありがたい。さすがにDelphi ForumのようにThe secret is outとかjust a matter of timeとまで言ってしまう"http://forums.delphiforums.com/n/mb/message.asp?webtag=SingleWing&msg=8678.1"のは、はしゃぎすぎだと思うけど。

 さて漫画の方は予想通りのワンオンワン。ただ、後半はもう少し工夫していたようだ。今週号を見て思い出したのが甲子園ボウルオフィシャルサイトに載っている東海辰弥のインタビュー"http://koshienbowl.jp/05past.html"だ。その中で彼は大学3年生時の甲子園ボウルについて以下のようなことを述べている。

「あの時はじめてね、パスというのは、実は見たらあかんなってのが初めてわかった。その時も投げた瞬間にサックを食らっとるのですよ。そんな状態でも、レシーバーを見ているのじゃなくて、ディフェンスを見て、開いたスポットにスパッと投げている。ピンポイントに決めるっていうのは、あのときに初体験したのですよ」

 久しぶりに作者がきちんと調べて描いたことが確認できた話であった。

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック