日記ならぬ週記である。
ジャンプ漫画早売りネタバレの前に、蟹工船が売れているらしい。オリコン"http://www.oricon.co.jp/rank/"を見ると5月26日付調査で文庫ランキング18位に初登場。以後11位、2位、2位とうなぎのぼりである。部数も初登場の週が1万282部で以後、1万5185部、4万6079部、3万5521部と強烈な数字。オリコン推計による4月以降の累積販売部数は11万3178部。あの蟹工船が2ヶ月ちょっとで11万部も売れているのである。出版社の増刷は今年に入って既に30万部以上とか"http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200806120046a.nwc"。
それにしても東野圭吾の次に小林多喜二が並んでいる図は異様だ。直木賞作家の次にプロレタリア文学である。何かの冗談だとしか思えない。前に人間失格が売れた時はライトノベルと同じ手法(イラストで売る)が古い小説でも通用することが明らかになってしまったが、今回はそういう訳でもない。もちろんマスコミが取り上げたのが大きな要因なのは間違いないが、今どき槌と鎌の描かれた表紙の本が売れるってのもシュールな話。現実がシュールだからこその現象か。
NFLではBaltimoreのOgden引退に関連してFootball OutsidersがESPNに記事を書いていた"http://sports.espn.go.com/nfl/news/story?id=3439384"。言いたいことはシンプルで、「プロボウル級のOLが一人いなくなってもチームへの影響は限定的。一方、プロボウル級のOLを一人加えると、そのチームの成績は大きく伸びる」とか。この条件に当てはまる今シーズン期待のチームはNew York Jetsだそうだ。
という訳で某アメフト漫画だが、わざわざ女性QB登場させて最初に出てくる話がきれいなスパイラルで取り易いパスを投げられるという話。何だよそれ。もちろん取り易いパスを投げるQBはそうでないQBよりはいいだろうが、QBに求められる能力として優先順位の高いものだとはとても思えない。いくらきれいなスパイラルのパスでもレシーバーにとどかなければ意味はないし、ディフェンス選手の手元に投げていたらダメだ。
もう一つ出てきたのが、ラッシュをかわす能力。いや確かにこれも重要な能力なんだが、それが単に「接近してきた相手をよける」能力として描写されているあたりがこの漫画の酷さである。重要なのはラッシュの影響を受けないようにすることであり、おそらく最も理想的な「ラッシュをかわす能力」はできるだけ少ないステップでラッシュの線上から体をずらすことにある。ManningやBradyといった、それほど華麗にラッシュをかわしている様子のないQBたちが凄まじい成績を残しているのが証拠だ。少ないステップでディフェンス選手と「行き違い」、時間を稼いでパスを投げる。それこそが重要だろうに。
何度も書いているが、とにかくスポーツとしてのアメフトに関する描写が時とともに劣化していることは間違いない。正直もうどこが面白いのか、私にはさっぱりだ。それでもオリコンの6月16日付ランキングでは、最新刊が17万685部売れて全体5位を確保している。蟹工船が2ヶ月ちょっとかけて売り上げた分を、たった一週間であっさり抜いているのである。別に蟹工船がそんなに面白いと思っている訳ではないが、世の中の不条理を感じずにはいられない。
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