1799年ジュールダン・その13

 敵対行為が再開される時に任務に就いている軍の目的と全般的移動に関する命令。
 もしドイツとイタリアで敵対行為が再開された場合、実際の任務に就く5つの軍が準備できている状態にあるだろう。メンツ方面軍、エルヴェティー方面軍、ライン監視軍、イタリア方面軍、ローマ方面軍だ。
 バタヴィア共和国内のフランス軍は、さらなる命令を受けるまで引き続き共和国の国境と領土を守る。ただしこの軍は1万5000人から2万人の削減を蒙るだろう。戦力の余剰分は監視軍に充当される。
 実際の任務に就く軍の配置と目的。
 メンツ方面軍。
 敵対行為が再開されるや否や、付表によればあらゆる兵科の約4万6000人から成るメンツ方面軍は、特にシュヴァーベンとバイエルンで行動することになっている。
 軍はすぐにその戦力とつりあい、絶えず平地や隘路、時には河川が交叉する土地で活動するという目的に沿って制御された砲兵車両、食糧倉庫、運搬車両、装備、及び兵站担当者の準備をしなければならない。
 それらは、総裁政府の最初の命令またはオーストリア軍の一部による最初の敵対行為が起きる際にケールとユナング経由でシュヴァーベンに前進できるような方法で可能な限り遅れることなくユナングとランダウの間に集め、配置する。
 軍はいくつかの縦隊に分かれ、素早い行軍でシュヴァルツヴァルトを通過してドナウ源流へ前進する。そこから軍はその河とコンスタンス湖の間を前進する。その右翼は湖の彼方まで押し出し、ブレゲンツを圧迫する。
 敵の位置あるいは戦力、または極めて積極的な行軍によって敵に接近することができたと仮定した場合、メンツ方面軍はすぐ上レッヒへ前進できる。その移動はオーストリア軍が同河川を渡河するのを妨げるために最大限の素早さで実行されなければならない。
 この遠征が成功する可能性は、特に敵対行為がフランス軍によって始められるという仮定にかかっている。
 メンツ方面軍がドナウに到着した時点で、その名称はドナウ方面軍とする。その右翼はエルヴェティー方面軍左翼に支持され、後者がグリゾンやティロルへ行軍するのを手助けすることを彼らの主な目的と考える。彼らが行うことができるレッヒ、イーゼル、イン川への連続した移動は敵の配置によって調整されなければならない。バイエルン経由でティロルへの突破口を確保することを絶えず視野に入れておくこと。
 エルヴェティー方面軍。
 約3万人と、それに加えて戦役に入ることができる状態にあるエルヴェティーの半旅団で構成されるエルヴェティー方面軍は、グリゾンとティロルへ進入することになっている。
 軍の左翼と中央はブレゲンツとモイエンフィールドの間でラインを渡る。その一部はコワールへ前進し、一部はブレゲンツへ進んでそこを確保する。
 バリンゾーヌにいる半旅団で構成され、イタリア方面軍からヴァルテリーヌへ派出された同数の兵によって支援されているエルヴェティー方面軍右翼は、ヴァルテリーヌ経由でグラレンツへ行軍し、そこからボッツェンとブリクセンへ進む。
 軍の左翼と中央はブレゲンツとコワールを確保し、これらの地点を守るのに十分な兵を残した後で、インスプルックへ至る全ての道を強行突破してその支配者となることでイン源流を確保するために合流する。
 軍の右翼がブリクセンに到着したところで、もし優勢な敵に圧力を受けるかその作戦に何らかの意味で必要になるような状況が生じれば、イタリア方面軍はその兵をかの地から引き上げることができる。
 エルヴェティー方面軍がブレゲンツを確保したところで、その名称はティロル方面軍とする。軍はマセナ将軍麾下にあるが、戦争における主要な移動と作戦についてはメンツ方面軍の司令官に従属する。
 配置の結果、後者の軍の司令官は必要に応じてその右翼に注意を向け、エルヴェティー方面軍の一部を同時に使うことができる。というのも戦役の成功にはこの軍がイン川渓谷とインスプルック市を確保することが完全に必要となるためだ。
 監視軍。
 ライン監視軍は最大限の迅速さで編成し組織化されなければならない。
 指揮権はベルナドット将軍に委ねられる。軍はライン各地の要塞にいる守備隊を含めて4万8000人から成り、ユナングからデュッセルドルフまでのその河のあらゆる要塞と橋及び左岸の土地を守る役目を担う。
 軍はエーレンブライトシュタインの封鎖継続とフィリップスブールに対して行う作戦、そして同時に、特にマイン、ネッカー、及びエンス川の様々な場所に兵を出現させることでメンツ方面軍の行動を支援する役割を委ねられる。
 軍はライン沿いの町々に守備隊を供給し、これらの場所がフランス軍と敵対する軍の相互の位置に伴ってどの程度脅かされるかにより、時には防御の手段としてその戦力を使い、時にはおそらく必要となるだろうが秩序と公共体制の安全を維持する。
 軍はエーレンブライトシュタイン封鎖に必要な兵を派遣する。そして軍の余剰分のかなりの戦力は、ヘッセ=ダルムシュタット方伯領を経由してマンハイムとフィリップスブールへ前進するために、メンツ前面、ラーンとマイン間のライン右岸で、より正確に言うなら使い捨て部隊の編成に充てる。
 この部隊は、状況に応じてラインの両岸で活動する。メンツ方面軍の作戦を支援し、エーレンブライトシュタインとフィリップスブールを自分で獲得し、そしてライン左岸を侵略から守るのが主な目的である点を考慮すること。
 軍は司令官が率いるものの、戦争における主要な移動と作戦についてはメンツ方面軍を指揮する将軍に従属する。
 イタリア方面軍。
 アディジェとポー河沿いにあり、チサルピナ、リグリア、ピエモンテ及びポーランド兵を除いた約5万人の利用可能な兵で構成されるイタリア方面軍は、トレントの左翼側で活動する。
 軍の主力はヴェローナへ向かってアディジェを渡り、その町を取った後で必要なら敵をブレンタ及びピアーヴェの背後へ追い払う。
 この軍からヴァルテリーヌへ派出された軍団は、ベリンゾーヌ州にいるエルヴェティー方面軍の軍団と協力してグラレンツ、ロプツェン、及びBrixenの方角へ向かう。
 ブリクセンに到着したところで、もし敵が彼らを必要不可欠にするだけの戦力を持っていた場合には、あるいはイタリア方面軍の続く作戦に必要であれば、この軍団はイタリア方面軍左翼と再合流する。
 この軍はまた最初の命令を受けたところでトスカナを確保することになっている。
 もし軍が5万人以上のフランス兵を保持している場合、余剰分はピエモンテとチサルピナを守り、任務に就いている軍のために兵を補充する。
 ローマ方面軍。
 ローマ方面軍はナポリ王国征服のために前進し、そこに到着した時点で名称をナポリ方面軍とする。
 軍はコルフとマルタに支援を提供する役目を担う。
 戦争の進め方については完全に定めて司令官に伝え、彼らが実施すべき一連の作戦を指摘する。彼らは政府から反対の命令を受けない限り、それに忠実に従う。
 陸軍大臣承認。
(サイン)シェレール。
Memoir of the Operations of the Army of the Danube, Under the Command of General Jourdan"http://books.google.com/books?id=5R42AAAAMAAJ" p52-61

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