週記・ドラフトの課題

 日記ならぬ週記である。

 ジャンプ漫画は連休なのでなし。NFLは当然ドラフトの話になるのだが、どこが誰を指名したという話の前にやはり取り上げるべきなのはこの記事"http://sports.yahoo.com/nfl/blog/shutdown_corner/post/The-Cooley-Zone-NFL-needs-to-change-how-rookies?urn=nfl,79933"だろう。書いているのはChris Cooley。どこかの記者、ではなくWashington RedskinsのTE"http://www.nfl.com/players/chriscooley/profile?id=COO376642"だ。2004年に3巡でドラフトされ、4年間に231レシーブ2608ヤード、2007年にはプロボウルにも選ばれた現役NFL選手の意見である。
 ドラフト上位で指名される選手のサラリーがプロボウルに選ばれた同じポジションの選手よりも高い。それはいくら何でもおかしいだろうと、現役の選手自体が感じている。前にドラフトがチーム力向上につながっていないという話を指摘したことがあるが、その一因と見られるのがこの新人サラリーの高騰だった。選手たちも現状のサラリーが異常であると思っているのだ。同じことはファンも思っているようで、コメントの中にはCooleyの意見に同意するものが目立つ。
 NFLのドラフト制度は、日本ではしばしば勢力均衡に資するものとして紹介されている。だが、制度は運用次第で変わるものだ。前年の成績が悪かったチームからドラフトするという仕組みは、サラリーキャップ導入以前においては確かに勢力均衡に寄与したのだろう。いや、その後であっても新人サラリーが現在のような異常な状態になる前は良かった。しかし、ドラフトでチーム選択の自由を失わせても、なお選手にはチームへの参加を拒否する自由がある。一方、弱体なチームは、特にドラフト上位選手に対しては(ファンの期待という圧力もあって)強い立場に立てない。ドラフト上位選手につく凄腕代理人の活躍もあって、現在のような状況に至ってしまったのだろう。
 制度によって新人のサラリーをさらに抑える手もあるだろうが、自由主義経済下では色々と問題を引き起こしそうだ。そもそもチーム選択の自由を奪ったうえに、契約金に上限を設けることが許されるだろうか。運用面でおかしくなっているのは誰もが感じている通りなのだが、原則に立ち返ると簡単に解決できる問題ではない。
 解決策があるとしたら、オーナーたちが暗黙で連携して高いサラリーを払わないようにするくらいしかないだろう(暗黙ではなく公然と連携すると何だかカルテルっぽいのでちと拙そう)。去年のRussellのようにシーズン突入時まで抵抗する選手も出てくるだろうが、それでも突っぱねる姿勢を見せる必要がある。だが、それをやるとファンからの圧力がかなり増すだろうし、チームが弱くて苦しんでいるオーナーが期待の新人をいつまでも遊ばせることに我慢できるかどうか分からない。誰かが抜け駆け的に新人と巨額の契約を結ぶことでこの連携が崩れる可能性は高い。
 だからといって新人選手たちに「金の亡者になるな」と批判を浴びせても無意味。身を(文字通りの意味で)危険に晒している選手たちが、取れる時に高いサラリーを取ろうとするのは当たり前だ。オーナーたちが現在の高サラリーの馬鹿馬鹿しさに気づいて強硬姿勢を取ることで自然とサラリーを落ち着かせるか、NFLが労働法抵触を覚悟して契約の自由を拘束するか、さもなくばいっそドラフトをやめてサラリーキャップの枠内で自由に契約できるようにした方がいいかもしれない。ただし、最後の選択肢をNFLが採用することはないだろう。ドラフトはそれ自体が視聴率を稼ぐ優良コンテンツとなっている。

 で、ドラフトの中身についてNew EnglandはさすがにLBを指名しまくった。正直1年遅いと思うが、やらないよりはマシだろう。ドラフト上位にライン選手ばかりが並ぶ中、スキルポジション指名で目立っていたのはAtlantaのMatt RyanとかOaklandのDarren McFaddenとかBaltimoreのJoe Flaccoなど。正直、どれも批判を浴びそうな指名である。もっとも結論が出るのは数年先なので、それまでは様子を見ていた方がいいのだろう。

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