日記ならぬ週記である。
今週もアメフト漫画の早売りネタバレありだが、その前にまずナポレオン漫画を。
将来優秀な指揮官になる(予定の)ウジェーヌがオルタンスと一緒に登場。父親の剣を取り返しにいくというナポレオン伝説では割と知られた話が展開する。若者の行為に感動したボナパルトが剣を返したといういういかにも作り話っぽい挿話だが、それだけにこの話は事実ではないと主張する人もいる。たとえばPhippsはブーリエンヌの回想録第1巻p46にある脚注で以下のように述べている。
「しかしながらこの話はあり得なさそうに思える。というのもヴァンデミエール13日の後に武装解除など行われなかったし、バラスの友人だったジョゼフィーヌはあらゆる家宅捜索を免れたであろうからだ。加えてボナパルト自身セント=ヘレナで、彼は最初にバラスの家でジョゼフィーヌに出会ったと言っている」
というわけでそもそも元ネタ自体がフィクションぽいのだが、さすがに元ネタではミュラがサーベルを振り下ろす場面などない。もちろん剣を床に放り投げて拾えというシーンもない。こういう展開の方が元ネタより笑えるから全然OKなのだが。
なお、ミュラはウジェーヌについて「いい兵士になったろうに…」などと述懐しているが、実はこの時点でウジェーヌは既に軍務を経験済みだったりする。
「彼女[ジョゼフィーヌ]はウジェーヌのためにラザール・オッシュ将軍の兵站将校の地位を確保した。(中略)
オッシュはヴァンデの反乱軍に対する戦争のためフランス北西部へ送られた。彼の地でウジェーヌは初めて砲火の洗礼を浴び、キベロンで戦った。ほぼ1年ヴァンデで過ごした後で彼は母親の要望により、勉強を続けることができるようパリに送り返された」
Robert M. Epstein "Prince Eugene at War" p11
ウジェーヌはナポレオンに出会うより前にオッシュと知り合っており、その部下にすらなっていたのだ。実に華麗な遍歴といえる。ウジェーヌ自身の能力ではなく、やはりジョゼフィーヌの人脈が凄かったというべきなのだろう。
次にアメフト漫画はまず相手チームがパス警戒で後ろに下がったディフェンスを実施。プリベントとまではいかないかもしれないが、このやり方は一応セオリー通りではある。週記でも前に書いたことがあるが、NFLではブリッツをかけたときの方がパスディフェンスの成績は悪い。まして大量リードを奪った試合後半では一発失点を防ぐディフェンスを敷くのは当然だろう。
で、それに対抗して主人公チームはロングパス狙い。これまた大量リードされたチームの戦術としては違和感はない。だが、まだ1Qまるまる残っている時点で「ヘイルメアリーパス」というのはいかがなものか。ヘイルメアリーは普通、残り時間がほとんどない時に、レシーバーを特定エリアに集中させそこに投げ込むことを言うのでは。あれではただのロングパスのような気が。
なおNFLでは6月1日になったものの目立ったニュースは見当たらず。
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