週記

 ジャンプ漫画は試合がなかったのでパス。という訳でNFLの話。日本ではプロ野球のドラフトに対する批判に絡めてNFLのドラフト制度はチーム力を均衡させる仕組みになっている、と紹介されることが多い。前年度の成績が悪かったチームから順に指名できるため、優秀な選手が弱いチームに行くことになり、結果として長い目で見れば勢力均衡が図られるという訳だ。でも、果たして本当にそうなのだろうか。
 こちらの記事"http://sportsillustrated.cnn.com/2008/writers/don_banks/03/25/top10.danger/index.html"では過去5年のドラフトで上位10人を指名したチームについて分析している。それによると32チームのうち24チームが少なくとも1回は上位10人以内の指名をしたことがあるのだが、実はそのうち15チーム(リーグ全体の47%)だけで41人分(全体の82%)を指名している。
 さらに言うなら、25人分(全体の50%)はたった7チームが指名しまくっている。Detroitだけで5人、HoustonとArizonaが各4人、Oakland、Cleveland、Washington、Minnesotaが各3人。最近5年間を見ると、ドラフト上位の常連チームが存在して毎回のように上位指名していることが分かる。彼らがいつも上位指名権を得ているのは、成績が悪いから。上記7チームの5年間の成績は計205勝355敗である。
 過去5年間にトップ10指名をしたチームのうち、プレイオフにたどり着いたのは12チームある。全32チームのうちプレイオフに出られるのは12チームある訳で、それに比べれば比率は低いが再建途上のチームだと考えれば悪い比率ではないだろう。ただし、この12チープがプレイオフで得た勝利はたった6勝。しかもそのうち3つは2003年のCarolinaだけで稼いでいる。12チームのうち8チームはあっさり初戦敗退を喫している訳だ。一方、New EnglandやIndianapolisはこの5年間、一回もトップ10指名をしていないが、成績はご存知の通り。
 なぜこうなるのか。過去5年間に上位指名したチームのドラフト戦略が下手だったから、という理屈がありうる。記事中でもいかに落胆させられた選手たちが多かったか、名前をずらずらと並べている。Charles Rogers、Johnathan Sullivan、Robert Gallery、Reggie Williams、Alex Smith、Cedric Benson、Antrel Rolle、Mike Williams。分析対象にはなっていないが、2002ドラフトの上位指名は"disaster"だったそうだ。
 だがそれだけが理由ではない。ドラフト上位を使って指名したのだから即戦力になってもらわなければ困る。そう考えたチームが選手を過早に試合へと投入し、準備のできていない選手は対応できず失敗をする。Tim CouchやDavid Carrなどがその例だそうだ。確かに、特にQBはプロに慣れる期間を置いた方がいいという話はよくある。そして、QBはともかく他のポジションになると失敗した選手は成長を待つことなく放り出される。かくしてドラフト上位常連チームはまたドラフト上位に顔を出すことになるのだそうだ。
 もう一つ、見逃してはいけないのが、トップ10指名選手の異常なサラリー高騰だろう。サラリーキャップ時代において、海のものとも山のものともつかない選手に多額なサラリーを払えば、チーム全体に歪みが出る。その選手がPeyton Manningになるのならいくらサラリーを積んでも構わないだろうが、そうならないケースも多い。現在の相場を見ている限り、ドラフト上位で選手を指名するのはむしろ自殺行為に見えてしまう。
 この数年、もっともドラフトで成功してきたチームと言われているBaltimoreのGMは、「4、5年に1回トップ10指名をするのは利益になるが、毎年あるいは4年に3回指名するなら、むしろ弊害をもたらす」と指摘している。New Englandは4月のドラフトでトップ10以内の指名権を持っている。チームとしては久しぶりのことなので、この指名権を使って選手を取りに行くのも構わないだろうが、個人的にはトレードダウンもありだと思っている。

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