ドラ1

 Pro Football Reference Blogに面白い話"http://www.pro-football-reference.com/blog/?p=457"が載っていた。1980年以降のチームについて、先発22人がどのようなメンバーで構成されていたかを調べたものだ。それによると自前でドラフトした選手が12.6人、トレードやFAなどで獲得した選手が5.1人、ドラフト8巡以降またはルーキーFAが4.3人となっている。完全FAとサラリーキャップ時代になって選手の移動は激しくなっているが、それでも過半数は自前でドラフトした選手が占めているようだ。ドラフト巡別にみると1巡が6人、2巡が3.9人、3巡が2.6人、4巡が1.9人などとなっており、やはりドラフト巡上位が先発として定着していることが分かる。
 面白いのは6勝以下、7-9勝、10勝以上の3つのカテゴリーに分けて同じ分析をしているところ。悪いチームはドラフト1巡が5.7人にとどまっているのに対し、よいチームは6.1人となっている。2000年以降に限れば悪いチームは5.7人、よいチームは6.4人と差はよりはっきり出てくる。特に特徴的なのは自前でドラフトした1巡選手。悪いチーム3.9人、普通のチーム4.3人、よいチーム4.8人と、かなり明確に差が出ているのだ。
 要するにドラフト戦略、それも1巡の戦略が最も大事だということ。FAが一般化している現代NFLにおいてもなお自前のドラフト(特に1巡)でどれだけスターターを集められるかがチームの力を決めているようだ。では、そう考えた時にNew Englandはどうなっているのだろう。Reiss Pieces"http://boston.com/sports/football/patriots/reiss_pieces/"によると今シーズンのNew Englandのフォーメーションで最も多かったのは3WR1TE1RB隊形だったそうなので、それを基準にスターターを考えると以下のようになると考えていいだろう。

QB Tom Brady (NE6)
RB Laurence Maroney (NE1)
WR Randy Moss (Min1)
WR Donte Stallworth (NO1)
WR Wes Welker (FA)
TE Benjamin Watson (NE1)
LT Matt Light (NE2)
LG Logan Mankins (NE1)
C Dan Koppen (NE5)
RG Stephen Neal (FA)
RT Nick Kaczur (NE3)

DE Richard Seymour (NE1)
DT Vince Wilfork (NE1)
DE Ty Warren (NE1)
LB Rosevelt Colvin (Chi4)
LB Tedy Brushi (NE3)
LB Adalius Thomas (Bal6)
LB Mike Vrabel (Pit3)
SS Rodney Harrison (SD5)
FS James Sanders (NE4)
CB Asante Samuel (NE4)
CB Ellis Hobbs (NE3)

 見ると分かるように、まず意外と自前ドラフト選手が多い。14人というのは2000年以降のよいチーム(12.7人)を上回る数値だ。一方ルーキーFAは2人でこちらは少なめ。他の獲得選手6人はよいチーム平均(6.1人)並みである。ライバルのIndianapolisがほとんど自前ドラフト選手なのでそれに比べればNew Englandは選手かき集め型に見えるが、実際はNew Englandもかなり自前ドラフトに頼っているチームだ。
 中でも目立つのが自前ドラフト1巡選手。よいチーム平均(4.8人)を大きく上回る6人をラインアップに並べている。MaroneyとWatsonのような微妙な選手もいることはいるが、MankinsとDL3人衆は十分にドラ1としての活躍をしていると言っていいだろう。
 ドラ1で外れを引かないようにするのが強いチームを作るコツだろう。New Englandの2000年以降のドラ1はSeymour、Graham、Warren、Wilfork、Watson、Mankins、Maroney、Meriweather。新人のMeriweatherを除けばいずれも先発クラスの活躍をしている選手たちであり、ここで大きな失敗をしなかったのがNew Englandが強豪になりえた一因。ちなみにIndianapolisの同時期のドラ1はRob Morris、Reggie Wayne、Dwight Freeney、Dallas Clark、Marlin Jackson、Joseph Addai、Anthony Gonzalezの7人。Rob Morrisが今一つだが後は立派なものだ。
 ちなみに同時期のDetroitはStockar McDougle、Jeff Backus、Joey Harrington、Charles Rogers、Roy Williams、Kevin Jones、Mike Williams、Ernie Sims、Calvin Johnsonの9人をドラ1で指名しているが、既に4人がチームを去っておりRogersに至ってはもう引退してしまった。スキルポジションの選手を指名しては失敗の繰り返しだが、Indianapolisだってスキルポジションの指名が多くそれで成功しているのだからやはりDetroit固有の要因があるのだろう(Millen)。ドラフトは大切だ。

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