NFLはWildcard Playoffが終了。New Englandの対戦相手はJacksonvilleに決まった。シーズン後半に失速気味だったPittsburghと、逆に調子を上げていたJacksonvilleの対戦だったのであっさりJaxが勝つかと思っていたが、実際には2点差と結構際どい試合。Pittsのもたつきぶりは想定通りだったが、Jaxもミスを重ねた。
Jaxのオフェンスを見ると、ランではGarrardのスクランブルが最大の武器になっていた。TaylorはYPCが3ヤード、Jones-Drewは3.6ヤードでどちらもかなり冴えない。もっともこれはDVOAで見たランディフェンスがリーグ3位のPittsだったから、という面もあるだろう。New Englandのランディフェンスは15位であり、Pittsほど簡単には抑えられない可能性はある。なお10ヤード以上はGarrard3回、Taylor1回、Jones-Drew1回。ゼロヤード以下(ニールダウン除く)はTaylor2回、Jones-Drew1回だった。
ランも強力だが本当はもっと強いはずのパスオフェンス。でもこの試合ではGarrardのパス成功率が5割を切り、YPAは6.7ヤードにとどまった。ディープパスは7試投3成功56ヤードとそこそこだったが、ショートが14試投6成功84ヤードだったのが大きな問題だろう。Pittsのパスディフェンスはリーグ5位とNew England(6位)とほぼ同じであり、この試合でPittsが見せたパスディフェンスは参考になりそうだ。
どのレシーバーが抑えられたのだろうか。目立つのはTEのLewisで5回中2成功16ヤード。TEに対するPittsのパスディフェンスはリーグ18位とNew England(23位)よりはましだがあまり変わらない。これならNew Englandも彼を抑えることができるかもしれない。またJones-Drewも3回中1成功だったのだが、PittsはRBに対するパスディフェンスはリーグ最強なのであまり参考にならないだろう。一方、New Englandが得意な二番手WRのNorthcuttは3回中1成功17ヤード。ここらへんをきちんと止められれば試合もやりやすくなるのでは。
一方、Pittsのオフェンスで見ると、まずランは完全に食い止められた。DavenportのYPCはたった1.6ヤードで、10ヤード以上1回に対しゼロヤード以下は7回もあった。Pittsのランオフェンスはリーグ17位と低いが、リーグ22位のJaxランディフェンス相手であることを考えれば問題は多い。逆に言えばDVOAでリーグトップのランオフェンスを誇るNew Englandがこの部分で苦戦するようだとまずい。Maroneyの活躍が期待される。
Roethlisbergerのパス成功率は69%、YPAは8ヤードと、インターセプト3回を除けば見事な限りだ。とはいえBradyにそこまでの水準を求めるつもりはない。インターセプトをゼロに抑えてくれれば、パス成功率やYPAはもう少しリーグ平均に近くてもOKである。もう一つ、Roethlisbergerはディープを5試投1成功33ヤードに抑えられながらショートでは37試投28成功304ヤードを達成した。ショートパスを得意とするBradyにとってはありがたい数値だ。
レシーバーを見るとWard(12回中10成功135ヤード)とMiller(8回中8成功85ヤード)の活躍ぶりが目立つ。New Englandに引き比べるならMossとWatsonだ。できればMossにはこのくらいはやってほしいが、Watsonは無理だろう。その分をWelkerで埋めてくれればいい。二番手WRのHolmesは7回中3成功49ヤードで、特にディープは2回中0成功だったから、Stallworthには頼れないと考えた方がよさそう。
残る問題は天候だろう。特に強風と低温は今年のNew Englandにとってはアゲインストだと考えておくべき。パスが通らず、グラウンドアタック中心になると、走れる選手がRB2人プラスQBのJaxに対し、New EnglandはMaroney単体での対応を迫られる。過去のNew Englandでは考えられない事態だが、今年のプレイオフでは雪よ降るなと祈るファンが増えそうだ。
他の3試合ではSan Diego、New York Giants、Seattleが勝利。残るは8チームのみだ。普通に考えるとDivisional Playoffはさすがにホームチームが有利だろうが、昨年のAFCのように2試合ともアウェイチームが勝ってしまうこともある。油断せずに対戦してほしいものだ。
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