週記 木曜版

 日記ならぬ週記である。

 多分もう早売りではなくなっているであろうアメフト漫画のネタバレ。年末は発売スケジュールが変わるのでよく分からん。その前にNFLの話を。
 久しぶりにFootball Outsiders"http://www.footballoutsiders.com/"のスタッツを見てみよう。今年はとにかくNew Englandが歴史的に見ても異常な数値を叩き出しているのが最も目立つ。DVOAは16週終了時点で54.3%と1996年以降で最高だった1999年のSt.Louis(46.3%)を上回っている。オフェンスは41.8%で、歴史的に見れば2004年のIndianapolis(42.0%)の次ではあるが、今年に限れば2位のIndy(29.2%)を10ポイント以上上回っている。
 面白いのはパスオフェンス(59.7%)だけでなくランオフェンス(19.2%)もリーグトップであること。New EnglandのランがMinnesota(13.5%)やPhiladelphia(18.3%)より上に来るのは納得いかない人も多いだろうが、それはDVOAが1プレイ平均の指標だから。New Englandはランプレイ回数がそれほど多くないので積み上げた数値(トータルヤードなど)で見るのとはかなり印象が異なる。
 RB成績もしかり。Maroneyの獲得ヤードは1000に達していないが、Success Rateでは59%とリーグトップだ。おかげでDPARでもリーグ6位に顔を出している。Eckelを除くNew EnglandのRBたち(Maroney、Morris、Faulk、Evans)のDVOAはいずれも20%を超えており、ランの効率がいいことが分かる。OLの修正Line Yardsが4.88とリーグトップにいるのが大きいのだろう。
 ディフェンスは-8.9%の7位とこちらはそれほど圧倒的ではない。パスディフェンスは-11.9%で5位、ランディフェンスは-5.3%で13位。レシーバー別に見るとどのレシーバーもそこそこ抑えている(リーグ9位から17位)訳で、目立った長所も弱点もない状態だ。ただパスラッシュは好調で修正Sack Rateは8.6%でGiantsに次ぐリーグ2位を維持している。Colvin負傷でもVrabelが寄与してくれたようだ。
 STは3.5%の7位とこちらも上位。Hansonのパントは最近になって改善したようで-0.1%と平均並みに戻ってきた。一方でGostkowskiのFGは相変わらず安定せず-1.7%。意外なのはパントリターンで-3.6%。リターンヤードはそんなに悪くないし、ファンブル数も2回と目立って多い訳ではないのになぜこうなるのか不明だ。キックオフとキックオフリターンについては文句なし。
 オフェンス、ディフェンス、STでそろって上位10位以内にいるのはNew Englandだけ。隙のない強さということになるのだろう。他チームのファンから見れば面白みのないところである。

 アメフト漫画。話としてはワンオンワン。いつもの通りあっちでもこっちでもワンオンワン。11人を有機的に動かす話を書くつもりはないらしい。確かにディフェンスのスキームを描くのはオフェンスよりさらに難しいと思うし、走れるQB相手にQBスパイを使うのもよくあるパターンだが、どうも面倒な描写を避けようと手を抜いている印象が強い。
 誰がプレイコールを出しているかも相変わらず不明。初心者がこの漫画を読んだら絶対アメフトというゲームを誤解するな。きっとサッカーのようにその場その場での瞬間的な対応が中心のスポーツだと思うだろう。少なくとも現実のアメフトがそうであるように「ポジションを半歩単位で調整する緻密なスポーツ」だとは考えないに違いない。
 ちなみに怪我人が戻ってくるシーンがあった。怪我の内容が不明なので何とも言えないが、もし脳震盪ならやってはいけないこと(やるヤツは大勢いるけど)。おまけに腕を骨折したヤツまでサイドラインに戻ってきたが、こちらはコーディネーター役であれば悪くない。少なくとも誰がプレイコールを出しているのか不明という異常事態は解消される。あくまで異常事態ではなくなるだけで、まともなプレイのシーンが描かれる保証はどこにもないが。

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