日記ならぬ週記である。
アメフト漫画早売りネタバレの前に、新パソコンが購入1ヶ月半で故障。メーカー送りになった。今まで何台かパソコンを購入してきたが、たった1ヶ月半で壊れたのは初めてだ。仕方ないので旧パソコンを引っ張り出して使っている最中だが、1ヶ月半のパソコンが使えずに9年目のパソコンに頼らざるを得ないとは世の中は不条理である。これでHDDの初期化が必要などと言われたら目も当てられない。たった1ヶ月半とはいえバックアップを取っていないデータがいくつもある。勘弁してくれ。
NCAAではBCSチャンピオンシップの組み合わせが決まり(Ohio St.とLSU)、HawaiiのSugar Bowl出場も決まり、Missouriの4大ボウルからの脱落も決まった。今週末に決まるのがHeismanで、候補者は4人いるが有力なのはFloridaのTim TebowとArkansasのDarren McFaddenあたりだそうだ。面白いのは、この2人ともsingle-wingっぽいオフェンス(今のカレッジではspread offenseと呼ばれることが多い)での活躍が認められての評価だという点にある。
Tebow"http://web1.ncaa.org/d1mfb/playerDetail.jsp?yr=2007&org=235&player=15"はsophomore(2回生)である点が懸念材料となっている(過去のHeisman受賞者は全てjuniorかsenior、つまり3回生か4回生)が、一方でNCAAで初となる20/20(ランTD20回以上、パスTD20回以上)を達成したのはお見事。パス試投317回、ラン194回はFloridaのトータルオフェンスプレイ(782回)の65%を担っている。まさにsingle-wingのTBのような役割を果たした選手である。
McFadden"http://web1.ncaa.org/d1mfb/playerDetail.jsp?yr=2007&org=31&player=5"はあくまでRBだが、ArkansasのWild Hog Formationと呼ばれるプレイではショットガンQBのポジションに入ってプレイする。LSUを破った時の記事"http://arsnonline.com/index.php?name=News&file=article&sid=4909"によればMcFaddenは自ら走るか、ハンドオフするか、パスを投げる"triple threat"になっているそうで、やはりラン、パス、キックをこなしたかつてのsingle-wingのTBと似た役割を果たしているようだ。
カレッジでのspread offenseの流行に対してBelichickが質問を受けた時の話がこちら"http://swsentinel.blogspot.com/2007/11/belichick-on-spread-single-wing-in-nfl.html"に載っているが、Belichickは「Floridaのようなチームのランニングゲームはsingle-wingと似ている」と指摘している。ダイレクトスナップを受けたバックスがそのまま走れば、残りの10人の選手は全員ブロッカーとなることができる。T-formationからのランプレイでは必ずQBが余ってしまうのに比べ、ブロッカーの数が多いのが「essence of the single-wing」なのだそうだ。日本の大学でも投げて走れるQBによるショットガンが流行だが、これも一種のsingle-wingと言えるかもしれない。
と長々と書いてきたところでアメフト漫画。こちらは戦術とかフォーメーションとか全く無関係に予想通りの精神論世界に突入。戦前の軍隊かお前は。確かに1対1の戦いで一方的に負けるようではチームレベルでも勝負にならないと言われればその通りなのだが、だからと言って1対1で勝てばそれで試合に勝てる訳ではない。チームスポーツの世界はそれだけでは済まないのだ。
こちらの掲示板"http://forums.delphiforums.com/n/mb/message.asp?webtag=SingleWing&msg=7250.1"には、今年11歳から12歳のユースチームを指揮したコーチの体験談が載っている。チームのメンバーはたった16人で、しかもうち1人は女の子。他チームは大半が30人規模、特に強豪になると100人以上の候補者の中から選び出したプレイヤーで構成されている。そんなリーグの中で勝ち残るべく、このコーチはsingle-wingを導入した。
結果はシーズン9勝1敗。チャンピオンシップでは無敗だった強豪チームを34対7で撃ち破った。WBになった女の子(リーグでただ一人の女子)はチーム3番手となる8つのTDを決めた。彼女が1対1で勝てる相手選手の数は限られているだろうが、だからといって彼女を無視したらとんでもない目に遭うことになる。これがチームスポーツだ。
所詮は漫画、ましてジャンプの方程式に則った作品に今更何を言っても仕方ないと言えばその通りだし、たかが漫画に目くじら立てる必要もないのは確か。でも、何度も言っていることだが、なぜアメフトを題材にする必要があったのだろう。どうせ1対1の話を描くのなら、格闘技漫画にした方がよほどすっきりしただろうし、精神論を展開してもより説得力があったと思う。
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