週記

 日記ならぬ週記である。

 アメフト漫画早売りネタバレの前に先週の続きの話を。Football Outsiders"http://www.footballoutsiders.com/"のDOVAで見るとMossはQBの成績を約10%ほど引き上げる能力を持っていることを指摘したが、逆は成り立たないのだろうか。Bradyと組んだレシーバーは、あのCaldwellがチームトップの記録をたたき出すくらい、いい成績に恵まれている。Mossと同様、Bradyもレシーバーの成績を引き上げる能力を持っているのではないか。
 という訳で先週と同じような調査をしてみた。2000年以降にBrady及びそれ以外のQBと組んでプレイした経験のあるレシーバーをピックアップし、彼らのDVOAを「Bradyと一緒の時」「それ以外」に分けて算出してみたのだ。対象となるのはWRとTEの計20選手。以下に彼らの名前、Bradyと一緒にプレイした年、Bradyと一緒の際のDVOA、それ以外のDVOA、Bradyがそのレシーバーに投げたパス回数を並べた。

Randy Moss (07) 56.60% 15.34% 79
Donte Stallworth (07) 40.70% 6.13% 40
Wes Welker (07) 24.80% 4.75% 77
Christian Fauria (02-05) 23.14% -2.81% 122
Tim Dwight (05) 20.70% 5.70% 34
Terry Glenn (01) 20.40% 4.49% 24
David Givens (02-05) 18.61% -32.50% 272
Deion Branch (02-05) 18.41% 2.65% 347
Jermain Wiggins (01) 13.50% 5.73% 21
Reche Caldwell (06) 9.40% -37.42% 102
Jabar Gaffney (06-07) 7.74% -2.65% 38
David Patten (01-04) 2.24% -13.07% 329
Doug Gabriel (06) -1.20% -2.59% 47
Dedric Ward (03) -5.00% -6.66% 11

Daniel Graham (02-06) 11.27% 26.90% 192
Cameron Cleeland (02) -1.70% 7.11% 21
Kyle Brady (07) -2.10% 6.12% 13
Bethel Johnson (03-04) -24.18% -3.70% 55
Charles Johnson (01) -31.70% -3.70% 25
Donald Hayes (02) -34.70% -3.33% 31

 Bradyと一緒にやっている方が成績のいいレシーバーは14人(WR12人、TE2人)、Bradyと一緒でない時の方がいいレシーバーは6人(WR3人、TE3人)。7割のレシーバーにとってはBradyの方がいい相手ということになる。Bradyのパス回数で見ると差はさらに大きく、成績がよかったレシーバーには計1543回投げているのに対し、そうでないレシーバーには337回しか投げていない。比率は82%に達する。
 個別の名前を見ても、Denverに行ってからの方がDVOAのいいGrahamを除けば、主戦級レシーバー陣はみなBradyと一緒にプレイすることで成績が上向いている。今年の3人(Moss、Stallworth、Welker)に加え、かつてチームを支えたBranch、Givens、Patten、昨年の「破壊的な」Caldwell、Gaffney、Gabrielも、みんな揃ってBradyと一緒にプレイすることで成績を向上させている。
 全体の平均はどうだろうか。WRの場合は一緒にやった場合が12.80%、そうでない場合が3.01%、TEは一緒の場合が14.11%、それ以外が5.68%。いずれも10%近く差がついている。トータルは一緒の場合で13.05%、それ以外で3.46%。MossがQBの成績を10%強引き上げていたのに対し、Bradyはレシーバーの成績を10%弱引き上げている計算だ。
 もう少し一般的なスタッツでも比較してみよう。パス成功率はBradyと組んだ場合が59.47%、それ以外が56.27%でその差は約3%。TD率は一緒の場合が6.54%、それ以外が4.64%でこちらはほぼ2%とかなり大きく向上している。決定力という点ではBrdayもかなりのもの。またYPAは一緒の場合で7.76ヤード、それ以外で7.43ヤード。Bradyと組んだ時のレシーバーは優秀に見えるという印象は、数字でも裏付けられたと言っていいだろう。

 さてアメフト漫画。まず、やっぱりロンリーセンターだったことに脱力。それと漫画的演出と言ってしまえばそれまでなのだが、QBがボールを持ちすぎじゃなかろうか。そりゃサックも食らうだろう。そんでもってサックしたDLが、QBが片手でボールを持っているという絶好の機会だったにもかかわらずボールに手を伸ばさなかったことに違和感がある。ここはファンブルを狙いにいくチャンスではなかったのか。
 このアメフト漫画、最近まで「現実にはよくあるのに作中ではほとんど出てこない現象」が2つあった。ペナルティと怪我人だ。このうちペナルティの方は相変わらず影も形も見当たらないが、怪我人は最近になって急増してきた。もっともNFLの試合映像などを見ていれば分かるのだが、通常骨折が生じるのは体の一部がフィールドに固定されたような状態になっている時であり、漫画のような倒され方だと脳震盪などはともかく骨折はあまりなさそうな気がする。いずれにせよ今までほとんど描写されていなかった面が出てきたのは評価すべきかもしれない。
 それにしてもやっている選手は怪我についてどう考えているのだろう。他のスポーツに比べても怪我人の発生は多いように思えるし、時に深刻なものもある。それでもサラリーが高いなら金のためにやる人間がいても不思議ではないが、実際には選手数が他のプロスポーツに比べても多いため選手の平均サラリーは実はそれほど高くない。ましてプロでない、特に高校生以下の選手たちにとっては、他の国で暮らしている人間から見るとリスクばかり大きいスポーツに見えてしまう。にもかかわらず数百万人のプレイヤーが存在し、このゲームに取り組んでいる。それだけあの国の文化と深く結びついたスポーツだと解釈するしかないのだろう。
 漫画に話を戻すと、QBがいなくなってどういう対応をするかが興味深い。普通なら控えQBが出てきてプレイすることになるのだが、なにせあの漫画はツープラトンシステムすら採用していないからなあ。ここでQB不要なフォーメーションとか言ってsingle wingを始めたりすると実に面白いのだが、まあそれはないだろう。

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