New Englandはまたも圧勝。色々と記録を樹立したようだが、細かい点はこちら"http://www.patriots.com/news/index.cfm?ac=latestnewsdetail&pid=28517&pcid=47"で確認していただきたい。前半でここまで一方的な点差のついた試合のスタッツにどれほどの意味があるのか不明だが、一応分析しておこう。
まずレーティング最高値をたたき出したBrady。これまでシーズン最多TD数は28だったのに今シーズンはもう27もTDパスを投げているというだけでも驚きだ。今週は前半に291ヤードを投げて仕事はほぼ終わり。ディープパスで6試投5成功157ヤードも稼げるのなら苦労はしない。Miamiのパスディフェンスは第6週までDVOAで30位とかなり悪いのは確かだが、ここまで一方的になると笑うしかない。何だか彼に関しては出てくる数値の異常さに次第に麻痺してくるようになっている。
レシーバーではMossが5回中4回レシーブだが、そのうちディープは3回中3回レシーブ103ヤードとこれまた冗談のような数値。最近はダブルカバーのせいか少し成績が落ちていたようだが、ちょっと油断すると(もしくは弱いチームと当たると)こうなるのだろう。Welkerも11回中9回レシーブ、ディープでは2回中2回レシーブ54ヤードと、自分の仕事をきっちり果たしている。Stallworthがちと冴えなかったが、それでも5回中3回レシーブだから合格点。正直、この3人だけに投げていればそれでBradyの仕事は終わりといった状態だ。
パスが好き放題やっている一方、ランはとにかく地味だ。Maroneyは復活したが前半に6キャリーしただけで後はお休み。後半の時間つぶしに使われたのはEckelだが6回12ヤードと冴えない成績に終わった。彼はマイナスヤードも2回あり、時間消費のために使うには今ひとつ信頼性に乏しい状態。Morrisがいない状態ではFaulk、Evans、Eckelあたりを使ってごまかしながらいくしかないだろう。
一方のディフェンスだが、正直後半の数字をどこまで重視すべきなのか分からない。あの点差だと後半は延々プリベントディフェンスでも構わないような展開だったし、実際にどう見ても緊張の糸が切れたような数字が並んでいる。たとえば前半のパスは15試投9成功76ヤードに抑えたが、後半は22試投15成功160ヤード。成功率も、パス成功あたりの獲得ヤードも後半の方がいい。まさにプリベントディフェンスを敷いていたような数値なのだ。逆に言えば、後半にヤードを稼いだPeelleやHaganの成績はあまり額面通りに受け取らない方がいいのだろう。
前半から使われた選手たちを見るとBooker(前半は5回中2回成功23ヤード)とGinn(同3回中1回成功11ヤード)の両WRを封じたのが大きい。前半3回中3回成功22ヤードのMartin(TE)と4回中3回成功のBrown(RB)にはそれなりにやられたが、WRでなければ距離は稼げないしパスで進ませなければ致命傷を負う可能性はそれだけ減る。ランばかりでは次々と点を積み重ねるNew Englandオフェンスに追いつくことはできないのだ。Lemonのディープパスを全体で8回中2回成功39ヤードにとどめたのも、でかい一発さえ防げば勝てるという今の状況を示しているものだろう。
とはいえランディフェンスは酷いな、さすがに。前半でも14キャリー70ヤードやられているし、後半はもうボロボロ。前半は相手がリーグ屈指のRBだったと言い訳もできるだろうが、後半になって控えのChatmanやCobbsにやられたのはダメ。10ヤード以上のランを許したのも計5回とかなり情けない有様だ。一方で相手をマイナスに追いやったのも4回あったが、この試合でそういうプレイは正直必要ない。別にロスさせなくてもいいからロングゲインはさせない、というのがディフェンスに求められていた仕事のはず。そろそろ何とかしないと、強いチーム相手にこれではヤバいぞ。
リーグ全体では第7週が終了した時点で全勝チームがまだ2つ残っている一方、全敗チームも2つある。そのうち特にSt.Louisについては今後のスケジュールを見ても勝つチャンスがあるかどうかわからないという厳しい声も出てきた。Miamiも唯一の武器ともいえるBrownがシーズンエンドの負傷で先行きに暗雲。一方でIndyとNew Englandはこのまま無敗直接対決までたどり着いてしまいそう。戦力均衡を進めているNFLだが、今年は随分とチームによって力の差がついているような気もする。
AFC東にとって幸いなのは、ようやくNew England以外のチームが地区外対戦で勝利したこと。そしてBuffaloが2勝目を記録したことでリーグ最低地区の汚名返上も成し遂げた。現在AFC東の合計勝敗は10勝17敗、そしてNFC西は9勝18敗。そう、またしてもNFC西がリーグのどん底に名乗りを上げてきたのだ。Seattleに往時の力はなく、Arizonaも安定性に欠ける。San Franciscoはオフェンス機能不全で、St.Louisは…。今年もまたNFC西がお荷物になるのだろうか。
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