週記 温故知新

 日記ならぬ週記である。

 アメフト漫画は試合が始まったものの具体的に言及すべきプレイは特にないのでパス。NFLではMossが4試合で500ヤード超のパス記録を達成している。このまま行けばシーズン2000ヤードという数字が出てくるのだが、普通に考えればさすがにそれはないだろう。獲得ヤードで見た場合、レシーブのシーズン記録は今から12年前に達成されたもの。パスやランのシーズン獲得ヤード記録に比べれば新しい時期に更新されたものだが、それにしても今の時代では新記録達成が難しくなっていることが分かる。
 歴史的に見るとどうなのだろう。NFLの個人記録は1931年以前は公式のものが残っていないし、今のようなシーズン16試合制になったのもそんなに昔の話ではない。積み上げた数値であるシーズン獲得ヤード記録について過去と現在をそのまま比較するのは問題も多いのだが、それでも並べてみるのは面白いかもしれない。Football @ JT-SW.com"http://www.jt-sw.com/football/"やdatabaseFootball.com"http://www.databasefootball.com/"を使って調べてみた。

 まずは1931年以前の公式記録が残っていない時代("http://www.databasefootball.com/players/playerpage.htm?ilkid=THORPJIM01"など参照)。ただ、公式なものはないが非公式なデータは色々と存在するようで、選手によってはそうした非公式記録に基づいたスタッツが記されているものもある。あくまで「追い風参考」のような記録でしかないが、一応見てみるとしよう。パス、ラン、レシーブのそれぞれについて、その時点でのNFL(1921年以前はAPFA)記録を叩き出した選手を紹介する。

pass
1920 28- 54- 591- 7- 2, Al Mahrt, Dayton Triangles
1923 75-171- 778- 3-17, Johnny Armstrong, Rock Island Independents
1924 75-179-1094- 8-29, Curly Lambeau, Green Bay Packers
1927 96-205-1721-12-11, Benny Friedman, Cleveland Bulldogs

rush
1920 46- 274- 1, Dutch Sternaman, Decatur Staleys
1922 85- 419- 2, Al Elliott, Racine Legion
1923 78- 439- 3, Tex Grigg, Canton Bulldogs
1924 61- 503- 3, Les Haws, Frankford Yellow Jackets
1925 170- 656- 5, Barney Wentz, Pottsville Maroons
1926 220- 727-10, Barney Wentz, Pottsville Maroons
1930 141- 744- 5, Chuck Bennett, Portsmouth Spartans

receive
1920 8- 181- 0, Dutch Thiele, Dayton Triangles
1921 15- 285- 1, Scotty Bierce, Akron Pros
1923 33- 494- 0, Charlie Mathys, Green Bay Packers
1924 30- 579- 2, Charlie Mathys, Green Bay Packers

 有名人と言えるのは名誉の殿堂入りしているLambeau"http://www.profootballhof.com/hof/member.jsp?player_id=117"とFriedman"http://www.profootballhof.com/hof/member.jsp?player_id=241"くらい。しかもLambeauはパッサーとしてではなくFounder, Coachとしての選出であり、この(非公式)成績を評価されたとは考えない方がいいだろう。つまり成績を理由に選ばれたのはFriedmanだけであり、しかも彼も死後(ピストル自殺と言われる)20年以上経過した2005年になってようやく殿堂に入ることができた。
 同時代に殿堂入り選手がいなかった訳ではない。Paddy DriscollやRed Grange、Ernie Nevers、Blood McNallyといった選手たちが、公式記録以前に活躍して殿堂入りを果たしている。公式記録のない時代だったから、記録よりもむしろ記憶によって選ばれたのかもしれない。Grangeなどは知名度は抜群にあったことが知られている。
 Lambeauはおそらく初めてパスでシーズン1000ヤードを獲得した選手だが、パッサーとして図抜けていたと言われるのはFriedman。当時のボールは今のものより球形に近く、フォワードパス向きでない形をしていた。だがFriedmanはとても大きな手を生かしてそのボールをうまく掴み、正確なパスを投げていたという。当時のスポーツライターによれば、レシーバーは「グレープフルーツをもぐように」彼のパスをキャッチしていたそうだ。彼は1500ヤード超のシーズンを2回記録している。
 SternamanはHalasと一緒にDecatur Staleys(今のChicago Bears)を指揮した人物らしい"http://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Sternaman"。MathysはLambeauがパス記録を達成した時に主なターゲットになっていた人物だが、こちら"http://en.wikipedia.org/wiki/Charlie_Mathys"を見るとポジションはRBになっている。シングルウイング時代ならではの記録かもしれない。それ以外にWentzに関する記述"http://www.footballhistorian.com/football_heroes.cfm?page=11"も発見したが、後の選手は少し探した程度では具体的な人物像などは分からず。
 1932年以降の記録は後の機会に。

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