シーズン後

 今シーズンはオフでもないのに逮捕される者が相次いだり不祥事が発生したりと、残念な案件が目立っていた印象があるのだが、よりにもよって最後にこんなものが来てしまうとは。Chiefsの優勝パレードの最中に銃撃が起き、20人以上が撃たれてうち1人が死亡してしまった。まったくもって残念な話だ。事件を受けてMahomesが病院に担ぎ込まれた子供たちを見舞ったほか、Kelceの彼女であるSwiftが亡くなった女性の家族に10万ドルを寄付したという。
 大勢の人間が撃たれたということで、当然ながら疑われたのはテロの可能性だが、地元警察によればこれはあくまで何人かの者の間で起きた諍いが原因であり、テロや過激派による犯行ではないという。だとしても2児の母親の命が奪われ、また負傷者の半数以上は16歳以下の子供だったことが、非常によろしくない出来事であるのは確か。おまけにこの件で起訴されたのが少年2人であったとも報じられており、つまり未成年の乱射で子を持つ母親と多くの子供が死傷したというとても嫌な事件になってしまった。
 正直、NFLの優勝パレードで銃の乱射があったという話は聞いたことがなかったのだが、実は昨年もNBAのNuggetsの優勝パレードで喧嘩が元になった銃撃戦が行われ、居合わせた9人が負傷したという事件があった。この時は幸運にも死者は出なかったが、今回はついに一線を越えてしまった形。NuggetsのHCであるMaloneが「何とかしなければならん」と述べたのは当然のことだろう。テロでないからといって放置していいような事態とは思えない。
 思えないのだが、では今の米国がこの問題をすぐに解決できるかといえばおそらく無理だ。何しろこちらこちらでも紹介した通り、米国では今や銃乱射はありふれた出来事になりつつある。テロ目的でこの数字だから、そうでない事件も加えればさらに件数は増えるわけで、まして複数の少年が自由に銃を持ち歩ける社会において、今回のように単なる喧嘩が銃の乱射につながる事例だってそれほど珍しくはあるまい。悲劇を防ぎたいのなら銃自体の規制を強めるしかないはずだが、ずっと前から問題になっているにもかかわらずいまだに解決できない問題がすぐに変わるとは思えない。むしろ不和の時代に入り、同様にスポーツを巡る場面での銃撃が増える恐れすらある。そうはならないことを祈っているが。

 銃撃以外ではGaroppoloがドーピング規則違反で2試合の出場停止を食らうという不祥事もあった。Raidersは彼を解雇する方針だそうで、結局彼のRaiders歴は1年で終わることになりそう。解雇自体はビジネスなので良し悪しとは関係ないが、規則違反は正直いただけない。おそらくはこの結果としてRaidersは2024年のサラリーとして保証していた11.25ミリオンについて払わなくてよくなるため、道義的のみならずビジネス的にもGaroppoloにとってマイナスだ。
 大本営の記事によると彼は試合については出場停止を食らうものの、オフの練習への参加についてのペナルティは受けないという。とはいえ負傷歴及び49ers以外での実績の乏しさもあってか、当面は控えとしての仕事になるのではないかと記事では予想されている。ドラフトでもFAでも先発候補が取れなかったチームとかが出てこない限り、その可能性は踏まえておいた方がよさそう。それにしてもRANY/Aが+0.89とPrescott並み(+0.91)で、ほんの1年前にはオフに話題を集めていた選手がたった1年でこうなるとは、実に毀誉褒貶の激しい世界である。
 Garoppoloの派手な動きとは逆に、不祥事とも無関係に解雇されていたのがTrubisky。Steelersでのプレイは2年で終了となり、かくしてMahomesの同期である彼はこのオフに3チーム目を探すことになる。まあプレイオフの時点でPickettに取って代わったRudolphから数えて3番手のQBになっていたため、チームにとどまっていてもあまり意味がなかったのは確かだろう。とはいえ今年のドラフトでQBを指名したチームが欲しがるベテランバックアップの一角くらいにはなりそうなので、まだ諦める必要はなさそうだが。
 それ以外にもBearsがSのJackson及びOLのWhitehairの2人を解雇した。こちらはサラリーキャップ的に予想されていた動きだそうで、合わせると22ミリオン近くのキャップスペースが浮くそうだ(デッドマネーは計10ミリオン弱)。来シーズンのBearsのキャップルームは現時点で67ミリオンとリーグでも3番目に多く、おそらく全体1位でのQB指名も含めて来シーズンは出直しの年となるだろう。
 他にコーチングのポジションも引き続き動きが出ている。49ersではShanahanがDCのWilksに戻ってきてほしいと述べた直後に彼の解雇が発表された。別にSuper BowlのOTで相手にTDを許したことだけが理由ではないだろうが、オフェンスに比べて49ersのディフェンスがそれほどでもなかったのは確かだ。
 逆にディフェンスのおかげもあって連覇したChiefsはDCのSpagnuoloとの契約延長に署名した。さらにChiefsはDTのJonesとの契約でオプションを行使し、このオフにフランチャイズタグを貼る可能性を残した。記事によれば長期契約を結びなおすことも考えつつ、プランBとしてタグを使えるようにするのだそうで、少しでもロースター作りの柔軟性を残しておきたいのかもしれない。後はCommandersがLionsのNewmarkをアシスタントGMとして雇ったという話もあった。

 Super Bowlも終わったところでPatriotsの今後についてもちょっと考えておこう。こちらの記事には最近のコーチングスタッフに関する情報が載っている。HCのMayoとOC(Van Pelt)、DC(Covington)に加えてSTC(Springer)も決まっていることが分かるし、他のポジションコーチもかなり固まっている。ぱっと見で目立つのはILBコーチのHightower(彼にとっては最初のコーチ職になるという)、シニアアシスタントのMcAdoo(元Giantsコーチ)、そして引き続きSafetyコーチにとどまるBrian Belichickといったあたりだ。
 チームにとっては新顔が多いところを見るに、かなり根っこのところから手を入れたと見るべきだろう。結果、昨シーズンにプレイコールを出していた者はオフェンス側のO'BrienもディフェンスのSteve Belichickも姿を消している。当初はOhio StateのOCになる予定だったのが結果的にBoston Collegeの新たなHCになった前者は、実はPatriotsに残る機会があったもののそちらは選ばなかった。後者はWashington大のDCになるそうで、個人的には残ってほしかったコーチなので少々残念なところ。
 コーチ陣が固まってくると次の課題は選手となる。こちらにはチームの優先順位が記されており、そこで第1に挙げられているのがもちろんドラフトでのQB指名(及びベテランバックアップとの契約)だ。Williamsが全体1位指名になるであろうことを踏まえるなら、3位指名権を持つPatriotsが指名できるのはMayeかDanielsのどちらか、ということになるだろう。もっとも誰が当たりになるかはやってみないと分からないし、その意味では多少の指名順の差は気にしても仕方ない。
 2番目以降に出てくるのはパスディフェンスの強化、レシーバー部隊の再建、フロントオフィスの柔軟性の最大化、そしてOTのポジションを改めて積み上げることだ。レシーバーについてはずっと言われ続けていることであり、また今シーズンは負傷のせいでOLがまともに機能しなかったことも確かだ。フロントについてはここ最近のBelichickの指名に外れが多すぎたことが理由だと思われる。ここは体制を大幅に変えたことで柔軟性を取り戻そうとしているのだろう。
 そしてパスディフェンスだが、確かに今シーズンのPatriotsはディフェンス全体のEPA/Pでは8位に顔を出している一方、パスディフェンスのみだと15位という凡庸な成績に落ちる。AFC東を見るとJets(4位)、Bills(7位)、Dolphins(13位)のいずれもパスディフェンスではPatriotsよりいい位置におり、おそらくはそれだけチームにとって弱点であると判断したのだろう。もちろん負傷者が戻ってきた時にはもう少し改善することも期待できるが、それにしてもプレイオフへの復活を目指すのなら放置しておくわけにはいかないポジションだ。
 とはいえ結局のところオフェンス、特にQBを何とかしないことには事態の好転がほとんど期待できないのもまた事実。ドラフトQBは「当たるも八卦」と割り切るとして、後はベテランのバックアップを誰にするかが問われそうだ。今更Hoyerはないだろうし、もしかしたらGaroppoloあたりに目を向けてもいいかもしれない。
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