NFL week4

 相変わらずけが人が多い。Tampa BayのWilliamsがシーズンエンドになったほか、有力チームでも欠場や試合中の負傷が目立った。リーグ全体が野戦病院化しているイメージすらある。こうなってくるとPro Football Prospectus 2007で指摘されていた「スター選手と圧倒的に能力の劣る控えを集めたチームよりロースター全員がそれなりの水準を維持したチームを作る方が有利」という話が、より真実味を帯びて見えてくる。
 けが人のせいばかりではないだろうが、今週もアップセットが多発した。ClevelandがBaltimoreに、BuffaloがJetsに、Kansas CityがSan Diegoに、ArizonaがPittsburghに勝利すると予想していた人は果たして何人いただろうか。この結果、New Englandがこれまで対戦した4チーム(Jets、San Diego、Buffalo、Cincinnati)は全て1勝3敗となり、弱体チーム相手にstompを繰り広げてきたことになってしまった。おかしいなあ、今シーズンはスケジュールがきつかったはずなのに。
 Cincinnatiには34対13で勝利し、開幕から4試合連続で20点以上の差をつけた。これは何でも1920年にBuffalo All-Americansが記録して以来の成績だとか。笑うしかないようなトンデモ記録である。サラリーキャップの時代にこんなに圧倒的な結果になってしまっていいのだろうか。こうなるとどこがNew Englandを止められるのかが気になる。けが人がいなくてインドアで試合をしたときのIndianapolisとか、やはりけが人がいなくてBig BenがGood BenになったときのPittsburghとか、それと@Miami?

 試合を見るとMorrisがよく頑張ったといわれているが、一回あった40ヤード超のランを除けば実はそんなに大した走りはしていない。マイナスに終わったプレイも3回。Maroneyが休んだら今度はMorrisがBoom or Bustになってしまったようだ。LBが負傷しまくって新人SにLBをやらせていたようなチーム相手にしてはいささか物足りない成績である。やはり二番手RBでしかないということか。
 Bradyのパスは成功率がまたも8割近く。ディープパスが3回中1回しか成功しなかったのがちと気にかかるが、ショートパスは29回中24回成功だからほとんど文句なし。前半は短めのパスを丁寧につないで得点を重ね、ある程度差がついた後半は一気に畳み掛けるという展開も最近よく見られるものと同じだ。MossとWelkerへの集中度も48%と許容範囲内。Stallworthにようやく6回もパスを投げたのが目立つところで、彼まで使いこなせるようになればもう何も言うことはない。
 そのMossは9回試投の9回レシーブとまたもレシーブ率100%を達成。ディープを取ったのも彼だ。3試合連続2TDも記録したが、同一シーズンにこれをやった選手はNew Englandでは1970年以降で初だとか。本当に反則技な選手である。もちろんいつまでもこの水準が続くことはあり得ないだろうが、もう現時点で十分に元は取れたような気すらしてきた。Stallworthは6回中4回レシーブ、Welkerは6回中3回レシーブで、Faulk(4回中3回レシーブ)と含めてターゲットとして十分に機能している。Watsonも2回中2回レシーブ。彼はターゲットになる回数が少ない方が安定するのかもしれない。
 ランディフェンスでは相手に10ヤード以上のランを許したのが1回あった。Rudiがいない状態なのであまり褒められない結果だが、一方でマイナスに抑えたランプレイも3回あったし、全体的にはいい数字だろう。Seymour不在でどちらかと言えばパスラッシュ要員のGreenがプレイしながらこの数字をたたき出したことまで考えるなら、十分に許容範囲。Seymourが戻ってくるときがものすごく楽しみだ。
 Palmerはリードされた後半にパスを投げまくって距離を稼いだが成功率は低下した。New Englandの戦略にはまったといっていいだろう。キャッチアップのためディープにパスを投げたのが8回。うち4回レシーブされたのは決していい結果とはいえない(悪いというほどでもない)。それでもほとんど失点されずに乗り切ったのだからヨシとすべきか。
 レシーバーではいつものように1WR(Chad Johnson)を8回中3回レシーブに抑える一方、2WR(Housh)には12回中10回のパスを通された。もう一つ気になるのがKellyにディープパス2回を取られたこと。TEへのカバーはNew Englandのパスディフェンスの中でも懸念材料の一つ。今のところHarrison抜きのS陣はかなり頑張っていると思われるが、このあたりをやられすぎるようだとまずい。次週からHarrisonが戻ってどう変わるかに注目である。

 他チームの動向を見るとまずSan DiegoがKansas Cityに負けたのがびっくり。さすがNorv、俺たちの予想もしない敗北を平然とやってのける。我慢しきれなくなった客がMartyコールを始めたそうだが、そこまで悲観する必要はない、とまだ主張しておこう。何しろ地区最下位とはいえ、トップとの差はたったの1ゲーム。これから2週続く地区内対戦できちんと勝てば望みは残る。うっかりプレイオフに出てNorvがクビにならないより彼が辞めてくれた方が望ましいというなら話は別だが、ってこれは前にも書いたか。
 Philadelphiaの状況も酷い。McNabbが良かったのは先週だけで、今週は何と12ものサックを喰らってオフェンス崩壊。Westbrookが出場しない時点でまずいのではと思ったが、Buckhalterがあれだけ走ってなお完敗というのはどうなんだろう。明らかに歯車が狂っている。おまけにこの地区はDallasが相手に恵まれている(相手の成績3勝13敗)とはいえ妙に好調。これ以上もたつくようだとヤバい事態になりかねない。bye明けには負けないというReidがその伝説をもう一度実現する必要があるだろう。
 Chicagoについては、多分今年はダメなんだろう。この地区はもうGreen Bayで決まりと見ていいのでは。後はFavreがいつBlandaの記録を塗り替えるかだけが楽しみになってしまいそうだ。NFC西地区はどうやらまたもSeattleの手に落ちそう。後はIndianapolisがどこまで踏ん張れるか。オフェンスにけが人が増えてきたのが気になるところである。

 ちなみに1920年におけるBuffalo All-Americansの開幕5試合の記録は以下の通り("http://nflhistory.net/linescores/index.asp"参照)。

1920/10/03
Buffalo All-Americans 32-6 West Buffalo
1920/10/10
Buffalo All-Americans 51-0 All-Buffalo
1920/10/17
Buffalo All-Americans 28-7 McKeesport Olympics
1920/10/24
Buffalo All-Americans 38-0 Toledo Maroons
1920/10/31
Buffalo All-Americans 17-6 Rochester Jefferson

 5試合目は11点差に終わったようだが、New Englandはどうなるのやら。次の試合はホームのCleveland戦。

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