今週のNFLは何といっても
このゲームだろう。得点欄に70台の数字が出てくるのは、すぐに思い出せるものとしては
1940年のChampionshipくらい。正直、前半時点でオフェンスが手を抜いても構わないくらいの点差になっていたのに後半にも35点、それもすべてオフェンスの得点が積み上がっているのはどうかしていると言うしかない状態。さすがに最後の3TDは全部3プレイ以内のドライブで得点しており、つまりBroncosのディフェンスがやる気をなくしていたと判断すべき得点なんだろうが、
それにしてもひどすぎる。
今週はDolphins以外にもChiefsが41点、Bills、Texans、Seahawksが37点と、なかなか豪快に得点を積み重ねたチームが多かった。ただしオフェンスで5TDを記録したChiefsを除くと、TexansはルーキーStroudが率いるオフェンス自体は3TDしか取っておらず、2TDはディフェンスとSTが挙げたものだし、BillsもAllenは1TDパスのみ、オフェンスも合計で3TDにとどまった。そしてSeahawksはFGを5本も決めたことが大きいわけで、要するにオフェンスが強さを見せたと言えそうなのは実はDolphinsを除くとChiefsくらいにとどまっていた。
ただしEPA/Pで見るとなかなかいい成績を残したQBはTagovailoa(0.94)やMahomes(0.59)以外にもいる。例えばWatsonは0.5、Stroudは0.47、Herbertは0.43、Purdyは0.41、Pickettは0.32といった具合で、ようやくエンジンがかかってきたWatson、Herbert、実力か幸運かまだ分からないStroudやPickettなど、バリエーションは色々。一方で今回は不調だった選手にはGaroppolo(-0.11)がいる。そして不幸なことに
Garoppoloはこの試合後に脳震盪プロトコルに入ってしまった。試合中のどのタイミングで脳震盪を起こしたのかは不明だそうだが、どうも彼の選手人生は怪我に呪われている。
そして今週もシーズンエンドの負傷者が発生。
ChargersのWRであるWilliamsがACLを断裂してしまったという。2年連続チームのレシーブヤードトップであった彼は、Chargersにとってのシーズン初勝利となったこのゲームでも121ヤードもレシーブしている。そんな彼がいなくなるのはチームにとっては大きなマイナスだろう。今のところHerbertの数字自体はいいのだが、Chargersというチーム自体には相変わらず不運がまとわりついているように見える。
さらにPackers戦で
SaintsのCarrが肩を負傷した。利き腕の肩だったために深刻なものだと厄介だったが、どうやら捻っただけらしく、シーズンエンドになるような重傷ではなかったという。とりあえずは
毎週の様子を見ながらいつ復帰するかを見定めることになりそう。ゲームは僅差での敗北だったが、Carrの控えとして登板したWinstonのEPA/Pが-0.15と冴えないものだったこともあり、チームとしてはCarrがいずれ復帰できるのはありがたいだろう。
なおBearsも含めて連敗スタートになった9チームについて、第3週の前にFitzgeraldが
「パニックボタンを押すべきか否か」を解説している。実はBearsはPatriotsに次いで今年のサラリー支払いが少なく、来年のキャップが余りまくっているチームであり、つまり最初から今年より来年に力を入れようとしている風に見える。一方3連敗したBroncosは真逆、つまり今年にall inしているチームであり、従ってこちらのファンはパニックに陥ってもいいタイミングかもしれない。
一方、Chubbが負傷したBrownsには
Huntが最大4ミリオンの契約で戻ってきた。といっても実際の金額は
1年1.35ミリオンのようで、要するにほぼベテランミニマムに近い典型的な控えRBのサラリー。もしこの金額で彼がOLやプレイコールの恩恵を受けてChubb並みの活躍をするような事態になれば、改めてRBs don't matterという話がもてはやされるかもしれない。
さて、先週紹介したMahomesの契約修正についてOverTheCapに
新しいデータが掲載されていた。昨シーズンまでチームの支払額は多くて30ミリオン代にとどまっていたが、今年から5年間はほとんど50ミリオン以上となる(2024年のみ44.5ミリオン)。QBでもトップクラスの収入が当たり前のように年平均50ミリオン代になっていることを踏まえての措置だろう。彼が3年前に契約した時は年平均45ミリオンはリーグトップだったが、今や完全に見劣りする数字と化していたことが背景にある。
この結果、契約修正前と修正後のチームの支払額推移は以下のグラフのように変化した。
正直、このようなタイプの契約修正は過去にもほとんど見たことがないため、このグラフをどう評価すればいいのかは判断しかねる。とりあえず明白なのは、この契約がこのまま最後まで続く可能性は極めて低いということだろう。グラフを見てもわかる通り、2027年か遅くとも2028年には契約延長か再修正が行われ、最終的にもっと高い数字になるのはほぼ間違いない。その時のQB市場の動向を見たうえで、新たなグラフが描かれるのだと思う。
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