ロースター調整

 NFLは今週からいよいよレギュラーシーズンが始まる。毎度のことながらオフの長いスポーツだ。開幕はLions @ Chiefsという組み合わせなんだが、優勝チームが出てくるのはわかるんだが、なぜ対戦相手が昨シーズン9勝8敗でプレイオフに届かなかったチームなのかはいまだによくわからない。さすがにSuper Bowlと同じ組み合わせ(Eagles)は避けるのはわかるが、他にもChargersとかBills、Bengalsあたりとの試合も可能だったんじゃなかろうか。
 それはともかく各チームでは最終ロースターカットが進んだ。もちろん例年のように「驚き」のカットについても報道がなされている。例えばCardinalsで言えばPUPリストにMurrayがいる間の先発だと思われていたMcCoyがカットされた。彼らの先発はとりあえずトレードで手に入れたDobbsか、あるいは5巡指名ルーキーのTuneになりそうだと言われている。
 Bearsも控えQBの候補とされていたWalkerをカットした。さらにベテランのPetermanもいったんクビにし、控えの役割はドラフト外ルーキーのBagentになるかと思われたが、これは53人に減らす過程でよく行われている一時的な員数調整だったようで、PetermanはすぐBearsに戻ってきた。現時点でFieldsのバックアップが誰になるかはわからず、ロースターが固まったとまでは言えないようだ。
 しかし控えQBがらみで最も驚きだったのは、PatriotsがBailey ZappeとMalik Cunninghamの2人をまとめてカットしたことだろう。この時点でPatriotsのロースターにはMac Jones1人しかQBが残っておらず、当然この陣容でレギュラーシーズンに挑むはずはなかったため、次にどうするかが注目された。その時点で予想されたのは、ベテランを雇い入れて控えにしようとしているのではないかという話。
 ところがその後でPatriotsは、昨年のドラフト3巡で指名されたばかりの2年目QB、Matt Corralをウェーバーでゲット。現時点では彼が控えの位置に座ることになった。興味深いことにCorralは昨年、PanthersがPatriotsから手に入れた指名権を使って指名した選手であり、Patriotsは代わりに手に入れた昨年の4巡でZappeを指名している。
 Panthersは今年、全体1位でBryce Youngを指名している。また控えとしては実績十分なベテランDaltonがいる。確かにCorralの居場所はないかもしれない。Corralは昨年、プレシーズンで負傷しレギュラーシーズンには1回もプレイしていない。彼がPatriotsの控えに定着したとは言えないし、そうなってもプレイする機会があるかどうかはわからないが、場合によっては2022年の3巡と4巡のQBがPatriotsでプレイすることになる可能性があるわけで、結果的に昨年のトレードがうまく機能したと言えるかもしれない。
 一方、クビになったZappeとCunninghamはウエーバーで拾われず、PatriotsのPSに加わったPSトラッカーを見ても、複数のQBを抱えているチームは他にない。まあPSにどんな選手を置くかはチームによっていろいろな考えがあっていいし、QBは当たりを引くまで次々と手を伸ばすべきだと見るのなら、こういう方法もありなんだろう。
 なおカット全体についてはOverTheCapが2023 NFL Cutsという記事にまとめている。見ての通り大半の選手は年平均1ミリオンを割り込むか、超えていても2ミリオンに達することのないレベルの者たち。例外は7人しかいないが、驚いたことにそのうち5人はTexansの選手だ。うち4人はデッドマネーが1ミリオン以上になっており、彼らのチーム作りに問題があった点がこのあたりにも表れている。
 とはいえチームによっては最終ロースターカット以前にもっと高額契約選手をカットしている例もあるわけで、この一覧表だけでチーム作りについて断言するのは間違い。例えば今シーズンのデッドマネーの金額トータルで見るのなら、Texansの40ミリオン弱という数字は実はリーグでは7番手に過ぎない。Buccaneersの77ミリオン弱をはじめ、Rams、Packers、Eagles、Panthers、Cardinalsといった面々が彼らより上にいることも考えるなら、Texansだけが突出してダメとは言えないだろう。それにデッドマネーが多いといっても、チームがどのような狙いでデッドマネーを積み上げているかも考慮しなければならない。そうした彼らの狙いが正しいかどうかは、シーズンが示してくれるだろう。

 カット以外にトレードもいろいろとあった。例えばBroncosはSaintsからKのWil Lutzを手に入れ、代わりに2024年の7巡を渡した。また彼らはTEのOkwuegbunamと2025年の7巡をEaglesに渡し、対価として2025年の6順を手に入れた。PatriotsはベテランKのFolkをTitansにトレードし、2025年の7巡を入手した。またドラフト権の絡まない珍しいタイプのトレードとしてCowboysとDolphinsがお互いにCBを交換した
 一方、契約でColtsともめてトレードを求めていたRBのTaylorだが、噂は色々と出ているものの、まだ決まった様子はない。とりあえずColtsは彼をPUPリストに入れており、少なくとも開幕当初はプレイしないことになりそうだ。RBにとってはルーキー契約終了後の最初の契約で大金をゲットするのがほとんど唯一のチャンスであるためTaylorが頑張るのもわかるが、どうせならもっと早いタイミング、つまり春のうちにチームとやり合った方がよかったのかもしれない。
 同じく契約がらみでもめている様子なのがBuccaneersのEvansで、代理人が開幕前を契約に関する話し合いの期限に設定してきた。Evansはキャンプにも出てきてきちんと練習をしており、つまり模範的な被雇用者を演じている。彼はTaylorとポジションが違うし、またスター選手としてそこそこのサラリーを既に手に入れている。ただし彼の契約は今年が最終年であり、そしてNFLではキープしたい選手について最終年より前の時点で契約延長が達成されていない事態はあまりない。
 Buccaneersは前にこちらで書いた通り、Jaguarsなどと並んでシーズン終了時点で契約面では厳しい立場に置かれる選手が多いかもしれない、というポジションにいる。Jaguarsはまだ今シーズンに勝負をかけている面があるからいいのだが、Buccaneersの場合はBradyがいる間に無理やりチーム力を上げようとしてきたその咎めが出ている可能性があり、となるとスターWRをどう扱うべきかも悩むところではある。既に30歳となったWRを後生大事に抱えるより、新しいスタートを切りなおすべき、という考えもあるんだろう。

 ちなみにオフが終わったなと思わせる記事の1つが、7月に逮捕されたJaguarsのCBをcommissioner's exempt listに入れたというもの。このリストに入れられた例としては過去にAdrian Petersonがいたわけで、要するに犯罪がらみの可能性がある選手をいったんプレイできなくするためのリストという機能がある。トラブルを起こした選手に対してリーグが取る対応にはいろいろとあるが、このリストに入れられたということはあまりよろしくない状況に見える。
 ちなみに2014年にこのリストに入り、ほとんどプレイできなかったPetersonは、FAであった昨年もDVで逮捕されていたりする歴代トップ5に入るキャリアのRushing Yardsを記録しているPetersonは、普通なら引退して5年待てば殿堂入り間違いなしの選手なんだろうが、さすがに2度の逮捕歴となるとどうなんだろうか。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント