この巻で最も特徴的なのは1815年戦役について取り上げた部分だろう。原著を見ると分かるのだが、ジョミニはワーテルロー戦役についてたった40ページしか書いていないのに対し、翻訳者のHulleckは(いろいろな脚注を入れているとはいえ)95ページもこの章に費やしている。なぜそうなっているかといえば、ジョミニが後にこの章だけ別の本にして出版しているからだ。それがPrécis politique et militaire de la campagne de 1815という、ナポレオンの生涯から10年ちょっと後に出版された本だ。
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