週記開幕版

 日記ならぬ週記である。

 アメフト漫画早売りは試合のシーンがなかったのでパス。という訳でNFLの開幕戦だが、IndianapolisがNew Orleansに圧勝した。Indyが勝ったこと自体は想定範囲だったものの、予想外だったのはNew Orleansが10点しか取れず、しかもオフェンスの得点はたった3点だったこと。Football Outsiders"http://www.footballoutsiders.com/"の直前予想ではNew Orleansのオフェンスはリーグ5位、Indyのディフェンスはリーグ32位となっていた。普通ならもっとshoot outになっても良かったはずなのだが。
 考えられる理由としては(1)Indyのディフェンスが予想より良かった(2)New Orleansのオフェンスが予想より悪かった(3)16試合のうちの1つに過ぎず、単なる誤差の範囲内――といったあたり。あるいは(1)と(2)の中間とも考えられる。(1)だとしたら一昨年のIndyが戻ってきたということになるし、(2)なら一昨年のNew Orleansが戻ってきたとも言える。(3)であればたまたまBreesの調子が悪かったということになろうか。悪すぎる気もするが。
 これだけではアレなので、Pro Football Prospectus 2007の中からまだ紹介していなかった話を。彼らが調べたデータによると、ディフェンスによってハリーされたQBの成績は大体悪くなっている。それはBreesも同じで、ハリーの際のパスDVOAは-19.7%。それでもPalmer(-41.2%)やBrady(-41.9%)よりはマシなのだが、Peyton Manningの+23.0%と比べるといかにも分が悪い。実際プレイを見ても、ディフェンス選手に手をかけられながらサイドラインの外に綺麗に投げ捨てたManningと、慌ててダウンフィールドに投げ込んでインターセプトを喰らっていたBreesの差は大きかった。サックを記録しなくてもラッシュをかけるのが重要であることが分かる。
 もう一つ、Bend But Don't Break Defensesに関する分析もある、ドライヴチャートを使い、ドライブされる距離に比べて失点が少ないチームを抜き出したところ、いくつかの特定のチームが何シーズンも繰り返して名前が出てきたという分析だ。そのチームとはNew England(2001、03、04、06)、Philadelphia(2000、01、02、04、06)、そしてNew York Jets(2001、02、03、04、06)である。キーになるのはコーチングスタッフ、具体的にはBelichickとJim Johnson、そしてHerm Edwardsだ。どうやら特定のコーチングスタッフはこうした「進まれるけどなかなか失点されない」ディフェンスを作り上げる能力を持っているらしい。
 彼らが上手くディフェンスを作る理由についてPFP2007ではブリッツの使い方に注目している。Jim Johnsonがブリッツ大好きDCであることはよく知られているし、2006シーズンのPhilly(4-3ディフェンス)はレッドゾーンで6人以上がラッシュしたプレイの割合が26%と、リーグ平均(15%)を大きく上回っている。New England(3-4ディフェンス)も必要とあれば猛烈にブリッツをかけることで知られており、レッドゾーンで5人以上がブリッツした割合は67%ととんでもない数値になっている。ブリッツをかけるとDBは大抵マンカバーになるが、レッドゾーンでは奥行きがないためマンカバーが振り切られるリスクが少なく、それだけブリッツが効果を発揮しやすい、というのがPFP2007の分析だ。
 New Englandが曲がっても折れないディフェンスというのは個人的な印象にも合致している(例外的な年もある)。今年も是非こうしたディフェンスをうまく構築し、レベルアップしたオフェンスとともにいい成績を収めて欲しいものだ。ちなみに私の言う「いい成績」とは優勝のこと。プロスポーツでは優勝以外は「ダメな成績」である。

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