NFL week5

 早えよ。
 NFLは第5週が終わった時点で、PanthersがRhuleを解雇した。確かにここまでの成績は1勝4敗と、ここまでゼロ勝だったTexansが勝ったこともあり、リーグ最底辺にいる。Pro-Football-ReferenceのSRSは-8.4とSeahawks(-9.0)に次ぐブービーであり、同じ1勝4敗でも僅差の負けばかりでどちらかというと不運さが目立っているRaidersとは天と地ほどの差がある。
 過去2年の成績もそれぞれ5勝11敗、5勝12敗と擁護しがたい数字だし、何よりQBを巡る迷走ぶりにチームが呆れていた可能性が高い。NFLの記事にもあるが、2020シーズンのチームでRhuleが使ったQBはBridgewaterだった。ところがシーズン終了後、彼は何を思ったのかJetsで酷い成績だったDarnoldをトレードで入手し、おまけに5年目オプションを使って彼に多額のサラリーを支払うことにした。もちろんDarnoldの成績は散々(ANY/Aは4.35で前年のBridgewaterの6.37を2ヤード以上下回った)で、そのためにこのオフには改めてMayfieldをトレードで補強する羽目に陥った。だがそのMayfieldも現時点までのANY/Aは4.54とDarnold並み。そりゃオーナーがクビにしたくなる気持ちも分かる。
 私はDarnoldのトレードが行われた時にその判断はおかしいんじゃないかと書いたのだが、おそらくあれがRhuleの信頼を引き下げた理由の一つだったんだろう。あれをせずに、例えば2021年のドラフトでFieldsあたりを指名していれば、ルーキーQBのコーチをころころ変えるのは失敗への近道でもあることを踏まえ、成績が冴えなくてももう少しRhuleを引っ張るべきだと判断してもらえたかもしれない。もちろんここまでのFieldsの成績を見ると、絶対そうなるとは言えない水準ではあるが。
 加えて気になるのはMayfieldの低迷ぶり。確かにBrownsでも期待外れと言われてはいたが、そのBrowns時代よりもさらに酷い成績というのはどういうことだろうか。母数が少ないので判断は難しいのだが、彼のパスの内容(こちらのAdvanced Passingのところ)を見るとBrowns時代に比べてAir Yardsが大きく低下しているのと、オン・ターゲットの比率が7割台から6割台まで低下しているのが目立つ。悪いパスの比率はそれほど変わらないのだが、もしかしたら彼はロングパスの方が得意なのにチームがそれをさせてくれない、のかもしれない。おまけに彼は今週の試合で足首を痛めたようで、まあ色々と不運だ。
 DarnoldもMayfieldも、今のままだと来年は先発として雇ってくれるチームが見つからない可能性がある。あの年にドラフトされたQBの中ではRosenも既にジャーニーマンと化しており、1巡指名で生き延びたのはAllenとJacksonの2人だけ。やはりドラフト上位QBの生存率は半分かそれ以下、と考えておいた方が安全なんだろう。もちろんPanthersもゼロからのチーム立て直しを考える必要があるだろうし、さっそくトレード候補としてMcCaffreyらの名前が上がっている
 話をRhuleに戻すと、NFLをクビになってもテンプル大とベイラー大でそれなりの成績を収めた彼についてはカレッジから声がかかるのではないかと言われている。これでまたもカレッジから来たHCの失敗例が積みあがったわけだが、おそらくNFLで成功するのはカレッジでの成功よりも難しいんだろう。まあチーム数が桁1つ違うので当然っちゃあ当然だが。

 大本営では他にパニックに陥りそうなチームの名前があげられている。まずはBroncosだが、確かにQBさえ穴埋めすれば強豪になれると思ってWilsonをトレードしたのに、そのWilsonがここまでANY/Aで5.91とリーグ平均以下にとどまり、おまけに肩に不具合があるとも報じられている。正直こんなはずでは、と思っている関係者はいるだろう。地区内にやっかいな相手もいるだけに序盤のこの成績はなかなかしんどそうだ。
 Super Bowl優勝からいきなり負け越しスタート、かつ総得点でリーグ29位のRamsも色々とアレだ。しつこく書いているがMcVayのオフェンスは序盤好調で終盤ペースダウンするのが例年の傾向。序盤でこの有様だと後半にはさらに不安が募る。勝ち越してはいるがGiantsに敗れ、先週も先発QBのいないPatriots相手にOTまでもつれたPackersもそろそろ心配をした方がよさそう。序盤好調だったDolphinsは、Tagovailoaに次いでBridgewaterまで脳震盪プロトコルに突入と、こちらも不幸が積み重なっている。
 一方、負け越しでもそれほど悲観する必要はないんじゃないかと思うのがJaguarsとBengals。どちらも得失点差ではプラスになっており、どちらかというとツキがなかったと考えられる。逆に勝ち越していても得失点差がマイナスのChargersはそろそろきちんと心配した方がいいかもしれない。Herbertは引き続きそれほど悪くないのだが、オフェンス全体としてはそこまで優れているわけではないし、ディフェンスは悪い。今年が3年目のHerbertはこのオフにも契約延長の話が出てくるだろうし、彼を安く使える期間は残り少ない。今年あたりは本気で勝ちに行かなければならないはずなのだ。

 さて、前週はQBの成績を出したので、今回はレシーバーの成績を。といっても上位陣を並べても多くの人が予想している名前が並ぶだけだろうから、敢えて下位を紹介してみたい。トータルEPAでマイナスのでかいでかい選手を10人並べると、以下のようになる。左から名前、チーム、トータルEPA、EPA/Pだ。なおデータはこちらを使ったが、おそらく第5週反映前の数字となっている。

D.Johnson Pit -15.7 -0.285
J.Taylor Ind -11.4 -0.670
H.Renfrow LV -10.2 -0.484
D.Moore Car -9.1 -0.234
K.Gainwell Phi -8.9 -0.986
A.Green Ari -7.9 -0.358
J.Landry NO -7.7 -0.348
M.Ingram NO -7.6 -1.089
L.Cager NYJ -6.8 -6.818
B.Cooks Hou -6.7 -0.147

 相変わらずCagerがたった1回のプレイで上位に踏ん張っているのが目立つが、まあ彼やIngram(プレイ7回)、Gainwell(9回)あたりは不運もあってのランク入りなので、あまり大騒ぎする必要はないだろう。問題はそれなりにプレイ回数が多い選手たちで、Johnson、Renfrow、Moore、Green、Landry、Cooksといった20回を超えるプレイを記録している面々についてはいつまで使い続けるのか、という問題が出てくる。正直JohnsonやMoore、Cooksは彼ら自身というよりチームのQBが抱える問題もこの数字に反映されているように思える。
 興味深いのはSaintsの2人。このチームではThomasがトータル+13.8を記録しているのだが、一方でKamaraやJ.Johnsonのように20回近くプレイしながらマイナスになっているレシーバーもいる。もしかしたら冴えないレシーバーでも使い続けなければならないほど選手層が薄いのかもしれない。

 最後に、以前紹介したTagovailoaの脳震盪プロトコルに関する調査の結果が出ていた。どうやら今回のケースはプロトコルを作成した時点で想定していなかった事態だったようで、これを受けて今後は選手のバランス感や安定感に影響が出ている場合も出場を止めるとうい方向に舵を切るもよう。脳震盪問題は一時期ほどの騒ぎにはならなくなっているが、ゲームの安全性が向上するのならそれは望ましいことだろう。
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