NFL22 week1

 NFLは第1週が終了。まずは17分の1が終わったところなのでまだ一喜一憂するのは早すぎるのだが、そうせざるを得ないチームもある。重要な選手が負傷したチームだ。
 まずは先発QBが負傷したCowboys。Prescottは親指の怪我で4ー6週間の欠場が見込まれるもようだ。彼はリーグでもどちらかと言えば上位に位置するQBであり、彼が負傷でほとんどゲームに出られなかった2020シーズンのCowboysは大幅負け越しだった。一応、IR入りはせずに対応するようだが、彼のいない間をどうするかという内容の記事が大本営に載るなど、はやくも暗雲を感じさせるような流れが見られる。
 一方、背中の負傷が報じられたPatriotsのJonesは、どうやら筋痙攣だったようで、本人は問題ないと話しているようだ。むしろ彼らの第2週の対戦相手であるSteelersのEdgeであるWattの胸筋負傷の方が懸念材料。HCによると少なくとも第2週は出場しないようだ。ただ手術は不要で、6週間ほどすれば戻ってくる予想だそうだから、それほど悲観的になる必要はないかもしれない。もう1人、Steelersで負傷が伝えられていたRBのHarrisは大きな問題はなさそう
 他にも第1週においては、RavensのTであるJamesがアキレス腱を断裂した件をはじめ、多くの負傷が発生している。このスポーツの特質として負傷の発生はほとんど避けられないと言われているし、今シーズンもまた例外ではない。ベテランミニマムでも1ミリオンほどのサラリーがもらえるのだから負傷のリスクがあってもビジネスとしては魅力的、という考えもあるかもしれないが、米国の医療費の高さを考えると1ミリオンで本当に大丈夫かという気もする。このあたり、選手はどう感じているのだろうか。

 とまあ最初に負傷から話し始めるのも、今後の影響を見るうえでこれが1番明白な課題になるだろうから。一方で試合内容や勝敗について言うと、現時点で結論に飛びつくのはいくら何でも気が早すぎ。例えばQBで見ると、現時点でドロップバック数が1番多いFlaccoでも、パス試投59回、サック3回しかプレイしておらず、これを元に彼の今シーズンの実力を測ろうとするのは無理を通り越して無謀だろう。
 チーム全体についても同様で、特に僅差の試合の勝ち負けについてはあまり深く考える必要はないと思う。大差で負けたとしても、例えばRamsやCardinalsのように相手が強いチームだったなら、まだ落胆する必要はない。心配する必要があるとしたら、それほど強いわけでもない相手に大差で負けたチームか。具体的にはBearsに2ドライブ差をつけられた49ers、Dolphinsにトリプルスコア近い敗北を喫したPatriots、そしてVikingsにトリプルスコア以上で負けたPackersあたりとなる。あくまで「現時点で1番心配したほうが良さそうなチーム」を挙げるなら、だが。
 というわけで以下はむしろ「現時点で大騒ぎする必要のないランキング」となる。使うのはnflfastR Play Indexで算出されるEPAだ。本来なら1プレイあたりの数字を見る方がいいのだが、ここは単純にトータル何得点分の貢献をしたかを見るため、合計値で並べよう。まずはパッサーの上位と下位だ。

Mahomes 30.7
Allen 20.1
Wilson 20.0
Herbert 16.9
Hurts 13.4
Tannehill 12.8
Wentz 12.1
Jackson 7.8
Cousins 7.4
Smith 6.8

Stafford -15.4
Prescott -13.9
Rodgers -11.6
Lance -11.0
Burrow -11.0
Flacco -8.0
M. Jones -7.4
D. Jones -6.7
Rush -6.4
Carr -5.5

 上位陣で予想外なのは何といってもGeno Smithだろう。まさか彼が1試合だけとはいえトップ10に顔を出すとは。それ以外についてはそれほどの意外感はないし、トップ2人は元々評価の高いQBだったりする。一方下位陣は予想外の名前が結構並んでいる。何しろSuper Bowlを制したばかりのStafford、上にも書いた通り基本的にリーグ平均よりはいいQBであるはずのPrescott、そして2年連続MVPのRodgersがボトム3を占めるくらい。後はルーキー契約QBとか控えQBとかが多いのでさほど違和感はないが、Carrが顔を出しているのはちょっと意外かもしれない。次にラッシャーで、こちらは上位と下位それぞれ5人ずつ。

Swift(Det) 8.7
Barkley(NYG) 7.4
Hill(NO) 7.0
Sanders(Phi) 5.3
Taylor(Ind) 4.9

Montgomery(Chi) -8.7
Eleker(LAC) -7.6
Mixon(Ind) -6.1
Ryan(Ind) -6.0
Henry(Ten) -5.9

 QB(Ryan)の名前も入っており、あまり参考になるデータではないが、下位にHenryの名前が出てくるあたり、RBの毀誉褒貶の激しさをうかがわせるデータとなっている。逆にBarkleyがここまで上位に顔を出すのは久しぶりではなかろうか。とはいえプラスもマイナスも数字は小さく、たった1試合にもかかわらずパスに比べて影響力が限定的であることを如実に示しているのは興味深い。最後にレシーバー。

Jefferson(Min) 12.6
Kelce(KC) 11.6
Diggs(Buf) 10.8
Sutton(Den) 8.6
Brown(Phi) 8.6

Taylor(Ind) -10.6
Higbee(LAR) -9.2
Cager(NYJ) -6.8
Boyd(Cin) -6.4
Lamb(Dal) -6.1

 上位には有名な選手もおり、いいQBに恵まれたいいWRは常に活躍が期待できる、という面を表しているのかもしれない。一方、たった1プレイでここまでのマイナスをたたき出したCagerは一体何をやらかしたんだろうと思ったのだが、これはFlaccoが投じたインターセプトのターゲットになっていたことが理由。プレイ動画を見たところCagerがルート途中の何もないところですっ転んでいるのがインターセプトの一因のようなので、彼の責任がいくらかあるのは間違いないだろう。
 繰り返すがこれらのデータも1試合分のみであり、あまり重視してはいけない。あくまでネタとして消費するくらいが適当だろう。
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