今回はSNS発の情報が多いため、信頼度は玉石混淆だと思ってほしい。
戦車の損耗も激しく、これまたウクライナ側の言い分によれば
2000両超を失っている計算。
防衛白書によればロシアの所有戦車数は2900両だそうで(p107)、だとしたらその3分の2以上を既に失っている計算。OSINT勢によればさすがにそこまで多くはないが
それでも1000両以上が失われている。そりゃ1万両以上のこっている「保管状態」のもの(つまり骨董品)を引っ張り出すわけだ。戦車は
「兵站集約型の兵器」であるため、兵站の弱いロシア軍ではさらに損害が増えている面もあるんだろう。
ISWの10日の記事を見ても、冒頭に「ハルキウ州でのウクライナ軍の反攻はロシアの戦力を壊走させ、ドンバス北方軸を崩壊させた」と、かなり厳しい表現を使ってこの戦闘におけるロシアの敗北を伝えている。ウクライナは一部では深さ70キロまで進軍し、取り戻した領土は3000平方キロ以上とロシアが4月以降に奪った全領土よりも多いそうだ。しかしおそらくより重要なのは書かれていないこと、つまりロシア側の予備がどう動き新たな戦線をどう形成しているかである。単にISWがロシア軍の動きを把握できていないのか、それとも
ロシア軍がいまだ戦線再構築できていないのだろうか。
ここから先は妄想。ロシアはこの事態にどう対処すればいいのだろうか。対策として思いつくのは、他の国境を全てがら空きにして全軍をウクライナに投入する、特別軍事作戦を諦めて戦争に切り替え総動員を図る、そして核兵器を使用するの3種類なんだが、いずれも政治的なリアクションが大きいため容易に踏み切ることができない手段に思える。1つ目は国内の治安が崩れるリスクがあるし、2つ目はそれに加えて動員をかけても使い物になる兵士まで育てるにはかなりの時間がかかる。そして3つ目は、当然
その可能性を懸念している人もいるが、最悪の場合勝者のない戦争に至る。得られるメリットに比べてどれもリスクが大きすぎるように見える。もちろんさっさと戦争をやめて撤収するのが国家と国民にとっては最良の選択なのだが、残念ながらそれが最悪の選択になっている人物が政権の座についている。
もちろん
経済制裁を受けてもいまだ国力はロシア側が圧倒的なのは変わらず。今回の快進撃を経てもすぐにウクライナが勝利して戦争が終わるとは思えない。それでもプーチン政権から見て、リスクの高い手以外に打つ手がなくなりつつあるのもまた事実。西側にとってこれからの最大の課題はプーチンの暴発を止めながらいかにウクライナを勝たせるか、になってくるのかもしれない。
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