暴力の時代

 実によくない事件が起きた。どんな理由があるにせよ、政治に暴力を持ち込むことは最終的に民主主義の破壊につながりかねない、というエントリーをアップしてから間もない時期に、しかも選挙の直前に、このような事態が起きるのはまことに残念である。まずは命が助かることを祈りたい。
 今や「銃乱射の時代」とまで言われている米国、対外戦争という形で国内の不満を逸らそうとしているロシア、Brexitの立役者を簡単に放逐した英国など、各国で不和の時代が激化しているのは間違いないだろう。その中で日本は、長期にわたる停滞に晒されている一方で、まだ相対的に暴力の少ない国という立場は守ってきた。その点は誇るべき美点だったと思う。
 だがそれが崩れた。そして一度、暴力が解き放たれると、暴力に対する歯止めがなくなる恐れがある。戦前の日本がそうだったし、今や他の国々でもそうした懸念が出てきている。暴力の火に油を注ぎかねない部族主義もまた、激化の一途をたどっているように見える。
 もう一つ、黒色火薬を使う手製の銃が凶器ではないかとの報道も出ていた。これも日本の治安という切り口で考えると、非常に困った話となる。銃に対する厳しい規制が日本における銃犯罪の少なさに結び付いているのだが、一方で知識があれば自作の銃を使えてしまうことが分かったわけで、これまた日本というシステムに対する信頼度を毀損しかねない。

 それにしても自分が生きている間に、こんな嫌な空気をまとった時代の到来を思わせる出来事が起きるとは。とにかく、今からでも暴力を否定する世論を改めて強めなければならない。

 追記。残念ながら最悪の結果になってしまった。政治家が凶弾に倒れるなど、歴史上とかフィクションの中だけの話であってほしかったのだが。
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