無冠の王者

 アメフトのW杯、10日の試合で一応全チームが出場した。で、ある意味衝撃だったのが、実力差がありすぎるとSTがえらいことになるという事実が露呈した件。米韓戦でアメリカがあげた11のTDのうち実に4つがSTのTD(キックオフリターン1、パントブロックリターン1、パントリターン2)。パントリターン7回の平均ヤードは38ヤード(パントの飛距離ではなく!)に達し、キッカーはTFP7回で成功率100%(他に100%はフランスのキッカーがいるが、こちらはTFP2回のみ)。
 ディフェンスもやりたい放題だ。TDこそ2つ(インターセプトリターン1、ファンブルリカバー1)だが、韓国のトータルオフェンスをマイナス31ヤードに押さえ込んでいる。ランがマイナスというのはたまに見かけるが、トータルオフェンスがマイナスというのは初耳。もちろんFDも1回も許していない。おかげでオフェンスはかなり手を抜くことができたようで、タイムポゼッションは8分近く相手より短いしパスの獲得ヤードはたったの68ヤード。それでも5TDを取っているから必要最低限の仕事はしている。
 試合を観戦した人のblogを見ると米国だけ3倍の速さに見えたとか。Yahoo動画で確認しようと思ったが、私のOSでは再生不可能と出た。さすがにWindows98ではしんどい。という訳で未確認だが実際にアメリカのプレイはかなりスピードがあるのだろう。そこで不安が襲ってきたのは12日の試合だ。この日は予選両グループでの優勝決定戦になるのだが、この状況だと米独戦は一方的な展開になりはしないだろうか。個人的には決勝戦の次に楽しめそうな組み合わせ(見に行けないけど)だと思っていたのだが、もしかしたらstompになってしまうかも。
 同じ12日の日瑞戦にも一抹の不安が。スウェーデンはフランス相手に16対14とえらい僅差の勝利を掴んでいる。フランスの得点はパントブロック(多いな)と一発ロングパスというわけで事故のような失点と言えなくもないが、あのディフェンス相手に16点しか取れなかったスウェーデンのオフェンスはまずいのではないだろうか。日本のオフェンスも決して楽に戦っていたわけではないが、それでもスウェーデンよりは機能していたと思われる。日瑞戦までstompになるとこれはツラい。
 とりあえず、韓国は仕方ないので、まずはドイツに意地を見せてもらいたい。おそらく敗北は避けられないだろうが、せめて一矢を報いるように。それと決勝でアメリカとやるチームはどこであれ一方的にやられることは許さん。「こんなんだったら出る意味ないな」と相手に思わせるような無様な試合をしてしまえば、次回以降のワールドカップ開催そのものが危ぶまれる。もちろん勝てればベストだが、勝てないにしてもいい試合をするように。テレビ観戦をする予定なので何としてでも面白い試合を(これが本音)。

 とオチがついてしまったが、せっかくなので各チームのスタッツも見てみよう。選手別のものはせめて各チーム2試合するまで見送るとして、当面はチーム別の数値を。母数が少なすぎるのであまり参考にはならないだろうけど。
 1試合平均のランオフェンス、トップはドイツ(203ヤード)で以下アメリカ(198)、スウェーデン(140)、日本(116)、フランス(46)、韓国(マイナス32)。要するに韓国相手に試合をしたところがヤードを稼いでいるわけであり、どこまで参考になる数値なのか不明。まあランオフェンスに関してはスウェーデンの方が日本より多少マシという程度は言えそうだ。YPCで見るとアメリカ(7.1)ドイツ(5.6)スウェーデン(4.4)日本(4.3)フランス(1.7)韓国(-1.5)となり、日本とスウェーデンの差はほとんどなくなる。
 パスレーティング(NCAA方式)を見るとドイツ(179.4)日本(144.9)アメリカ(141.8)スウェーデン(112.6)フランス(88.9)韓国(22.3)の順。ドイツが高いのは3つのパスTDのおかげだろう。これを見る限り、パスでは日本がスウェーデンより有利。アメリカの成績はかなり流してプレイした結果だと思われるので額面通りに見ることはできないだろう。
 ランパス含めた1プレイあたりの平均獲得ヤードはアメリカ(6.65)ドイツ(6.649)日本(6.625)あたりが上位にあり、以下スウェーデン(4.58)フランス(2.98)韓国(-0.09)と続く。これらの成績だけなら日瑞戦はともかく米独戦には期待できそうな気もするが、上にも書いた通りSTの成績が桁違い。ドイツのPRとKRが計47ヤードなのに対し米国は351ヤードだ。ドライブ開始ポジションを見てもドイツが自陣42ヤードなのに対し米国は(一発リターンとかエンドゾーンで押さえたプレイを除いても)相手陣41ヤード。1回のプレイで同じ距離を進んでもアメリカの方がすぐに得点できてしまうのだ。とにかくとんでもない成績である。
 NFLではチームの実力を測りやすいYPAの差だが、日本(5.01)アメリカ(4.73)ドイツ(3.83)スウェーデン(-1.18)フランス(-2.35)韓国(-5.20)という順番に。これまた12日の試合を見ないと判断しにくいところだが、米独戦ではアメリカが、日瑞戦では日本が優位であることを示す材料、になるかもしれない。NFLほどパスハッピーなゲームになっていないので(これまでの4試合でランプレイ217回に対しパスプレイは135回)あまり頼らない方がいい指標かもしれないが。
 最もシンプルなパワーランキングとして使われる総得点/総失点だが、結果が無限大になってしまうチームが2つ(アメリカ、日本)もあるため参考にできない。ちなみに他チームはドイツ(16.0)スウェーデン(1.1)フランス(0.2)韓国(0.02)。改めてNFLで使われる各種のデータが、力の拮抗したリーグでないと使えないことがよく分かる。直感でパワーランキングをでっち上げるなら(1)アメリカ(2)日本(3)ドイツ(4)スウェーデン(5)フランス(6)韓国って感じか。

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