NFL21 week16

 NFLは第16週が終了、したのだがゲーム結果の前にJohn Maddenが死去した。HCとしても傑出した実績を持つ人物だったが、何と言っても解説者としての影響が大きい。彼のおかげでその名を冠したゲームが作られ、挙句に「マッデンの呪い」まで生まれたと言える。このスポーツへの貢献度という意味では並ぶ者のない存在だったのではなかろうか。
 閑話休題。年末に至ってようやくプレイオフ決定チームが増えてきた、と言ってもAFCで確定したのはまだChiefsのみ。脱落決定もJaguars、Texans、Jetsの3チームだけで、12チームが残る6つの席を争う格好になっている。さすがにここまでもつれるシーズンはかなり珍しいのではなかろうか。
 NFCはそれに比べると上位陣と下位陣の力の差が明白であり、そのため既にPackers、Cowboys、Rams、Buccaneers、Cardinalsの5チームがプレイオフ出場を決めた。逆に脱落決定も増えており、現時点でLions、Giants、Seahawks、Bears、Panthersとこちらも5チームの名が並んでいる。それにしてもこんなに早くSeahawksが消えるとは思わなかった。というわけでこちらは6チームが2つの席を狙って争うことになっている。
 現時点で決まっている6チームのうちChiefs、Packers、Rams、Buccaneersの4チームは昨シーズンに続いてのプレイオフ出場であり、逆に脱落決定8チームのうち昨シーズンのプレイオフチームはSeahawks、Bearsの2チームがある。まだAFCの状況がかなり不透明なため、どのくらいプレイオフチームが「継続」するかどうかは読み切れないが、この時点でプレイオフを決めている強豪チームについては継続性があるように見える。
 プレイオフが14チームに増えたため、おそらく境界線上ギリギリのチームについては年ごとの入れ替えが増えるのではないか、と個人的には予想している。ただしそういうチームはもっと後にならないとプレイオフが決まらないため、昨シーズンと比べてどのくらいの入れ替わりが発生するかはこれからの動きを見ないと何とも言えない。
 正直もっとも気になるのは、NFCでまたもや負け越しプレイオフチームが生まれるかどうかだ。今のところは49ersとEagles(まさかの名前)が勝ち越し状態で残り2つの席に入る有力候補となっているが、彼らとVikings、Falcons、Saintsのうち勝ち越せるチームが1つしかなければ、NFCのプレイオフにはまたも負け越しチームが滑り込むことになる。昨シーズンのように地区1つがまとめてダメという形にはなっていないのが唯一の救いか。
 AFCではDolphins、Ravens、Chargers、Raidersがまとめて2連敗しない限り負け越しプレイオフはなさそうだ。RavensとChargersがここまで下がり、逆にDolphinsが上がってきているあたりは興味深い。というかAFCではいまだ負け越し決定が脱落3チームしかいない。NFCでは脱落5チームプラスWFTとなっており、NFCの方が上下格差が激しくなっている。
 生き残りをかけるチームの中で先行き不安なのは49ersあたりか。Garoppoloが右手の指を負傷し、第17週に出られるかどうかが不明となっている。Garoppoloの今シーズンのANY/Aはリーグで3位とかなりいい数字を残しており、パスオフェンスのEPA/Pもリーグ7位とそれなりの位置にいる。一方ディフェンスのEPA/Pはリーグ16位と凡庸だ。Lanceの実力はまだ未知数であり、Garoppoloがいなくなると生き残りにマイナスの影響が出る可能性が高い。
 WentzがCovid-19リストに入り、第17週に出られなくなりそうなColtsにとってのダメージは49ersほどではなさそう。Covid-19リストならよほどのことがない限り最終週には戻ってくるだろうし、Coltsは今のところ49ersより成績は上。Wentz率いるパスのEPA/Pは全体13位とそこまで高いわけでもなく、彼らの強みはパスオフェンス以外にもある(ランのEPA/Pはリーグトップ)。それでも先発QBの不在は気になるところだろう。
 今の時点でうまくやっているように見えるのはEagles。再建期と思われたシーズンにプレイオフの望みを残しているし、失敗しても来年のドラフトは1巡に3つの指名権を活用できることが確定だ。HurtsのANY/Aは16位と平凡だが、実質先発1年目のQBが残した成績だと考えればまだ絶望するような数字でもない。となれば今年のドラフト権のうち少なくとも1つは翌年に回し、Hurtsの実力を見極めるのにもう少し時間を使いつつダメな時には複数の1巡ドラフト権を生かせるようにすべきだろう。どうせ来年のドラフトQBたちは、現時点では評価が高くない。個人的には1つと言わず2つの1巡ドラフトを来年に回してもいいとすら思う。
 話が先走ったが、今シーズンに関しては脱落決定8チームを除く24チームがまだ終わったわけではない状態にある。例年に比べると突出したチームがいないだけに、プレイオフでまさかの展開となる可能性もある。終わったチームのファンは残念だが、それ以外のファンにとっては最後まで楽しめそうなシーズンだ。

 終わったチームにとっての楽しみはオフに移る。というわけで早速JaguarsがHC候補として6人のコーディネーターへの面談を要望したそうだ。内訳を見るとOC3人とDC3人、それに加えて2人の元HCも興味関心の対象になっているという。中でも注目を集めているのは、かつてJaguarsに指名され先発QBとしてプレイしていたBucsのOC、Leftwichのようだ。
 彼らはこれで2年連続のHC指名となるが、さすがに懲りたのか大学から探すつもりだとの報道はない。環境の異なる大学から呼ぶよりも、今回は保守的な選び方をするつもりだろうか。逆に候補者の中では、特に全体1位指名のLawrenceに期待を寄せている人物が引き受ける可能性が高そうに見える。正直、現時点でのLawrenceの成績は全体1位としては残念な数字。DAKOTAで0.004というのは、Burrow(0.106)、Murray(0.056)、Mayfield(0.089)を下回り、全体1位指名の1年目としてはGoff以来の低成績だ。といってもGoffは-0.266というかなり惨憺たる数字だったので、それと比べるのは違う気もするが。
 今シーズンのDAKOTAやANY/Aで下位に沈んでいる新人3人のうち、1人くらいはルーキー契約中に先発として合格点の数字まで盛り返すのではないかと個人的には思っている。合格点を超えてリーグ上位まで上がるかどうかはさすがに分からないが、3人が3人とも沈んだままというのは考えにくいだろう。その場合、3人の中でANY/Aは最も高いLawrenceに期待をかけてJaguarsのHCを引き受ける人物がいても不思議はない。Lawrenceにしてみれば1年で戦術が変わるのは困るとの思いもあるかもしれないが、正直NFLで生き延びるには短期間で新しい戦術に慣れる能力も必要だ(例;Brady)。
 またJaguars以外のチームでもHC交代の可能性に関する報道が既に出ている。というか現時点で既にRaidersのHCは空席となっており、彼らもJaguars同様に後継者探しにいずれは入らねばならないのだが、プレイオフ争いにまだ生き残っているため具体的な動きはない。ただ面談候補としてBucsのBowlesの噂が出てきてはいる。どのタイミングになるかは分からないが、いずれ彼らも新たなコーチを探すのは間違いないだろう。
 他に有力候補として名前が真っ先に挙がるのはBearsだ。こちらの記事でも真っ先にNagyの名前を取り上げている。もしBearsがHCを変えるなら、LawrenceのみならずFieldsも2年目にして新しいコーチングスタッフの下でプレイをせざるを得なくなるかもしれない。ルーキー上位指名QBではよく見かける現象ではあるが。
 2番手に出てくるTexansが本当にHCを交代するのなら、それはさすがにCulleyがかわいそうな気がする。Watsonがプレイせず、チーム自体が完全に再建期に入っている状況にありながら、どうにかこうにか4つも勝利をもぎ取ったHCだ。もちろん酷いチーム状態なのは間違いないとはいえ、そんなにあっさりHCを変えるチームに、まともなコーチ候補がやってくるだろうか。Watsonが無事にトレードできればそれだけドラフト資源も増えるわけで、もうしばらくCulleyに機会を与えてもよさそうな感じがする。
 それに比べるとPanthersが候補に挙がるのは仕方ない。Darnoldを呼び寄せることにRhuleが全面的に反対していたのならともかく、そうでなければ2年で大幅負け越しという成績は擁護し難い。彼らは今シーズン前のドラフトでFieldsかMac Jonesを指名することができたポジションにいたわけで、彼らの代わりにDarnoldを選ぶことを許容したHCを敢えて残すメリットはあまりなさそうに見える。Vikingsも分からなくもない。ANY/Aでリーグ4位に位置するCousinsを抱えながら現時点で負け越しているのは、さすがにコーチングスタッフに問題があると考えたくなる。
 だが彼らよりもHonorable mentionに名前が挙がっているチームの方が興味深そうだ。まずGiants。彼らはJudgeにもう1シーズンのチャンスを与えようとしているようだが、個人的に3年目になってもいまだに冴えないDaniel Jonesを引っ張るメリットには乏しいと思う。来年のドラフトQBが厳しいのなら、このオフに市場に出てくる可能性があるWatsonやRodgers、Russell Wilsonあたりを取りに行くくらいした方がいいと思うし、その際にコーチングスタッフを一新することも考えていいんじゃなかろうか。同じくベテランQBを狙っていると言われるBroncosについても、合わせて新HCにシフトする可能性はあってもおかしくない。
 しかし何より興味深いのはSeahawksだ。Carrollは個人的にはカレッジ型のHCであり、NFLでは凡庸な能力しか発揮できないコーチではないかと疑っている。彼が優勝できたのは、たまたまドラフトを当てまくった(特にWilson)おかげであり、要するにリクルーティングで差をつけるカレッジと同じことができたためだと考えている。私がSeahawksファンなら、WilsonとCarrollのどちらを選ぶと言われたら躊躇なく前者を選ぶ。両者の関係は別にそこまで悪化しているわけではなさそうだが、年齢も考えてCarrollが引退してくれるなら大歓迎だろう。
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コメント

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Re: 今年もお世話になりました

desaixjp
読んで楽しんでもらったのなら幸いです。
また来年もよろしくお願いします。
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