NFL21 week15

 NFLは第15週が終わ……っていない、というフレーズを今年も使うことになろうとは。これまでCovid-19の影響は限定的だったNFLだが、どうやら米国でオミクロン株が爆発的に流行しつつあるようで、ついに今シーズンも第15週にして大幅なスケジュール変更を迫られるに至った。土曜日に予定されていたRaiders @ Brownsは月曜日に、日曜日のSeahawks @ RamsとWFT @ Eaglesはいずれも火曜日に先送りが決定。シーズン終盤になって再び昨シーズンのようなごたごたが発生した。
 実際、BrownsではMayfieldKeenumが相次いで陽性となり、慌ててJaguarsのPSにいたLaulettaとの契約を強いられた。BrownsはHCのStefanskiも陽性になっており、まさに死屍累々といった状況。彼らの試合は月曜日に延期されたが、それでもCovid-19のプロトコル中の選手が多く、結局のところ今週の先発はMullensになった。改めてCovid-19の凄まじさを思い知らされる事態だ。。
 他にもFootball TeamのQBであるHeinicke、SaintsのHC、Payton、MillerをはじめとしたRamsの大勢の選手がCovid-19リスト入りしており、米国で再び流行が広まっている様子が見事に浮かび上がっている。世界的にも新規感染者は増加中。足元で日本がまだ踏ん張って抑え込んでいるだけに、この落差は大きい。
 OverTheCapのFitzgeraldはThoughts on the NFL Postponing Three Gamesの中で、試合の中止は困難であることを指摘している。試合が行われない場合、選手たちがその週のサラリーをもらえなくなるのだが、その額はチームあたり数ミリオンに達するわけで、そう簡単にはやめられない。一方でCovid-19リストに載っている選手は多いチームでは20人を超えており、ゲームに出られる選手数が50人を割り込むところもある。この状況でプレイが難しいのもまた事実だ。
 さらにゲームが終わった後になるが、ChargersのBosaらLionsのGoffChiefsのKelceといった有名どころもCovid-19リスト入りしてしまった。今回のようなトラブルが今週だけの出来事で済むという保証はないと考えた方がいいだろう。レギュラーシーズンの残りだけでなく、プレイオフまで影響が及ぶとなると、なかなか厳しい状況になるかもしれない。
 なおオミクロン株については感染力が高い一方、症状は軽いとの報道が出ている一方で、英国での調査によると重症化率はデルタ株と同等という話も出てきているようだ。オミクロン株が見つかった南アは先進国に比べて若者の比率が高く、異なる人口構成の地域ではその影響も違ってくるのかもしれない。若者の多いスポーツ選手たちにとってはあまり怖がらなくてもいいかもしれないが、彼らの周囲に及ぼす影響まで考えると、米国でのCovid-19再流行はあまり望ましい事態ではない。
 そうしたトラブルも起きた中、シーズン動向という意味ではようやくプレイオフ第1号にPackersが決まったのが目立っていた。同時にBradyがSaintsに完封されCardinalsがまさかのLionsに敗北となり、勝ち残ったPackersが他チームに1ゲーム差をつけてNFCのシード1位になっている。AFCでもPatriotsとTitansが敗北したため、Chiefsが現時点での第1シードに浮上。どうやら今シーズンは最後まで目まぐるしくシード順位が入れ替わりそうな雰囲気だ。
 アップセットだけでなく、QBの負傷もまた出た。BroncosのBridgewaterが頭部の負傷で入院。それほど酷い怪我ではないそうだが、念のため一晩入院したという。他には点差のつけられたゲームで先発がベンチに引っ込められた例がいくつか。負傷だけでなく好不調という意味でもQBの安定性に欠けているシーズンなのかもしれない。

 あと、今週のゲームが始まる前に飛び込んできた大きなニュースが、JaguarsのMeyer解雇だ。最近の不穏なニュースの頻発を見ていても来シーズンにはいなくなりそうな予感はしていたが、結局のところ今シーズンいっぱいも持ちこたえられなかった格好。こちらの記事を見ると、雇った当初から彼の周囲はトラブル続きだったようで、むしろよく持ちこたえた、というべきなのかもしれない。
 カレッジで成功したHCがNFLに来て大失敗する、という流れは正直別に珍しくも何ともない。もちろん全員が揃って失敗しているわけではないが、少なくともカレッジのノウハウがそのまま使えるリーグでないことは事実なんだろう。そもそもカレッジで最も重要と言われているリクルーティングは、ドラフトとサラリーキャップで勢力均衡を図っているNFLと違い、極端な格差社会だ。プロに移っても意識を完全に移行できないHCもいるんだろう。
 で、Meyerを解雇した後の今週もJaguarsは敗北。しかも相手はルーキーQBのMillsが率いるTexansだ。Jaguarsは現オーナーになってから今年が10年目だが、その間に勝ち越したのは2017シーズンの1回のみで、残りはすべて2桁敗北となっている。今回のMeyer解雇で来年には現オーナーの下で5人目のHC(暫定除く)を探さねばならなくなる。何が理由にせよ、チーム作りの在り方を根本的に見直すくらいのことをした方がよさそうな気がする。

 少し前になるが、改めてRBs don't matter関連の話題が出ていた。Bill BarnwellのShould NFL teams stop giving running backs huge money? Lessons from eight recent deals, including Christian McCaffreyという記事がそれで、いかにもBarnwellらしく個別事例を事細かに紹介した内容となっている。
 取り上げられているRBはPanthersのMcCaffrey、CowboysのElliott、SaintsのKamara、VikingsのCook、TitansのHenry、BrownsのChubb、BengalsのMixon、PackersのJonesで、彼らの多くは大型契約を結んだ後に故障や不調に見舞われてしまい、サラリーに見合う活躍をしていないという指摘だ。さらに彼はGやSとの比較をしており、Gの場合はRBと比べて大型契約がマシかどうかの判断は下せないが、Sについては契約に見合うだけの結果を残す選手が多いとしている。
 もちろん8人のRBの事例だけで結論に飛びつくのは気が早い。だがBarnwellは2年前にも同じようにRBの大型契約と、あとドラフト上位指名について記事を書いており、その多くがやはりうまく行かなかったと指摘している。そのうえで、RBとの契約に際しては慌てて延長に走らないこと、大型契約を結ぶ場合でも早期に契約を破棄して解雇しやすいような契約にした方がいいと記している。
 ちなみにこの辺りの流れについては、OverTheCapのJason Fitzgeraldが皮肉交じりのツイートをしている。またPositional Value in the NFLというエントリーでは、ポジション別に支払われているサラリーの平均、ルーキー契約などを除いた平均、そして各ポジションのトップ10の平均について表にまとめている。見ての通り、RBより下にいるのはFBと、あとはK、P、LSといった特殊なポジションばかりなのだが、トップ10だけ見るとTEやCよりも高額契約を手に入れている。
 つまり全体としてのRBの評価と、トップクラスの評価との間には一定の差が存在しているわけだ。RB全体で見ればそれほど過大評価はされていないが、一部のRBについてはチームが「払い過ぎ」になっている可能性がある。そして似たようなポジションは他にもある。LT(トップクラスの評価が低い)やLB(高い)などだ。ポジションによっては目立つ選手を過大評価(あるいは過小評価)しやすい傾向が存在するのかもしれない。
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コメント

brkn
今年はANY/Aの上位の成績が、例年より悪いように感じています。
ANY/Aが8以上の人数
 2018年 4人
 2019年 5人
 2020年 3人
 2021年 1人
ANY/Aが7以上の人数(8以上を含む)
 2018年 10人
 2019年 10人
 2020年 11人
 2021年 7人
(データは https://www.pro-football-reference.com/years/2021/passing.htm の年度別から取得)

2021年はまだ4試合残ってますから、終盤に上昇するのかもしれません。
或いは、個別QBの攻略法がリーグ全体で確立して、シーズン通して好調の維持が難しくなったのか。
それとも気にするほどの変化ではないのか、一時的なものとして判断を保留すべきか。
どうお感じになられますか?

desaixjp
面白いですね。
念のためさらに3年遡って調べたところ、以下のようになりました(左から年、8以上、7以上の人数)
2017年 0人 8人
2016年 2人 8人
2015年 2人 9人
これらを見たところ、2021年(1人 7人)が極端に低いとまでは言えないように思います。つまり「たまたま」の可能性はありそうです。
敢えて「偶然」以外に理由を探すなら、例えば2018-20年にANY/Aで7以上を3回記録したBreesと、2回記録したRiversがどちらも引退したのも一因かもしれません。

brkn
ありがとうございます(^^)/
BreesとRiversは、Mahomes、Allen、Murrayあたりで「世代交代」で説明できそうな印象ありつつ、スターター時期も被っているので上乗せになってたと見る方が正しいでしょうか。
Bradyがキャリア初の完封負けしたり、シーズン中盤からMahomesが絶不調だったり、今年は例年とは何か違うんじゃないか?
という印象から、ANY/Aが低いんじゃないか?活躍するQBの攻略法が見つかったんじゃないか?
という妄想でした(^-^; 失礼しました(^-^;

desaixjp
Mahomesと今シーズンはプレイしていないWatsonは、BreesやRiversの代わりになると思いますが、まだキャリアで1回しかANY/Aの7以上を達成していないAllenとMurrayについてはもう少し評価は待った方がいいと思っています。
Mahomesの不調は、逆に今までが異様に好調すぎただけであり、そりゃたまにはこういうこともあるだろうというのが個人的感想です。彼のRANY/Aはちょっと持続不可能にしか見えないレベルの高さでしたので。
なおBradyは過去に2度ほど完封負けを食らっています(2003年第1週と2006年第14週)。
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