NFL21 week14

 NFLは第14週が終わり、これで全チームともシーズンは残り4試合となった。今週はそれほど大きなアップセットはなし。大本営では今週以降でプレイオフに大きな影響を与えると思われるゲームを6つピックアップしていたのだが、うち今週の注目として取り上げられていた49ers @ Bengalsは、OTまでもつれた末に49ersが勝利をゲットした。QBRではGaroppoloよりBurrowの方が高く、ドラ1の実力を見せた格好だが、ファンブルロスト2回が足を引っ張った。
 一方で相変わらずQBの負傷は継続的に発生中。まずはRavensのJacksonが足首を捻って第2Qで早々に退場した。残りはバックアップのHuntleyがプレイしたが、ゲーム的には先行したBrownsにあと少しで追いつけず、これで2連敗。まだ地区首位はキープしているが、ゲーム差は1に縮まった。
 退場前のJacksonは4つのパス全てを成功させてはいたものの、QBRはたったの6.5とHuntley(57.4)を大幅に下回っていた。実のところ先週も書いた通り、今シーズンのJacksonの成績は冴えない。Pro-Football-ReferenceがまとめているRavensのパスEPAもリーグ下位だ。Huntleyに代わったことがそれほど不利だったかと言われると答えに窮する。
 むしろFootball TeamのHeinickeの負傷の方が、ゲーム的には影響が大きかったかもしれない。いやまあこの試合だけについて言えばHeinickeのQBRもかなり酷かったし、ANY/Aでリーグ平均以下なのもJacksonと同じだが、そもそも彼は控えQBなのであり、それに彼らはまだプレイオフ境界線上で踏ん張っている。今や主力となっているQBの欠場はかなり痛いだろう。
 怪我ではなく不調で引っ込められたのがNewton(2週連続)。といってもPanthersはNewtonかWalkerの2択で挑むしかなく、正直ディフェンスが神がかりなプレイを見せないことには無理ゲー感が強まっている。そろそろプレイオフの背中が遠くなっているんだが、一方でFalconsが気がつくとFootball Teamと同じ勝率になっているのが驚き。今シーズンは完全にアウトだと思っていたのがここまで盛り返してくるとは大したもんだ。
 ゲーム以外ではやはりDemaryius Thomasの急死が衝撃だった。10年代前半にリーグを代表するWRとしてプレイしていた彼も、さすがに最近は衰え、今年6月には引退を発表したばかり。これから第二の人生をどう歩んでいくかという場面でのこの急病は、実に残念である。

 さて、例年と同じように、今年も4分の3が終わったところで、各QBの成績を序盤4分の1時点と比べてみよう。まずはANY/Aのトップ5だ。

Matthew Stafford 8.18
Aaron Rodgers 7.87
Kirk Cousins 7.59
Tom Bray 7.54
Kyler Murray 7.46

 序盤に見たときと同じメンツはStaffordとMurrayの2人しかおらず、残り3人は入れ替わっているというなかなか興味深い情勢だ。ちなみに序盤の上位選手のうちWilsonは7位とそれなりのポジションをキープしているが、Prescottは10位まで下がっており、Jacksonに至っては上にも述べた通りかなり冴えず、22位の5.78とリーグ平均を下回っている有様だ。代わりに顔を出してきたのはRodgers、Bradyという超ベテランと、パス成績だけはいいCousinsの3人。この時点で若手と言えるのはMurrayしかいない状態なのは、どう評価したものやら。
 続いてボトム5。

Sam Darnold 4.58
Jacoby Brissett 4.41
Trevor Lawrence 4.32
Justin Fields 3.87
Zach Wilson 3.61

 こちらは上位陣と違って序盤のメンツがほぼそのまま残っている。唯一Millsが外れて代わりにDarnoldが入ってきた格好だが、そのMillsは下から6番目にいるわけで、要するにあまり変わらない。相変わらずルーキーたちが残念な成績になっているほか、序盤のみ調子が良かったDarnoldが例年通りの数字になっている。まだまだプロ生活はこれからと思われているルーキーや、先発の怪我でプレイが増えたBrissettは仕方ないとして、やはりPanthersが先発待遇でDarnoldを迎えたのは間違いだったんじゃなかろうか。
 ANY/Aの上位に同じ顔触れが2人しかいないというのは、実は昨シーズンと同じ。昨シーズンはCovid-19でプレシーズンがなくなるといった特殊事情があったものの、そういうのがなかった今シーズンにこの結果になったのはただの偶然か、それとも序盤の成績がQBのシーズンを占ううえで次第に当てにならなくなっているのか……。一応、下位の方があまり入れ替わっていないところを見るなら、ただの偶然と考えた方がよさそうではあるが。

 続いてDAKOTAのトップ5。

Kyler Murray 0.170
Aaron Rodgers 0.166
Teddy Bridgewater 0.143
Tom Brady 0.143
Matthew Stafford 0.142

 ANY/Aと違うのはBridgewaterくらい。どちらの指標でもあまり大きな違いがないことを踏まえるなら、おそらく彼らの多くは実際に今シーズンは好調なのだろう。それにしてもBradyとRodgersというHoFクラスのQBたちがいつまでたっても元気なのはお見事。同じベテランでもRoethlisbergerのパスがリーグ下位に沈んでいるのとは対照的だ。
 そしてDAKOTAのボトム5。

Davis Mills 0.015
Sam Darnold 0.011
Justin Fields 0.007
Trevor Lawrence -0.006
Zach Wilson -0.025

 これまたANY/Aとほとんど変わらないメンツである。今年のルーキーの残念さはシーズンの早い段階から指摘されていたが、さすがに終盤のこの時点でも残念な状況が続いているのは少々懸念材料かもしれない。特にANY/AでもDAKOTAでもどん底に沈んでいるWilsonについては、不安を覚えるデータ指摘されている11年連続でプレイオフに出場できないことが決まったJetsのファンにとっては踏んだり蹴ったりだ。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント