NFL21 ゲーム外情報

 シーズンど真ん中だというのにNFLではオフシーズンじみた(つまりフィールド外、ゲーム外の出来事に関連した)話題が次々に飛び出している。特に騒ぎになっているのが、Aaron RodgersがCovid-19に感染した、と同時に実は彼がワクチンを接種していなかったことが明らかになったというニュースだ。
 これは単に彼が第9週のChiefsとの試合に出られなくなる、という話にとどまらない。マスコミを含めそもそも彼がワクチンを接種していなかったことが知られていなかった件が問題となっている。彼は以前、記者に対して「免疫がある」と話をしていた。ところが実際にはワクチンを打っていなかったわけで、リーグのルールに従うなら彼は10日間はチームの施設に近づいてはならない(夏場にNewtonが同じプロトコルに従っている)。10日の休養もオフシーズンならあまり問題にならないが、シーズンど真ん中だとそうは行かない。
 上記の記事によると、Rodgersはホメオパシーに基づく処置を受けたから免疫ができたと主張していたそうで、リーグに対してもそういった通常医療とは異なる処置を受けた者もCovid-19のプロトコルから外すようシーズン前に要望していたそうだ。もちろんリーグがそんなことを受け入れるわけもなく、それどころかPackersがCovid-19のプロトコルを守らせていなかったのではないかと見て調査に入るとの報道も出てきた。特にRodgersがシーズン中にまったくマスクをしないまま屋内で記者会見をしていた点は、プロトコルに反していると指摘されている。Packersは他のワクチン非接種プレイヤーはZoomでインタビューさせていたのに、Rodgersの場合はそうした措置は取らなかったそうだ。
 このままいくとRodgers自身だけでなくPackersも罰金やドラフト権の没収といった罰則を受ける可能性もある。Rodgers自身だけでなくチームの関係者や取材に出ていた記者までも含めてリスクに晒した格好なので、人気商売のプロスポーツとしては目こぼしするわけにもいかないだろう。試合の出場停止も必要だとの声も出ている。
 今年のRodgersの成績はMVPになった昨シーズンほど傑出しているわけではない。ANY/Aは7.19と全体13位、DAKOTAは0.160で全体6位だ。チーム成績は確かにリーグトップクラスだが、これも得失点差を見る限り実力というよりツキに恵まれていた面があるのは否定できない。それでも成績上位の不動の先発QBがいくつかの試合に出られないのは、チームにとってはツラいところ。不幸中の幸いなのは、元から来年には先発になると言われていたLoveがいることか。
 Love自身はプレシーズンくらいしかまとまったプレイをしていない。ちなみにそのプレシーズンでは35試投と24成功で271ヤードを獲得、1TD、1Intでサックは2回16ヤード。ANY/Aは6.22と今のレギュラーシーズン中のリーグ平均より少し低い状態であり、プレシーズンである点も踏まえるのならあまり期待感を持てる数字ではない。
 もちろん少ない母数で何かを判断するのは間違いのもと。それに次の試合相手であるChiefsのディフェンスは今シーズンかなり冴えない(EPA/Pでリーグ30位)。Loveの初先発の相手としてはそう悪くはないだろう。むしろ重要なのは、足元で明らかに成績低下傾向が見られるChiefsオフェンスを相手にするPackersディフェンスの方かもしれない。正直Packersのディフェンスもリーグでは平均レベルなのだが、より弱体ディフェンスのGiants相手にあれしか点が取れなかったChiefsの現状を見ると、ゲーム的にはどちらに転んでもおかしくなさそうに思える。
 目先の試合以外に影響があるとしたら、今シーズンの終了後におけるRodgersの処遇か。昨シーズンほどではないにせよ結構いい活躍をしていたRodgersをPackersが手元にとどめようと動く可能性もあったと思うが、その確率は少し下がるかもしれない。ワクチンを接種していなかったことが解雇の一因と言われていたNewtonも今ではワクチンを接種済みだそうで、解雇前の彼のようにRodgersがワクチン非接種にこだわれば、チームがそれをリスクと見なす可能性がある。
 ただしリーグ全体として見ればRodgersはかなりなレアケースのようだ。10月下旬に出た記事によると、プレイヤーの94%はワクチン接種済み。米国全体で見れば接種が完了した人は56.9%、1回接種した人でも66.0%にとどまっているのに比べ、NFLの選手たちはかなり優秀だと言える。それだけにRodgersの行為が(悪い意味で)目立ってしまっている。

 次に話題となっているのがOBJ問題。彼の父親が、息子にパスが投げられていないとSNSで文句をつけ、その後で彼とチームの関係が急速に悪化したと伝えられている。トレード期限は過ぎたので今から彼をトレードで放出するコースはなくなったのだが、そういうタイミングでトラブルが火を噴くあたり、久しぶりにBrownsらしい展開だ。
 トレードができない以上、両者の関係を切る方法はあまり多くない。単純にカットしてウェーバーにかけても、今のままOBJの高額契約を引き継ぐチームはいないだろうというのがFitzgeraldの見立てだ。Browns的には他チームが契約したくなるくらいの負担額になるまで契約を見直し、それからウェーバーにかけるか、今の状況を継続するかの2つのルートが最も現実的だそうで、シーズン真ん中にソープオペラを始めても、あまりいい打開策は生まれないという一例になりそうだ。なおSchefterのツイートが正しいなら、選ばれるのは前者の道になりそう。
 同じくオフシーズン的な話題だが、Watsonを告訴している女性たちと彼の代理人との間で行われていた話し合いが決裂したとの報道もあった。この決裂はトレード期限より前に起きていたそうで、だとするといよいよ彼のトレードにとっては厳しい状況が生まれていたことになりそうだ。先行きが見えない限り、どのチームにとっても彼とのトレードは難しいだろう。
 TexansのGMはこの件がトレードに与えた影響についてはコメントを控えているそうだが、一方でトレードの相手としてはDolphinsの名が引き続きあがっているようで、おそらくはオフシーズンに入ったところで改めて交渉のやり直しとなるのだろう。もちろん法的な問題もまだ決着はついておらず、オフシーズンっぽい話題が実際にオフシーズンまで続くことになる可能性が高そうだ。
 さらにRaidersの2020年1巡指名WRであるRuggsが飲酒と危険運転で死亡事故を起こし、捕まったという話もあった。Raidersはすぐに彼の解雇に踏み切った。オフシーズンではちょくちょく報じられるような出来事だが、この時期にこうした事故を選手が起こした事例はあまり記憶にない。
 何でもRuggsは時速156マイルですっ飛ばしていたらしく、正直そりゃいかんだろうという他に感想が思い浮かばない。あちらは日本よりはるかに車社会であり、自動車事故に対する感覚も私とは違っている可能性はあるが、それでも言い訳の利かなそうなレベルのやらかしに見える。Raidersが解雇しなくてもおそらくリーグが何らかの処分を下していた可能性のある事故なんだろう。改めて飲んだら乗るなという当たり前の感覚を思い起こした。
 ちなみに現時点でRuggsはRaidersのトップレシーバー(24キャッチ、469ヤード)。13試合に出場した1年目のヤード数を既に超えており、普通に生活していればチームにとって欠かせない選手になっていたのではなかろうか。それがチームから解雇されるに至っているし、何より事故で失われた命は戻ってこない。全く残念な話だ。

 あと凄くどうでもいい話だが、FiveThirtyEightでスポーツ関連の記事を書いているJosh Hermsmeyerが「ビッグボス」名乗っていた
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