NFL21 week5

 NFLの第5週が終了。この時点でChiefsとFalconsの勝率が一緒になると、またCardinalsが最も高い勝率を記録していると、事前に予想していた人はどのくらいいるだろうか。ちなみにChiefsの得失点差は現時点で-9であり、この勝率もそれほど違和感のないものだ。少なくともPackers(得失点差-4で4勝1敗)に比べれば妥当。またCardinalsの得失点差+62はリーグで2番目に多く、彼らの成績も単なる幸運ではなさそうだ。
 Chiefsの不振についてはオフェンスのターンオーバーの多さが指摘されているほか、対戦相手がブリッツを控えるのがChiefs対策のひとつになっているのではないかとの見方もある。ただEPA/Pで見ればChiefsのオフェンスはまだ全体1位をキープ。彼らの苦戦の理由は逆にEPA/Pでリーグ最下位にあるディフェンスと、リーグ屈指のハードなスケジュールのせいだろう。
 Super Bowl敗者の呪いがどうなるかはともかく、呪われているかのように先発QBの負傷が相次ぐ流れは止まっていない。先週は49ersのGaroppoloが負傷したが、今週も彼は怪我で出場できず、代わってドラフト1巡のLanceが先発となった。彼の先発をもって今年のドラフト1巡QBは全員が先発を経験したことになるものの、そのLanceも捻挫で週末に再度診断することになっている
 次に負傷したのはTNFのRussell Wilson。ゲームは敗北に終わったうえ、Wilsonはこの後も数週間は試合に出られないという。彼は2012年のドラフト直後以来、1試合も休むことなくずっと先発を続けていたわけで、今回の状況は極めて珍しい。それにしても競争の険しいNFC西で彼の欠場は痛いところだろう。
 同じく指を負傷したRamsのStaffordは、自ら脱臼を直してプレイを続けたGiantsのJonesは脳震盪でゲームから外れ、Burrowは試合には最後まで出たもののその後に喉の打撲で病院に向かった。ただ大きな怪我ではなかったようだ。同じく大した怪我ではないと言われているのがBradyだ。

 ゲーム以外で目についた動きはRaidersのGruden辞任だろう。昔の人種差別的な発言が問題視されていたが、結局はシーズン途中での退任を強いられた格好だ。こういう話になるとすぐキャンセルカルチャーという話が出てくるが、正直、興行という人気商売でこの手のトラブルはご法度。旧Redskinsが愛称を変えることを強いられたのと同様で、世評を気にする商売をやっている以上は避けられなかったと思われる。
 一方、Patriotsは第5週の前にGilmoreをトレードした。最初はそもそも彼を解雇するという話だったのが、最後になってPanthersの2023年ドラフト6巡との交換という話が出てきた。実のところ、Gilmoreについては契約が切れたところでFAにすれば2023年ドラフトの5巡補償分(QBを除くとベテランの上限)はもらえたと言われており、それより低い水準でのトレードになっている。
 一応、こちらのツイートにあるような狙いは語られている。Gilmoreを他のカンファレンスに、なおかつあまり強豪でないところにトレードすることこそが、ドラフト権よりも価値があったという理屈だ。だが一方で、Gilmoreのトレードは10ミリオン強のデッドマネーとなり、キャップ上の負担は重い。上記のもらえるドラフト権についても、「2023年のドラフト5巡と6巡の差は2021年の6ミリオンのキャップスペースに値するのか?」という問題について疑問を呈する向きもある。
 こちらのPatriots関連サイトでは、明確に「ミスマネジメント」と題した記事を載せている。Gilmore対応はずっと前から課題になっていたが、確かに足元の状況を見る限りもっと早くに方針を決めておくべきだったように見えなくもない。Patriotsは割とこの手の判断は早い印象があるのだが、時にはこういう現象も起きるのだろう。

 さて、前年からは1週遅れとなるが、シーズン4分の1が過ぎた時点でのQB成績についてリーグトップ5とボトム5を見てみよう。まずはANY/Aの上位5人だ。

Matthew Stafford 9.41
Russell Wilson 9.12
Dak Prescott 8.34
Kyler Murray 8.26
Lamar Jackson 8.24

 McVay効果は実に素晴らしい。昨シーズンまでEPA/Pなどに比べてGoffのANY/Aが妙に高いのが目立っていたのだが、Staffordにもその効果は発揮されているのだろう。同じく絶好調なWilsonが負傷したのは、Seahawksにとっては痛いところ。Prescottは高額契約に見合う活躍をしている状態であり、Murrayはいよいよ全体1位指名の実力を発揮してきたのかもしれない。そして5番手には2年前のMVPだ。いずれもそれなりに納得はいくメンツである。次いでボトム5。

Trevor Lawrence 4.66
Jacoby Brissett 4.48
Davis Mills 4.44
Zach Wilson 3.39
Justin Fields 3.05

 見事にルーキーQBが並んでいる(例外はBrissettのみ)。ちなみに下から6番手にはMac Jones(5.12)が入っている。なおLanceは規定試投数に達していないが、ANY/Aは7.10とかなり高い。もちろん母数が小さいので現時点で安易に評価はできないものの、この数字は規定試投数に達しているQB32人中17位と18位の間に位置する。このプレイを続けられれば、彼がルーキーの中では最もまともな成績を出していることになる。あくまでANY/Aで見る限り、だが。
 次はDAKOTAの上位5人だ。

Teddy Bridgewater 0.212
Patrick Mahomes 0.207
Kyler Murray 0.203
Matthew Stafford 0.185
Lamar Jackson 0.172

 見ての通り、トップ2人がANY/Aと違っている。ANY/Aでトップ5に入っていたWilsonはDAKOTAだと10位、Prescottは8位となり、代わりにMahomes(ANY/Aだと11位)、Bridgewater(同12位)が顔を出している。Prescottは誤差の範囲かもしれないが、BridgewaterやWilson、Mahomesになると、かなり差が激しくなる。どちらかの評価が(もしくはどちらの評価も)本当の実力を示していない可能性がありそうだ。シーズン終了時に彼らがどの位置に来ているかについてはこれからの注目点だろう。次にボトム5。

Jacoby Brissett 0.018
Trevor Lawrence 0.010
Zach Wilson -0.012
Trey Lance -0.019
Justin Fields -0.029

 ANY/Aではリーグ真ん中あたりにいたLanceが、こちらだといきなりブービー賞である。他の面々はあまりANY/Aと変わらないし、下から6番手にMillsがいるところも含めてそれほど双方の成績に違いはないので、例外はLanceのみと言っていいだろう。BridgewaterやMahomesらとは逆の意味で、彼もまたシーズン終了時の成績が楽しみな選手と言える。あとMac Jonesはこちらだと33人中18位(0.109)となり、これまたANY/Aとの差が大きな選手だ。どうも今年はANY/AとDAKOTAの乖離が激しい気がする。
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