もちろん、なくなっても困らない面はある。書簡集などは今ではgoogle booksで閲覧可能になっており、別の手段で調べることは可能だ。ただしそこまで都合のよくない文献史料も存在する。ゲーム会社のサイトで紹介されていたde CugnacのCampagne de l'Armée de Réserve en 1800(上下巻)はその一例。この本、上巻はgoogle bookで閲覧できるのに、下巻はなぜか閲覧不可の扱いとなっている。
問題は、そこで紹介されている双方の言い分のほとんどが回想録に基づいていること。以前から書いている通り、回想録は正直信用できないことが多い。回想録以外でも、例えばベルティエの証言として採録されているのは1806年に出版されたマレンゴの戦いに関する公式記録、Relation de la bataille de Marengoの引用(p33)であり、いわば生情報ではなく編集された後の情報となる。
もちろん、ケレルマンが言ったと伝えられている(ただしブーリエンヌの言うことなので信頼度は不明)「自分のおかげでボナパルトは王冠を被ることができた」(Mémoires de M. de Bourrienne, p351)という台詞は言い過ぎだろう。確かに彼の突撃はフランス軍の勝利を決定づけたが、そこに至るまでの一連の戦いと、その後のメラスを休戦に追い込むまでの過程まで含め、全部の功績をケレルマンのものにするのは無理がある。マレンゴにおける彼の突撃は、リヴォリの戦いでオーストリア軍を撃退する突撃を決めたラサールと同じようなものだと思う。タイミングが絶妙なため効果が大きく見えるが、それだけで勝負が決まったわけではない。
コメント
各国の人口ピラミッドのデーターで(https://ourworldindata.org/)が何時の間にか消え。その代わりに探し出したのがここです。
https://www.populationpyramid.net/
公的データーベースだと思っていたのでちょっと驚きました。もしかすると単に閲覧制限がかかっているだけかもしれませんが?
2021/10/11 URL 編集
ちなみに人口ピラミッドは以下のURLで見られました。
https://ourworldindata.org/global-population-pyramid
2021/10/11 URL 編集