ゲームの中でアナリティクス的に注目を集めていたのは、Patriotsの第4Qにおける4th downの選択だ。Next Gen Statsの分析によると、ゲーム終盤Bucsの38ヤード地点でFGを選んだのは失敗だったそうだ。結果論としての失敗ではなく、この選択が勝利の確率を下げたという主張である。
それによると、FolkのFG成功率は45.1%、Patriotsがgo for itした場合にFDをとれるチャンスは52.3%だった。もしFolkがFGに成功した場合もBucsは1分近い時間と2つのタイムアウトを残しており、Patriotsのwin probabilityは52.3%にしかならなかった。逆にもしオフェンスがコンバージョンに成功していたなら、Folkはおそらくより近い距離で、より残り時間の少ない状態でFGを蹴ることができ、win probabilityは65.3%にまで上がっていた。そしてFG失敗はコンバージョン失敗同様、実際のゲームと同じ結果をもたらしただろう。プレイ前の時点でFGを選んだ場合のwin probabilityは24.3%、go for itなら34.7%あったそうで、両者の差は10.3ポイントもあった。
もう1つ、Patriotsの前半終了前残り2分時点の選択もいろいろと話題になっていた。Bucs陣44ヤードでの4th & 2だが、Belichickはディレイオブゲームのうえでパントを蹴った。こちらのツイートによればパントの場合のwin probabilityが49.5%であったのに対し、go for itなら54.5%になったそうだ。結果的にパントの後でBucsは残り時間を使って69ヤードのドライブを行い、3点を追加している。最終的にはこの点差がゲームを決めた。
ただしこちらの判断についてはモデルによって違う結果が出てくる。こちらのツイートだと、この局面はどちらを選んでもwin probabilityが48%になるようで、ゲーム終盤の決断ほど明確な判断ミスとは言いがたい。ただ、いずれにせよ今シーズンのPatriotsはgo for itを選ぶべき局面で全然選んでいない。以前はBelichickといえばリーグ全体に比べてずっとアグレッシブな選択をするHCだったが、リーグ全体が積極的なプレイ選択をするようになった結果、むしろ保守的なHCになっているように見える。もちろん新人QBを使っているから、という理由もあるだろうが。
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