NFL21 week1

 さあ今年もやってまいりました、NFL早とちりウィークの時間です! 例年、この結果を見ただけで希望絶望両面で今シーズンの結論に飛びつくファンが続出することで知られている第1週! 今年もまた飛びつきたくなるような結果が続々と発生しております! 今年はどのチームやどの選手が早とちり対象になるのでしょうか! 続きはCMの後で!
 ……このノリで続けると疲れそうなので、ここからいつものように。第1週の結果で何より注目を集めたのはPackers @ Saintsで3点しか取れず惨敗したRodgersのパス成績だろう。28試投で15成功という時点であまりよろしくないが、獲得ヤードが133というのはさらに問題。昨シーズン5回しかなかったインターセプトが1試合で2回あり、レーティングは36.8、ANY/Aは1.10と、昨シーズンのMVPがのっけからシュールな数字を叩きだしている。
 ただ、今回の結果を見ただけでRodgersは終わった、年齢的にこれから崖が待っている、と結論に飛びつくのはさすがに早すぎ。1試合だけなら彼であっても酷い成績になるケースはあるし、実際昨シーズンは第6週のBuccaneers戦でレーティング35.4、ANY/Aは0.72を記録している。MVPを取る選手であってもそういう試合はあるわけで、同じように「とっととトレードされたいからやる気をなくしている」という見方も、本当かどうか現時点では判断できない。
 同じように注目したくなったのは、こちらで少し触れた「冴えない成績だったのにこの1~2年は急に成績が向上した」2人のQB、AllenとTannehillだ。第1週のAllenのANY/Aは5.07、Tannehillは3.20とどちらも悪かったがRodgersよりはずっとマシ、なように見える。しかしこれがEPA/PになるとTannehillは-0.326とRodgers(-0.358)とあまり変わらないし、Allenも-0.089と新人Lawrence(-0.055)より酷い数字になる。
 となると「どうやら最近の彼らの成績は偶然高い数字を出していただけであり、ここで平均への回帰が始まったに違いない」と結論に飛びつきたくなる。だがこれもまた1試合のみの数字。彼らの昨シーズンの成績ができすぎだった可能性はあるが、そうと決めつけるにはまだデータの数が少なすぎる。私自身はこちらで指摘した通り、Allenについては平均への回帰の可能性が高いと思っているが、絶対にそうなると断言はしていないし、現時点ではできない。
 例年書いているが、例えばQBならシーズンの4分の1が終わったあたりでようやくそのシーズンの好不調についての傾向が見えてくる程度だし、それも昨年のようにプレシーズンゲームがないとその後で状況が変わったりする。今年からプレシーズンは3ゲームしかなく、しかもRodgersのようにプレシーズンは試合に出ていないQBもいる。序盤も序盤、たった1試合で結論を導き出すのは、いくら何でも気が早すぎるだろう。
 他に実績あるQBの中で開幕戦の数字が冴えなかったのはRoethlisberger(ANY/Aは5.79、EPA/Pは0.079)あたり。ただし彼は昨シーズンもリーグ平均を下回るANY/Aしか残しておらず、チーム成績に比べて彼自身のパスは厳しい結果に終わっていた。年齢(39歳)を見ても、通常ならまっとうな成績が収められなくなるレベルに到達している。もちろんこれまた1試合だけで結論は出せないが、場合によってはシーズン終了後に引退を余儀なくされるかもしれない、と思いたくなるような状況にある。
 期待外れだった面々と逆に、開幕は期待以上だったQBたちもいる。というか1週目の時点で上位陣を見ると、予想通りに活躍したと言えるのはMahomesとRussell Wilsonくらいではなかろうか。ANY/Aで見れば上に来ているのはStaffordやWinston、Taylor、そしてまさかのHeinickeなどなど。EPA/PだとBridgewaterも入ってくる。彼らはいずれも前年は所属チームの先発ではなかった選手たちであり、それがのっけからここまで活躍するのだから、母数の少ない状態での数字がいかに当てにならないかがよくわかる。
 とはいえこれだけの数がいるのだから、彼らのうち何人かはシーズンを通してそれなりに活躍するだろう。特にMcVayのコールでプレイできるStaffordは、かなりいい数字を残しても不思議ではない。Winstonも扱いにくい選手ではあるが実力はあると思っているので、今シーズン大活躍してもおかしくない。彼らのうち誰が生き残り、誰が脱落するのか。また実績あるQBたちのうち、この後で成績を上げてくるのは誰なのか。まだまだ楽しみはある。

 ルーキーQBたちはどうだったろうか。先発ではなくほとんどプレイしなかったTrey LanceとJustin Fieldsを除くと、各人の成績は以下のようになる。数字は左からANY/A、EPA/P、CPOEだ。

Mac Jones 7.20 +0.282 +7.7
Zach Wilson 4.70 -0.089 -11.1
Trevor Lawrence 4.69 -0.055 -11.1

 平均より少し上のJonesと、新人らしく残念な数字のWilson、Lawrenceという位置づけになる。事前に予想されていた通り、チーム力のあるPatriotsのJonesを除いて前途多難と言いたくなるような数字になった。もちろん現時点で彼らの将来がどうなるかはまだまだ未知数。例えば開幕週だったこちらのゲームで大活躍を見せた新人QBは、今では控え選手となっている。俺たちはようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠い(とは限らない)NFL坂をよ……、といったところ。
 一方、LanceとFieldsのいるチームのベテラン先発QBの成績は対照的。GaroppoloはANY/Aが12.54、EPA/Pが0.562とかなり上位の成績になっているのに対し、Daltonはそれぞれ3.24、-0.197と、非常に残念な数字にとどまっている。当然ながら早々にDaltonを外せ(つまりFieldsを出せ)という声も出てきた。一方Garoppoloの方は「先発を譲る様子はない」ようで、こちらの方はしばらく先発QBを巡る噂も静かになりそうだ。
 こちらの記事ではQB以外も含めた第1週の活躍度合いをランク付けしている。LawrenceはNajee Harrisとともにワーストに名前が挙げられている一方、ベストにはJonesの他にJa'Marr Chase、DeVonta Smith、Jaylen Waddleが顔を出している。もちろんこれらの選手も今後どうなるかが重要。先は長い。

 ドラフトした新人たちの活躍が気になるのはファンだけでなくチームも同じだろう。Over The Capではドラフト選手やプロとして初めて契約した選手たちがロースターでどのくらいの割合を占めているかを示した、2021 Season Preview: Drafting Successという記事をアップしている。地元産の選手たちに頼る割合が高いということは、そうした選手を見つけ出すのがうまい(もしくはそういう選手たちへの執着が強い)ことを示している。
 圧倒的なトップにRavensがいるのは納得。彼らのドラフトのうまさはおそらく誰もが認めているだろう。他にもPackersやPatriotsといった強豪チームがかなり上位に顔を出しており、こうしたチームがドラフトで基盤を作っている様子がうかがえる。一方で「確かにドラフトはうまいけど、いささか地元産選手に執着しすぎ」に見えるCowboysも、全体2位に顔を出している。Patriotsが「1年早くベテランを放出する」のに比べ、Cowboysは「1年遅く放出する」印象が強く、その分だけ地元産選手の割合が高いのではなかろうか。
 逆にこの数字がどん底にあるのはTexansであり、以下Jets、Cardinals、Giantsが続く。最近になってチームの作り直しを強いられているチームほど下に沈んでしまうのは、このデータでは仕方ないだろう。今年以降のドラフト指名でこの数字を高めていくのが、これらのチームにとって最初の目標になる。
 ドラフト巡別ではやはり1〜3巡(トップ100)の残留率が高い。同時に5〜7巡とUDFAとの割合も同じくらいであり、チームにとってはドラフト以外のスカウティングにもきちんと力を入れる必要性を示すデータと言えるだろう。1巡に頼るのが多いのはSteelers、Giants、49ers、Ravensあたりで、その他のまともなチームは2〜3巡あたりが支えているようだ。直近3年間のドラフトに絞ると、期待に比べてドラフトの結果が伴っていないのはTexans、Football Team、Raiders、Jaguars、Bengals、Jetsといったあたり。大半はまさに再建中のチームであり、今のNFLではやはりドラフトがチームの土台を形成すると見ていいんだろう。
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