(ネタがたまってきたので、しばらく更新頻度を上げる)
NFLでは全チームがプレシーズンの2試合目を終えた。残りはもう1試合しかなく、その後はシーズン開幕だ。もちろんプレシーズンの勝ち負けや成績にはあまり意味はない。むしろこの時点で注目すべきなのは、1週ごとに行われるようになった
選手のカット の方だろう。ロースターの境界線上にいる選手たちにとっては毎週がサバイバル競争だ。
これまでのところ、目立ったというか話題になったカット例としては、たとえば
JaguarsのTebow がいる。もちろんTEとして復活を図った30過ぎの元QBがうまく生き残れる可能性はもとからそれほど高かったわけではない。正直、彼についてはスポーツ選手としてよりも芸能界への転身を考えた方がいいのではないかと思っていたら、実は
既にESPNと複数年契約をしていた らしい。そのうえで夢を追うことを認めてもらっているのだから、ある意味幸せな人生なんだろう。
もう1人、少し話題になっていたカット選手が
Rosen だ。
同期のAllenが高額契約をゲット してから間を置かずにクビになったわけで、実に対照的な結果となっている。もちろんRosenとAllenのプロでの実績を見ればこの差は仕方ない。いやむしろ、1巡指名という理由だけでダラダラとbustを使い続けるよりは、既にジャーニーマン化している現状の方がずっと合理的だろう。2018年ドラフト組でのRosenのbustっぷりはDarnoldがまともに見えるレベル(EPA/PはDarnoldの-0.030に対しRosenは-0.255)。ちなみにRosenはその後で
Falconsに拾われた 。
さてプレシーズンと言えば昔も書いたことがある
Hackenberg指数 だ。新人ドラフト上位QBでプレシーズンのANY/Aが2ヤードを割り込むようだとヤバいという、およそ母数が少なく参考にならない指数である。あくまでネタのない時期に取り上げるお遊びでしかないが、せっかくなので今年もやってみよう。ただし、2試合出場時点でHackenbergと同じ48試投かそれ以上に達している新人QBは、今年は不在。本当に当てにならないデータとなる。
実のところプレシーズンのQBスタッツを掲載しているのは
CBSのサイト くらいしか見つけられなかった。一応、Pro Football Focusは
ルーキーのプレシーズンゲームのグレード を出しているようだが、載っているのはグレードであって、基本的なパスの成功率やヤード数などはない。というわけでCBSのデータを使った分析となっている。
2巡指名のTraskまで含めて6人を対象に調べたところ、いずれも2試合でプレイしている。データは以下の通り。左から選手名、パス試投数、パス成功率、そしてANY/Aだ。
Trask 41 41.5 1.32
Fields 39 59.0 5.78
Jones 38 68.4 5.74
Lawrence 32 62.5 4.66
Lance 28 46.4 6.06
Wilson 20 75.0 11.55
もちろんこれだけの母数で何かを決めつけることはできないのだが、Hackenberg指数的に見るとTraskがヤバい。もちろんANY/Aが2を割り込むというまさにHackenbergなところもヤバいが、パスの成功率が4割ちょっとというのも不安ではある。とはいえこれを論拠にTraskを見捨てろなどというつもりはないし、そもそも彼がいる
Bucsはスターターは超有能だがデプスがない ことで知られており、彼が2nd、3rdチームでプレイしていたことを考えるなら、その分は下駄を履かせて評価すべきとも言える。それに少なくとも今年の時点で彼らがTraskに頼る必要はないだろう。2年後は不明だが。
逆に最もいい成績なのはWilson。ただしこちらはたったの20回しかパスを投げておらず、それだけデータの信頼度は低い。いやもちろんデータの信頼度が低いのは全員そうなのだが、中でも低いのがWilsonとなる。でもまあ下にブレるよりはずっとマシなのも確かだ。私がJetsファンだとしたら、現時点で喜ぶことはしないものの、とりあえず不安に苛まれることはないだろう。
ANY/Aでは以下Lance、Fields、Jonesと指名順に並び、その下に全体1位指名のLawrenceが来ている。とはいえ彼らの誰一人として2を割り込むような数字ではないので、別に気にする必要はない。逆に対照的なのはパス成功率で、5割を切っているLanceと7割近いJonesとの間にかなりの差が存在している。もちろんこの母数であまりこの数字に過大な意味を持たせてはいけないだろう。
なおPFFのデータでは
Jonesの評価が妙に高い 。カレッジ時代に彼がいい成績を残したことは知られているが、その時に強みであったパスの正確さを引き続き発揮しているうえに、PatriotsのQBたちの中ではパスまでの時間が圧倒的に短く、判断が早いという。
こちらのツイート だとZack WilsonとBridgewaterを抜いて現時点でプレシーズン最高のグレードを出していることになる。
ついでに言うと
Mac Jonesもワクチンを打ったかどうかについてコメントしていない そうだ。Patriotsファンとしては余計なことはせず、素直にワクチンを打ってほしいところ。でないと昨シーズンのようにCovid-19プロトコルによって先発QBが出場できないリスクが高まってしまう。確かに彼らは若く、罹患しても重症化する確率は低いかもしれないが、それにしても無駄なリスクを冒している印象は強い。
今のところプレシーズンゲームで大規模なクラスターが発生したという話は聞かないが、本番になった時にどこでそうした事態が勃発するかは分からない。そうした意味で今年もドキドキのシーズンになる、かもしれない。
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