ナポレオンの生涯 第1巻

 本題に入る前に1つ。Peter Turchinに関する記事が公開され、そこそこの反応があった。ただこの記事、おそらく9ヶ月以上も前のThe Economist掲載記事を翻訳したもの。中身よりも、なぜこのタイミングで翻訳したのかの方が気になる。

 閑話休題。ジョミニが記したVie politique et militaire de Napoléon, Tome Premierの英訳本、Life of Napoleon, Vol. Iの翻訳がとりあえず終了。前にも書いた通り、この英訳本は南北戦争で北軍の司令官を務めたハレックが訳したものだ。完訳ではなく一部は省略されている一方、原著にはない多くの脚注や付録などが特徴と言える。
 とはいえ元々はジョミニの本。彼の特徴(衒学的で文章が回りくどい)は英訳本にも受け継がれている。ただ学究肌だったハレック自身の文章も似たような特徴を持っているっぽいので、その意味ではお似合いの英訳者だったのだろう。
 ジョミニのこの本は全4巻でナポレオンの生涯をなぞっている。そのため話のペースはかなり早く、1巻終了時点で既にフランス革命戦争は終わり、アミアンの講和まで話は進んでいる。ナポレオン自身の経歴で言えば、この時点までに第1次イタリア遠征、エジプト遠征、ブリュメールのクーデター、第2次イタリア遠征まで終了。それでもまだ4分の1だってんだから、彼がいかに戦争塗れの人生を送っていたかがよく分かる。
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