だが、この結果を見てすぐ「ChiefsのOLが敗因」と決めつけるわけにはいかない。以前にも指摘しているが、QBへのプレッシャーは必ずしもOLの質とは直結していない、というかむしろQBのプレイスタイルとの相関の方が大きい。このゲームについても、Next Gen Statsを見ると、Bradyがパスを投げるまで2.27秒しか要していないのに対し、Mahomesは3.47秒とかなり長い時間ボールを手放さなかったことが分かる。
時間にからむ数字で見てもMahomesが多くのプレッシャーを受けていたとの指摘はある。Pro Football Focusのデータを使ったと思われるこちらのツイートによると、彼は2.5秒以内で合計25回のプレッシャーを受けていたそうだ。だがプレッシャーという概念自体、そもそも主観的なものである。もっと客観的なデータを使うと、そこでは異なる姿が浮かび上がってくる。
Next Gen StatsでOLが突破されるまでにかかった時間を調べたpass block win rateによると、Chiefsの数字は67%だった。シーズン中の数字と比べると3位のCardinalsと同じであり、つまりChiefsのOLはこのゲームでむしろリーグ屈指の活躍を見せたことになる。同じくNext Gen Statsが算出しているプレッシャーがかかりだした時間の平均を見ると、リーグ平均の3.02秒を上回る4秒超だったそうで、ここでもChiefsのOLは非常に健闘していたことになる。
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