革命戦争史15巻

 ジョミニのHistoire critique et militaire des guerres de la révolution, Tome Quinzièmeの翻訳終了。今回も1ヶ月あたりおよそ50ページのペースで翻訳終了。なにしろ短い巻なのであっという間に終わってしまった。これでこのシリーズ(全15巻)は一通り訳し終わったことになる。といってもかなりざっくりとした翻訳なので人に見せられるレベルではないが。
 これまでの感想だが、まずジョミニの文章はかなり回りくどい。どうやら彼は気取った言い回しを使いたがる性格のようで、もっと単純に表現できそうなことについて、妙に難しい言葉を使おうとする傾向がある。またペダンティックな表現も好みのようであり、ほぼ何の説明もなしに歴史上の人物を引っ張り出すことが多い(特にローマ時代)。おかげで読者にしてみれば無駄に混乱させられる、分かりにくい文章ができあがっている。
 もちろん分かりやすければそれでいい、というわけではない。ナポレオンの文章は極めて簡潔で分かりやすいのだが、それは兵士たちや大衆に対するプロパガンダを意識したものだからである。マルボの文章も分かりやすくて面白いが、内容が正確かと言われればとてもそうだとは答えられない。通史として書かれたものであることを踏まえるなら、最優先すべきは分かりやすさよりも正確さだろう。残念ながらジョミニの本が完全に正確というわけではないが、この時代について調べるうえでの手掛かりとしての役割は果たしている。
 それでも、もっと簡単な言い回しにすることは可能だったと思う。少なくとも今のままだと、とてもじゃないが入門者にお勧めできる本ではない。詳しい人物が読む場合であっても、もっと事実を淡々と書いた書物の方が扱いは便利だろう。紹介されている歴史とジョミニの感想とを腑分けしながら読む作業は、誰にとっても負荷が大きい。
 というわけでいったん、この本に関連する作業はここで終わりたい。次は同じジョミニでもナポレオンの生涯を書いたVie politique et militaire de Napoléon、というかその英訳本であるLife of Napoleonの翻訳をやってみたいと思う。この英訳本は南北戦争で北軍の総司令官を務めたこともあるハレックが翻訳したものなので、その意味でも興味深い。
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