最近になってネットの日本語空間でもPeter Turchinについて言及する事例が出てきた。大きなきっかけになったのはFinancial TimesのThe real class war is within the richという記事だ(同じ内容がこちらでも読める)。見れば分かるのだが実にスノッブな英語で、読むのはかなり疲れる。このままだと日本でそこまで話題になることはなかっただろう。
しかしTurchinのところにメディアが殺到するようになってきたのは、ようやく今年の前半になってから。2010年のネイチャー予想、そしてAges of Discordという書籍の存在だけでは不十分であり、世の中の方で足元に火が付いてきたところで、初めてこのアイデアが広く受け入れられるようになってきたわけだ。もちろんAges of Discordが無駄だったわけではないだろう。この本がなければいまだにTurchinは相対的に無名なままだったのではなかろうか。現代の米国が不和の時代にあるとはっきり述べ、それを実感できる社会政治情勢が整ったところで、やっと彼らのアイデアが受け入れられたのだ。
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