2020 week13

　NFLは第13週が終了。かなり苦労しながらもスケジュールの４分の３が終わったことになる。さらに試合がずらされるような感染拡大はなかったが、例えばPanthersで８人の選手がリスト入りするなど、引き続きCovid-19の影響は深刻だ。

　米国ではおそらく感謝祭の時期に人が大きく動き回った影響だろう、12月に入って５日間で100万人の新規感染者が出るなど、状況が相変わらず厳しい。ホリデーシーズンはこれからであることを考えるなら、少なくとも来年１月までは同じように感染拡大が続くか、いったん落ち着いてもまた再拡大に見舞われる可能性は十分にある。引き続き注意が必要なんだろう。

　一方、シーズンが深まってきたのに伴い、コーチたちのクビが飛び続けている。今週はJetsのDCであるWilliamsが引導を渡された。ゲーム終了間際にゼロ＝ブリッツを仕掛け、結果としてロングTDパスを許したことがきっかけになったのだろう。ただJetsはディフェンスだけでなくオフェンスも酷い状態なので、これで状況が改善するとは思えない。

　一方、Patriots相手に0-45というすさまじい点差で敗北したChargersのHCだが、こちらはシーズン中は少なくともクビになることはない模様。ただしシーズン後はどうなるかは分からない。他にもJetsのGaseをはじめ何人かのHCの名前が挙がっており、オフシーズンの風物詩がそろそろ迫ってきた印象もある。

　後はSteelersが敗北してついに全勝チームが消えたこと、ChiefsとSaintsがプレイオフ出場を決めたことなどが今週のトピックだろう。NFC東の地区優勝レベルが少しずつ上がってきたところ（GiantsとFootball Teamがそれぞれ５勝）も注目点だ。

　全チームが12試合終えたところで、シーズン最初の４分の１時点と比べたQB成績を見てみることにしよう。第13週時点でのANY/Aは以下のようになっている。

Rodgers　8.93

Mahomes　8.91

Watson　8.22

Tannehill　7.96

Prescott　7.72

Brees　7.63

Allen　7.61

Carr　7.56

Cousins　7.50

Rivers　7.15

Mayfield　7.14

Wilson　7.09

Bridgewater　6.81

Goff　6.75

Stafford　6.67

Brady　6.66

Roethlisberger　6.56

Ryan　6.53

Herbert　6.50

Fitzpatrick　6.43

Murray　6.40

Mullens　6.31

Jackson　6.13

Minshew　6.10

Burrow　5.72

Newton　5.39

Trubisky　5.37

Smith　5.03

Jones　4.88

Foles　4.70

Lock　4.67

Dalton　4.40

Wentz　3.98

Darnold　3.61

　第４週時点でトップにいたRodgersが引き続きトップにいるほか、４位だったMahomesが２位まで浮上している。ただ上位に残っているのはこの２人だけ。当時３位だったAllenは７位とまだトップ10で踏ん張っているが、２位だったWilsonは12位、５位だったGoffは14位と真ん中近くまで落ちてしまった。例年、第４週時点でトップ成績を残しているQBはシーズン通してもいい成績を残すことが多いのだが、今年はあまりそういう展開になっていない。

　考えられる理由としてはCovid-19の影響がありそうだ。まずプレシーズンゲームが全部なくなったこと。この影響でQBにとっては開幕から数週間がゲームになれるための慣熟期間になった可能性がある。それだけ最初の４週の成績が当てにならなくなったわけだ。同じことはディフェンスについても言えそうだ。こちらも最初の４週はゲーム勘を取り戻すために使われてしまい、それだけオフェンスにとって与しやすい相手になっていた可能性がある。もちろん単なる偶然ということもあり得る。

　彼らの代わりにトップ５に顔を出したのはWatson、Tannehill、Prescottだ。ただしPrescottは規定の試投数に到達する前にシーズンエンドになってしまったので、最終的にはこのランキングから姿を消すはず。となるとBreesまでが現時点での実質トップ５となる。Rodgersを含め超ベテラン２人と、中堅Tannehill、契約延長を勝ち取ったばかりのMahomes、Watsonという具合に、世代的にはうまく散らばった格好だ。１番意外な名前はTannehillだろう。このままシーズンを乗り切れば、少なくともone year wonderとは言われずに済む。

　一方、第４週時点でボトム５にいた選手のうち、そもそも控えだったDriskelと、先発を外されたHaskinsは、規定試投数に届かなくなって姿を消した。どん底にいたWentzは下から２番手に、ボトム３だったDarnoldはどん底にいる。またボトム２だったJonesは下から６番手にとどまっている。追加でボトム５に入ってきたのは、シーズン当初に怪我で試投数が少なかったLockと、Trubiskyと交代しながら成績は彼と比べても良くなかったFoles、そしてPrescottに代わって出てきたが成績は残念極まりないDaltonだ。同じくHaskinsと交代しながら厳しい成績のSmithが下から７番手にいる。

　上位陣に比べれば下位QBたちの成績はあまり変動していない。特にQBを変えながらも成績的には冴えない状態が続いているBearsとFootball Teamにとっては厳しい。WentzとHurtsの間で先発論争が起きているEagles、Jaguars相手にout-tankを続けてTrevor Lawrence指名の最前線をキープしているJetsあたりも含め、来シーズンにはQBガラガラポンに踏み切るチームが増える、かもしれない。

　ちなみにDAKOTAで見た上位５人は以下の通り。

Rodgers　0.207

Mahomes　0.202

Allen　0.174

Tannehill　0.172

Watson　0.161

　見ての通りこちらだとAllenがまだトップ５に残っている。ちなみにWilsonも0.160で６番手に顔を出しており、ANY/Aに比べて安定性が高い指標であることを示した格好になっている。続いて下位５人。

Lock　0.002

Darnold　0.003

Wentz　0.011

Dalton　0.031

Smith　0.042

　こちらはANY/Aと比べてほとんど変わりのない結果となっている。

　なお今回も長くなったので、2013年ドラフトQBの話はさらに来週以降に。