2020 week12

 NFLでは第12週に再びスケジュール変更が生じた。感謝祭に予定されていたRavensとSteelersの試合がまずは日曜日に、それからさらに火曜日夜に、そして三たび水曜日の午後へとシフトした。実際に試合が行われれば、NFLとしては極めて珍しい水曜日ゲームになる。またこれに伴い、第13週のSteelersとFootball Teamの試合は日曜日から月曜夕方に、RavensとCowboysの試合は火曜日夜にずらされている。
 一方、スケジュール変更はなかったものの、Covid-19のせいで酷い目にあったのがBroncos。なんとチームのQBが全員そろって感染もしくは濃厚接触者となり、試合に出られなくなってしまった。QBたちが揃ってリーグのプロトコルを守っていなかったためだそうで、やむを得ずプラクティススクワッドにいたWRのHinton(大学時代はQB)を慌ててロースターに引っ張り上げることになった
 もちろん急増QBが通用するほどNFLは甘くない。Hintonは9回のパスを投げて成功したのはたった1回、2つのインターセプトを奪われるという、散々な結果になった。ちなみに対戦相手のSaintsもHillが先発し、パスで稼いだ距離はたったの78ヤード。両チームの合計パスヤードが100ヤードに到達しなかったのは1979年以来の出来事だそうだ。これもまた今年ならではの出来事だろう。
 もう一つ、Covid-19の影響により、49ersのホームスタジアムの使用が禁じられた。スタジアムのあるサンタ・クララ郡が3週間にわたってリクリエーション活動を禁じたためで、結果、49ersは続く2週のホームゲームをCardinalsのホームスタジアムで開催することになった。足元のNFLはまさにこちらのツイートのような状況である。
 さらに月曜日と火曜日には試合のあるチームを除いて対面での活動を禁止することになった。Ravens以外でも対応が必要になったチームがいくつか出てきており、この2日間はリモートでの活動のみが認められることになっている。感謝祭の時期に感染拡大があったかもしれない、という判断だろう。
 というわけで、冬の接近に伴い、いよいよCovid-19の猛威がシーズンに大きな影を及ぼしてきた。スケジュールへの影響のみならず、今週のBroncosのようにゲームの結果を左右するようなインパクトももたらすようになっている。もちろんアメフトにおいては常に怪我という不確定要素があり、それ次第でゲーム結果にも大きな変化が生じるものだが、さすがにチームのQB全員がいきなり使えなくなるといった事態は例年ならあり得ないだろう。とにかく今年は特殊な年である。

 ちなみに感謝祭のナイトゲームが延期になったのはRavensの方にCovid-19感染が生じたためだが、実は感染していた選手のうち1人は他ならぬLamar Jackson。というわけで第12週の試合にはGriffinが先発する可能性が高くなった。もしそうなれば、第1シードを決めた後の昨シーズン最終週以来となる。
 前にも指摘したように今シーズンのJacksonの成績は冴えない。ANY/Aは6.13とリーグ平均を下回っているし、DAKOTAは0.074とMullens(0.093)やNewton(0.090)より下で、同期の中ではDarnoldに次いで低い。そう考えるとGriffinに代わることが致命的なほどに悪いとまでは言えないが、相手がここまで全勝を続けているSteelersだけに、ここでのQB交代は残念だろう。
 感謝祭のゲームでは、毎年この日にゲームを主宰するLionsとCowboysがどちらも敗北。Cowboysは同地区のFootball Team相手の敗戦であり、結果としてこんなツイートがなされている。泥沼と化したNFC東だが、この成績だとむしろ下手に優勝したらドラフト順位が大幅に下がるという恐怖感を抱いているファンもいるようだ。
 より深刻だったのはLionsで、彼らはHCとGMをまとめてクビにした。Patriciaはまだ3年目の途中だが、これまで13勝29敗1分という成績では正直言ってやむを得ないだろう。シーズン中のHCカットという意味ではO'Brienも同じであり、Belichickのコーチングツリーに連なるHCは相変わらず実績が残せない。
 PatriciaがPatriotsでDCをやっていた時期の成績を見ると、ディフェンスのEPA/Pはリーグで13番手、パスは12番手、ランは13番手と全体的に見て平均を少し上回る程度でとどまっていた。一方、同時期のオフェンスEPA/Pはリーグでもトップであり、つまりどう見てもこの時期のPatriotsを支えていたのはオフェンス。だとすれば、そもそもPatriciaをHCとして引き抜いたLionsの判断の方がおかしかった、と見るべきかもしれない。
 同じく第12週が終わったところでGMを解雇したのがJaguarsだ。彼らの成績はJetsの次に低い1勝10敗であり、得失点差ではリーグで3番目に悪い数字となっている。でもOver The CapのJason Fitzgeraldに言わせれば、この判断は1年遅かったそうだ。確かに彼の8シーズンにわたるJaguarsでの実績は残念極まりないものであり、本来はもっと早く取り換えるべきだったかもしれない。
 さらに来シーズンはサラリーキャップが大幅に減る見通し。今シーズンを乗り切ったGMの中にも、そこでリストラを強いられる者がいることだろう。その結果としてチーム成績が落ちれば、彼らの首筋も寒くなるかもしれない。中でもSaintsとEaglesはかなり大幅なキャップオーバーが予想されており、GMにとってはハードな局面が待ち構えている。
 Over The Capでは特にWentzに関する今後の選択肢を分析している。例えば彼をカットする場合、早くても2022年の6月1日以降、あるいは2023年以降というのが現実的だ。一方、トレードなら2021年からでも可能性はあるそうで、その場合、取引相手として想定されるのはColts、Bears、Brownsといった名前が挙がっている。トレード相手はWentzを年平均24.6ミリオンで4年間使うことができるわけで、これはベテラン先発QBの中では比較的安価な部類に入る。来年のQB需給次第ではトレードが可能かもしれない。
 もう一つFitzgeraldが提示している案が、来シーズンのサラリーを前倒ししてしまう方法だ。それによってサラリーキャップ総額が減る2021シーズンの負荷を減らすことが可能になるという。実際にこの方法が使われる可能性は低いそうだが、一つの裏技としてありかもしれない。
 個人的にRosemanのようなギリギリまでキャップスペースを使う方法は効果的だと思っている。NFLにおいてはキャップを余らせても有効活用できないことが多いためだ。ただし、この方法はハイリスクであることも事実。Covid-19のような事態が発生すると一気にキャップ地獄に嵌るし、そうでなくても高額契約で1つミスるとそのダメージが大きい。
 Wentzとの契約延長については当時から私は批判的だったが、今のところその時に指摘した懸念がそのまま現実となっている。ANY/AではなくDAKOTAで見ても3年目終了時の彼の成績はリーグの真ん中付近。素直に5年目オプションの行使で済ませていれば、来年以降のWentzのキャップヒットをどうするかで悩む必要もなかっただろう。Rosemanの失敗は来シーズンのEaglesにとってかなり重いものとなりそうだ。
 というわけで長くなったので2013年ドラフトQBの3年目、4年目分析は来週以降に。
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