2020 week11

 NFLは第11週が終了。今週もRaidersで6人Eaglesで5人のCovid-19リスト入りが明らかになったほか、Giantsで3人が陽性になるといった具合に、相変わらずCovid-19の影響が見られる。
 最近のリストはこちらなどで閲覧可能。既にリストから外れた選手も大勢いるが、まだリスト内にいる選手や、そもそもいつ頃出られるかまだ分からない選手も載っている。VikingsのThielenなどがその例だ。
 幸い、今週もスケジュールを揺るがすほどの感染は起きなかったようで、スケジュールは何とか前に進んでいる状態。だが、特にフットボールの盛んな中西部で足元ではCovid-19が猖獗を極めているようで、引き続き油断はならない。NFLPAが掲載しているCOVID-19 Updates & Informationを見ると、PackersやVikings、Bearsの本拠地で足元急激に新規感染者が増えていることが分かる。一方、比較的落ち着いているのは49ers、Texans、Seahawksの地元あたりで、地域によって流行度合いに違いがある。もし寒さがCovid-19の感染拡大をもたらすのであれば、寒い中西部から始まってそれから他の地域に広がる可能性もあるわけで、引き続き警戒は必要だろう。
 ゲームとしては興味深く見られたのがSaintsの試合。負傷したBreesの代わりにWinstonではなくHillが先発すると言われていたのだが、そのHillが2つのTD(ただしラン)を決めてゲームは楽に勝利した。パス成績も決して悪かったわけではなく、対戦相手のRyanがEPA/Pで-0.27と残念な成績だったのに対し、Hillは+0.04とゲームを壊さない範囲でプレイできている。
 Hillはこの試合の前までプロ4年でパス試投が20回に及ばなかった選手であり、むしろラン(100回超)やレシーブ(ターゲット37回)での活躍が中心だった。この試合だけ見るならパス成績も悪くはないが、そもそも彼にとっては最初の先発であり、その1試合だけで選手の成績を見定めることなど無理。それに4年目の時点で既に30歳になっているQBに今後を任せられるかと言われれば、個人的にはリスクが高いと思う。人気のある選手だが、あくまで中継ぎだと考える方が安全だろう。
 一方、彼とは異なり1年目の開幕戦から先発を任されていたBurrowは、ACLなどの断裂によってシーズンアウトが決まった。Burrowの負傷後、Bengalsは1点も取ることができずに逆転負けしており、これでシーズン成績は2勝7敗1分になった。ここまでは敗北が多いものの得失点差はそこそこ踏ん張っていた印象があったのだが、今後はさすがに厳しいかもしれない。
 同じくルーキーQBが先発しているDolphinsでは、Tagovailoaが成績不振を理由に途中でベンチに下げられ、久しぶりにFitzpatrickがプレイをした。結局Dolphinsは敗北したもののEPA/Pで見るとTagovailoaの-0.28に比べてFitzpatrickは+0.02と後者の方が圧倒的に安定したプレイを見せている。そもそも今シーズンのTagovailoaはDAKOTAが0.043とFlacco並みであり、Fitzpatrick(0.150)の方がずっといい。それでもチームはTagovailoaに先発を続けさせるそうで、個人的にはちと微妙な判断だと思う。
 もう一つ面白かったのが、Bradyが1プレイで2回のパスを決めるという素っ頓狂な展開。もちろん反則だがRamsがディクラインしたため、パスは成立してしまった。おかげでネット上では大喜利状態に突入している。ただplay-by-playを見ると成立したのはEvansへのパスのみ。残念ながらBradyにパスレシーブはつかないようだ。

 今週は2014年ドラフト組の分析だ。まずは2016シーズンが終わった時点での彼らの成績。左からANY/A、EPA/P、CPOE、DAKOTAだ。

Bridgewater 5.59 0.056 1.7 0.074
Carr 6.08 0.043 -3.1 0.043
Bortles 5.13 0.001 -4.6 0.020

 BridgewaterとCarrの評価がANY/AとDAKOTAで逆になっているのが興味深い。特にCarrのCPOEはかなり低くなっている。だがこれが足元3年(2018-2020)で見るとCarrのCPOEは+4.5とむしろリーグでも高い方の数字を出している。CPOEはシーズンごとに安定しているのが特徴なのだが、常にそうではないことを示す分かりやすい事例、ということだろう。
 Carrはもともと2巡指名であり、5年目オプションはない。また彼のこの時点での数値は、ANY/Aで見ればMariotaより下、DAKOTAだとSiemianより下であり、正直言ってとても魅力的とは言えない数字だ。だがRaidersは3年目が終了した後で契約延長を締結しており、それだけ彼を高く評価していたことが分かる。理由があるとすれば、彼の成績が年ごとに上向いていた点にあるのだろう。そして今のところ、この賭けは成功しているように見える。
 Bridgewaterは3年目のキャンプで重傷を負っており、3年目は全くプレイしていない。だがこの時点でのANY/Aだけ見るとTrubisy並みであり、とても魅力的とは言い難い。DAKOTAだとGoffと似た水準にはなるが、怪我のことまで考慮に入れればVikingsが5年目オプションの行使を取りやめたのも無理はないだろう。
 それに対して極めて謎なのがBortles。3年目終了時点の数字はTrubiskyもSiemianも大きく下回っており、当然ながら5年目オプションも行使せずで終わり、となるのが普通だろう。だがJaguarsは5年目オプションを行使した。Carrより低い水準で、またCarrとは異なり3年目には成績が低下したにもかかわらず、Bortlesを引き続き使おうとしたJaguarsの判断は理解に苦しむ。
 次に4年目終了時点の成績だ。

Bridgewater 5.53 0.051 1.5 0.071
Carr 6.08 0.047 -2.4 0.048
Bortles 5.38 0.035 -4.2 0.034

 オプション行使を見送られていたBridgewaterはこのシーズンが終わったところでJetsにトレードに出され、そのJetsはシーズン前に彼をSaintsとトレードした。Saintsでの2年間のバックアップの末に、彼はようやく今シーズンにPanthersの先発の座を手に入れている。だが契約額は先発QBとしては最も安い水準。4年目までの成績を見る限り、怪我以外にもその原因があるように思われる。
 BortlesについてはJaguarsによる謎ムーブがさらに続いた。4年目が終わった後で、3年の契約延長を結んだのだ。確かに3年目までよりは数字が上向いているものの、例えばDAKOTAだと引き続き3年目終了時のSiemian、Trubiskyに及ばないレベルでしかなく、この時点で慌てて契約を延長すべき状態にあるようには見えない。実際、チームは結局5年目の途中でBortlesを諦め、解雇した。以後Bortlesは控えレベルのジャーニーマンと化している。さすがに彼に関するJaguarsの判断は間違いだったといえる。
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