2020 week9

 NFLは第9週と半分を超えた。相変わらずCovid-19がらみの陽性が確認されているようだが、それでも何とかスケジュール通りには進んでいる模様。一方で米国の新規感染者は相変わらず増加傾向にあり、環境的には引き続き油断できない状態にある。
 ゲームとして関心が高かったのは成績上位同士の対戦だろう。例えばSeahawks @ Bills。地区首位同士の対戦だったが、ゲーム的にはBillsがずっとリードを維持しつつ逃げ切る展開であり、残念ながら見ている人にとってはあまり面白くはなかったかもしれない。こちらのWin probabilityを見ても、基本的にずっとBillsが有利な状態にあったことが分かる。
 勝ち越しチーム同士の対戦という意味ではRavens @ Coltsの方が、まだ第3Qの序盤まで競り合ったという意味でよかったかもしれない。Bears @ Titansも勝ち越しチーム同士の対戦だったが、こちらはBillsのゲームよりさらに一方的な展開が序盤から続いた。
 それでも極端な点差がついたNFC南の首位争いよりはマシだろう。こちらのWin Probabilityは第2Qがまだ半分ほど残っている時点でSaintsの勝利確率がほぼ100%近くに到達し、そのままゲームが終わった。Bradyは開幕戦に続く惨憺たる成績で、ANY/Aは6.68とFitzpatrick(6.62)並みに低下。せっかくリーグでも一流の水準に戻っていたのに、また平均前後まで下がってしまった。
 もっとも1試合だけなら偶然の可能性はある。というか1シーズンの成績だけでも偶然の要素は無視できない。EPA/Pでみたチームの成績(こちらのTeam Tiers)だと、BuccaneersはまだディフェンスのおかげでSaintsよりは高い評価を保持している。NFCに限ればRams、Packersに次ぐくらいのポジションは維持している。Bradyが復調できれば、十分にプレイオフの目はあるだろう。
 一方、彼の元いたチームはJets相手に辛うじて勝った格好。もっとも、今シーズンの成績より来年のドラフトの方に関心がシフトしているJetsファンは、Flaccoのパス失敗の方を評価していたくらいであり、あまり勝敗に価値は置いていなかったと見える。
 現時点で全勝チームはSteelersのみ、全敗チームはJetsのみだ。もちろん成績上位チームの競争は激しいが、実は下位チームの競争も激しい。Jetsの場合、うっかり勝ってしまうとJaguarsにドラフト順で負けてしまうリスクがある。Jetsファンにしてみれば、Jaguarsの勝ち星が増えるまではできるだけ負けを積み上げた方がいい、という理屈になる。プレイオフ争いとは別の争いも行われているわけだ。

 さて、第7週の記事で、ドラフトから4年間のQB成績を並べて見せたが、第8週のエントリーでも書いたように、実はドラフトから3年経過した時点でチームはQBに関する一定の判断を迫られる。ドラフト1巡のQBなら5年目オプションの行使の有無がここで決まるし、また選手によっては3年が終了した時点で早々に長期契約に走るケースも多い。
 その意味では3年目が終わった時点でのQB成績についてもきちんと目を通しておくべきだろう。実際、2017年ドラフトQBのうち有力選手3人の3年目終了時の成績は以下のようになる。数値は左からANY/A、EPA/P、CPOE、DAKOTA。

Mahomes 8.57 0.338 +3.0 0.185
Watson 6.83 0.177 +2.7 0.125
Trubisky 5.56 0.046 -1.7 0.052

 4年目までの成績と比べてそれほど大きな違いがあるわけではない。これらのデータからMahomesの長期契約は文句なし、Watsonについては微妙なところだが優秀なQBの数が決して多くないことを踏まえれば理解できる選択となるし、Trubiskyの5年目オプション行使せずという結果も納得できる。やはりこの年のドラフトQBたちは実績面からみて判断しやすい選手がそろっていたのだろう。
 ではその1年前、2016年ドラフト組はどうだろうか。この年のQBたちのうち、結果的に十分多くのプレイ回数を記録しているのは実質3人なので、その3人の成績を見る。まずは3年目の終了時だ。

Prescott 6.56 0.144 +1.5 0.106
Wentz 6.31 0.131 +1.2 0.099
Goff 6.85 0.111 -2.3 0.072

 2017年組に比べればドングリの背比べだが、それだけに判断が難しい。興味深いのはDAKOTAで最も低いGoffがANY/Aでは最も高くなっていること。どちらの指標を信じるかの問題になるが、安定性に高いDAKOTAを信じるのなら3年目終了時点で長期契約を結ぶのはいささか無謀、という結論になる。実際にはチームは4年目が始まる直前に長期契約を締結。今のところ4、5年目もリーグ平均以上のANY/Aは残しているが、Goffである必要性があったのか、本当はMcVayがいれば十分だったのではないか、といった感想が浮かぶ。
 Wentzも同様に4年目が始まる前に長期契約を更新したが、こちらははっきり言って現時点で失敗と言わざるを得ないだろう。4年目以降の彼はANY/Aで見てもリーグの平均以下の選手にすぎず、大型契約に見合う成績を残しているとは言えない。3年目終了時点(700プレイ以上)のDAKOTAを見ると34人中15位と悪くはないが優れているわけでもない。個人的には長期契約ではなく単に5年目オプションの行使にとどめておいた方がよかったように見える。
 Prescottは1巡指名ではないためオプションの行使はない。だがCowboysが焦って長期契約に走らなかった点については、この時点の成績を見るとまだ理解はできる。彼の数値がWatson並みになっていればこの時点で長期契約を結ぶべきだろうが、Wentzより少し上の12位だったことを踏まえるなら、敢えてもう1年様子をみたい、という考えも否定はできない。
 さて、では彼らの4年目を終えたところの成績はどうなっていただろうか。

Prescott 6.92 0.165 1.4 0.113
Wentz 6.30 0.120 0.6 0.092
Goff 6.73 0.110 -2.1 0.073

 順位は変わらないがPrescottの数字が大きく伸びているのが目立つ。ただしプレイ回数上位34人の中で見るとPrescottの順位は11位と、1年前に比べてそれほど上昇してはいない。Cowboysがとりあえずフランチャイズタグに逃げてもう少し様子を見ようとする気持ちも分からなくはない数字だ。一方のWentzとGoffは3年間の数字と比べてもそれほど大きく変わっているわけではない。正直、長期契約を結んでしまったので今更どうしようもないのだが、はっきり言ってどちらも超一流とは言い難い数字だ。
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