2020 week3

 まず一言。Montanaすげー

 NFLはweek3が終了。世界のCovid-19死者が100万人を超え米国が20万人超とトップを走っている状況は変わらないが、今のところ米国でスポーツを取りやめる流れが強まっている様子はない。いやそれどころか、カレッジでは開催を見送っていたBIG 10が10月下旬からの開催を決定した。NFLもこの調子だとしばらくは止まることなく続くのではなかろうか。まだ油断はできないが。
 週が進むにつれ、Breesのエンジンもようやく暖まってきたようだ。先週までNext Gen StatsのxComp% +/-でリーグ下位にとどまっていた彼の数字が、今週は大幅に改善。いやもちろんいまだにマイナス(-2.9)ではあるのだが、どん底状態からは抜け出しつつある、のかもしれない。少なくとも現時点ではWentz、Darnold、Folesよりはいい数字になっている。
 今週の彼はいつものプレイをさらに極端に推し進めたと言える。投げたパスのうち、Air Yardsが20ヤードを超えたものはゼロ。ひたすらショートばかりを投げ続けた結果、IAY(Average Intended Air Yards)は先週よりさらに短い4.8になった。それでもパス成功率が上がれば、Brees的に言えば好調と判断できる。後はこれを続けられるかどうかだ。
 MahomesのIAYも先週までよりは少し改善し、6.7となった(リーグで下から6番目)。+/-も-3とBrees並みまで向上し、こちらも次第にデータが改善している。一方、JacksonのIAYは9.3と先週までに比べてほとんど変わらないが、+/-は+4.2まで急低下。この試合だけに限れば-9.8と非常に残念な結果となった。これでJacksonはレギュラーシーズンの敗戦数4のうち3つがChiefs相手となり、完全に天敵となっている。
 一方、試合途中でベンチに引っ込められたら、その後でチームが逆転勝利してしまったのがTrubisky。このゲームにおける彼のEPA/Pは-0.07、CPOEは-5.9と残念な結果だったのは確かだが、後から出てきたFolesがなまじいい成績を残してしまったため、先発の座を奪われることとなった。彼の首筋はさらに涼しくなっている印象がある。一応Bearsは3連勝で地区首位と並んでいるが、中身を見ると大逆転劇が2つを占めている状態。内容としてはあまり強さを感じないのは確かだ。
 ちなみにEPA/PとCPOEを組み合わせた指標について、開発者はDAKOTAと呼んでいる。なぜそう名付けたのかは不明であるが、この指標の利点はANY/Aに比べて年ごとの安定性が高い、つまり予測性能が高い点にあるようだ。ANY/Aの方が勝敗や得失点差との相関は高いと思うが、それよりもpredictiveな指標の方が意味がある、ってことだろう。
 そのDAKOTAによると、今週時点まででリーグトップはWilson(+0.280)であり、以下Rodgers、Allen、Goff、Mullensが続く。Mahomesは6位だ。一方下位はWentz、Haskins、Driskel、Darnold、Jonesといった面々であり、先発から外されるTrubiskyはその次にいる。

 さらに直接今週の試合内容とは関係ないが、いくつかNFL関連データを。まずはサラリーキャップ関連で、Over The Capが2020 NFL Roster Construction by Salary Rangeを出している。1人あたりのサラリーキャップ額ごとにどのくらいの選手がいるのかをチーム別にまとめたものであり、以前こちらで似たようなことを取り組んだが、今回のデータはもっと詳細だ。
 ざっと見てサラリーキャップ総額との相関が最も高いのは15ミリオン以上の選手の割合であり、次に10~15ミリオンの選手(正の相関)と1.3~2.5ミリオンの選手(負の相関)が高くなっている。通常であればサラリーキャップ総額はよほどキャップに余裕のないチーム以外にとっては無縁だが、今年に関しては来年への影響が大きいため、そう簡単には無視できない。むしろこの後、成績が出そろってきたところで、どのような金額の使い方がふさわしいのかについて参考情報が増えると考えた方がいいだろう。
 Over The Capはもう一つ、Spending on Offense and Defense in the NFLというエントリーも上げている。分布図の右上ほど支払いが多く、左下ほど少ないわけだが。第3週終了時点で投資額の割にリターンが少ないのはTexans(0-3)とEagles(0-2-1)、逆に投資効率が高いのはRavens(2-1)とPatriots(2-1)あたり。チーム作りのうまさを指摘される2チームが、こういうところでもその能力を示している。
 同じくOver The Capでは第2週のNFL Player Valuationsをまとめている。この週に関してはオフェンスではNewtonが、ディフェンスではTJ Wattがそれぞれ最も高いバリューを示した。前者はルーキー契約中なので不思議はないが、ベテランQBの後者はやはり異様なディスカウントであると考えていいだろう。QBがこれだけ安くなっているのは、やはり特殊な事例と考えるべきかもしれない。
 Football Perspectiveは、シーズン中に毎週算出しているQBの成績算出法を少し変えている。今まではANY/Aをそのまま使っていたが、今年はそのデータにFD数やファンブルロスト数を加えて計算するようにしたそうだ。この計算法が必ずしも勝率との相関を高めるわけではないが、まずはこうしたデータによってどういった違いが出てくるかを見てみたい。
 もう一つ、Chase Stuartがよく使っているらしいのが、Statheadというサイトだ。例えばこちらのツイートなどがStatheadを使っている事例であり、2017年以降にニューヨークとオハイオ州のチームがいかに苦戦しているかを調べている。実際にはこの程度のデータはPro-Football-Referenceでも出せると思うが、より細かい設定に踏み込んだ場合、Statheadの方が便利なのだろう。ただしStatheadは有料なので注意が必要。
 FiveThirtyEightで興味深かったのは、Hermsmeyerが書いたこちらの記事だ。Josh Allen自身よりも、注目すべきはそこで紹介されている「予測に使えるスタッツと使えないスタッツ」の部分。PFFのこちらの記事では、first/second downやプレイアクションを行わない時、プレッシャーを受けていない時のパス成績は安定したものであり、逆のパターンだと予測にはあまり役に立たないことがわかる。母数の少ないQBについて分析する際には、こうした手法が使えるという一例だ。
 あと、EPAを使ったBox Scoreのサイトが少し表示方法を変えていた。今までは全部のデータをまとめて1ページに載せていたが、足元ではデータとplay by play、そしてWin probabilityのグラフを別々のタグにまとめるようになった。さらにこちらのページでは各週の試合をまとめてリアルタイムで閲覧できるようになっており、週ごとの動向を調べたければ使い勝手はよさそうだ。
 1番、面白いのはNext Gen StatsのLiveページかもしれない。NFLが集めている選手やボールの動きをリアルタイムでネット上で再現しているサイトであり、通常のゲーム映像とは異なる視点からゲームを見ることが可能だ。それにしてもNext Gen Statsの解説要員にMcGinestが顔を出しているのはちょっと驚き。確かに頭のいい選手だったと記憶しているが、ここまでディープなアナリティクス関連のサイトに引っ張り出されるほどだとは思わなかった。
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