QBはBradyが事実上の1stで、Rodgersが2ndだ。このうちBradyに対しては異論はない。この10年間にPro Bowl選出9回はBreesと並んでQBではリーグ最多であり、1st team All-Pro選出2回はRodgersと並んでこれまたリーグ最多である。加えて彼は5回Super Bowlにチームを導き、3回優勝している。Super Bowl MVPへの選出はあまり意味がないとは思うが、それを除いても彼以外に選択肢はない。ついでにApproximate Valueも160とリーグ最多である。
問題は2番手だ。Rodgersについては上に記した1st team All-Pro選出2回と、チームの優勝1回という数字が評価対象となるし、これらを踏まえると彼が2番手に入るのはそれほどおかしくないことも事実。だが一方で怪我の多かった彼は他の候補となるQBたちに比べてこの10年間の先発試合数が結構少ない。レギュラーシーズンで1試合も休まなかったRiversより18試合少ない142試合にとどまる。そのためAVも150と、Brady、Brees、Ryanに次ぐ4番手にとどまる。
特に問題となるのはBreesとの比較だろう。個人的にはRodgersが2番手でいいとは思うが、異論を持つ人がいても不思議ではない。実際52人枠に入らなかった選手たちを紹介する記事では真っ先にBreesの名前が出ており、彼の落選が非常に際どい結果だった様子が窺える。彼にとって不運だったのは、優勝したのが2010年代ではなかったことだろう。もし優勝が1年ずれていれば、Rodgersとの比較はさらに微差になっていたと思う。どうせなら1970年代のように2nd team QBを2人選んでもよかったかもしれない。
もう少し伝統的なデータとしてYards from Scrimmageを見ると、RBのうちMcCoy、Peterson、Goreの3人はこの10年間に1万ヤード超を達している。WRではJones、Brown、Fitzgeraldの3人が同じく1万ヤードを超えており、このあたりのメンツは一見して妥当に思える。Johnsonは1st team All-Proに3回選ばれたことが、Lynchは4回Pro Bowlに選ばれたことなどが選出理由だろう。Sprolesはkick returnやpunt return込みの評価と考えるしかない(というか実際にかれはPRに名を連ねている)。
しかしそれを言うなら実働7年で3回も1st team All-Proに選出されているHopkins、Lynchと同様にPro Bowlに4回選出されているThomas、Hilton、Marshall、いやそれどころか7回も選ばれているGreenといったWRたちが選外に終わっているのはどう説明すればいいのだろうか。最初から11 personnelを前提に選んでいれば、こうした問題は現状ほど酷くはなくて済んだだろう。
一方、救済措置のあったディフェンスのセカンダリー陣はそれほど違和感のないメンツが並んでいる。CB3人はいずれも3回1st team All-Proに選ばれているし、Sの3人も2回以上は選出された選手ばかりだ。DBというポジションで選ばれているHarrisとMathieuは、むしろSlot CornerbackとかNickelbackという独自のポジションで選出されたと考えられる。21世紀に入って重要性が増してきたこれらのポジションについてきちんと選出することは大事であり、それだけにオフェンスでSlot Receiverというポジションから選手を選出していないおかしさがより際立っている。
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