なんつーか、すげえな 。最初大本営のニュースを見た時は一瞬何が書いてあるのか理解できず、次に今日はエイプリルフールだったかと思い、それから慌てて情報集めに走ることになったではないか。結局ABのRaiders時代は何だったんだというか、とにかくまあ色々とすげえわ。
これでPatriotsのロースターにはAntonio Brown、Josh Gordon、Demaryius Thomas、Julian Edelmanが並ぶことになるわけで、いや
前にも書いたけど 1年前とは様変わりしすぎだろう。Brownは過去3回、GordonとThomasは各1回ずつシーズン1500ヤードレシーブを記録している選手であり、要するに年齢的な課題はあれどWR1を務められそうな選手がここまで増えてしまったわけだ。もちろん今年限りのメンツだとは思うが、それにしてもすげえ。
オフシーズン当初はGronkowskiの引退でレシーバーが厳しくなるといった見解もかなり出ていたように記憶しているが、むしろ今ではレシーバーは余りすぎに見えてきてしまうほどだ。というか代わりに放出されるのは誰になるのだろうか。単純にWRの名前だけ見るとOlszewskiあたりが厳しそうに見えるのだが、あるいは他のポジションで調整する可能性もある。
ロースター上の変化だけではない。1回のプレイで出場できるのは11人だけであり、その11人をどう揃えるかといった問題もある。
昨シーズンのPatriotsは2人のRBを展開するプレイを49ersに次いで多い回数実施した 。そのランオフェンスを支えた選手たち(Michel、White、Burkheadら)が引き続き残っているうえに、ドラフト3巡でDamien Harrisも指名し、今年もバックフィールドの選手を多く活用することを考えているのかと思っていたらこの状況だ。
少なくとも21 personnelの利用は昨シーズンより減ると考えられる。個人的にはレシーバーの投入数を増やすため20 personnelの割合が高まるのではないかと思う
(少なくとも開幕戦では増えていた) 。レシーバーを2人に絞るメリットはほとんどないだろう(怪我人が多発しない限り)。さすがにピークよりは衰えの見えるThomasはローテーションプレイヤーにとどまるだろうが、昨シーズンも89%のスナップカウントを記録したBrown、11試合出場でチーム2番目のレシーブを記録したGordonはやはり使いたいだろう。slotにはEdelmanとMeyersを交代させながら出場させるといったことまで考えるなら、RBを大量使用している余裕はなさそうだ。
そしてTEの役割は一段と減りそうな気がする。Watsonが戻ってくるまであまりTEには頼らないだろうと見られていたが、この様子では彼の出場停止が解けた後も出場機会はあまり与えられないかもしれない。正直、最初からGronkの穴をTEで埋めることはできないと思っていたし、だから他の方法でオフェンスを構築していくのではないかと考えていたんだが、ここまで派手な展開は予想していなかった。一部でHC Belichickの仕事をGM Belichickが奪ったともいわれているのもむべなるかな。
Patriots以外にも目を向けてみよう。まず完全に馬鹿を見た格好のRaidersだが、「ここまで全てBrownの計画だったのではないか」とまで言っている
ファンもいる 。さすがにそれはないとは思うが、それでもRaidersが貧乏くじを引いたことは否定できない。彼らはSteelersにドラフト権を2つ譲り、そしてOver The Capによれば
1.2ミリオン程度のデッドマネーを負担 することになっている(Spotracは
デッドマネーは発生しない と言っている)。
サラリーやドラフト権もさることながら、ここまで彼の存在を前提に作ってきたチームの重要なコマが欠けてしまうことが大きい。Football Perspectiveは
こちらのエントリー でQB以外のポジションの重要性を推測しているが、重要なのはポジションごとの平均的な寄与度とトップクラスの選手の寄与度との差だ。
アウトサイドのWRは一流選手とそうでない選手との差が大きい ということは以前に紹介した。BrownがいなくなることはそれだけRaidersにとって影響が大きいと考えられる。
おまけにSteelersは
今なおBrownのために21ミリオンものデッドマネーを負担している 。おそらくNFLの歴史上でもデッドマネーとしては最高額と見られるこの負担は、今シーズンのSteelersのチーム作りに影響していないはずはない。Brownがカンファレンスライバルで大活躍するようになれば、世の不条理に嘆くファンも増えるだろう。
そもそもPatriotsだってよくミスをしている。彼らは少し前に
ドラフト6巡と交換で手に入れたばかりの選手をあっさりカットしている 。おそらくBelichickにとってドラフト下位指名はトライアンドエラーに使うためのものなんだろう。そして得られる利益が大きいと見れば、もっと大きな対価を出すことも当然ある。GilmoreをFAで手に入れたケースなどはその一例だ。Gilmoreは成功したが、2巡指名のDBたちで失敗が多いところを見ても、Patriotsが無謬の存在などでないことは明白だ。
それだけにABとの契約がどうなっているのかは気にかかる。今回はドラフト権などの対価を出してはいないが、契約額次第ではチームの強みを損ねる可能性もあるからだ。残念ながらABとPatsの契約詳細はまだ伝わっていない。開幕週の試合の方が優先なのか、そもそもまだ署名に至っていないのか、理由は分からない。
Bradyにも使われたvoid years が使われているのではないか
との指摘もある が、とりあえずは詳報待ちだろう。
開幕週の結果については次回に。
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コメント
1から10まで自分の事しか考えてない。
自分は悲劇のヒーローなのでしょうか?
俺の本気は世界を揺るがすの中二病でしょうか?
人としてどうか?の、ドン引きです(^-^;
Patriotsでどうなりますかね?
当地はWRオールスター状態。Braidyとのコンビネーションはどうか?
中二病精神を満足できるほどパスの供給は難しいと予測しますが、幼い精神はブンむくれしないか?どうか?
Patriotsは能力あればの駆け込み寺みたいな評価もありますけど、17年のSBでのButlerの件、端からはよくわかんない厳格な規律があるのだと思います。
いやまー、1年もたずにポイ。
を、期待してしまいます(^-^;
2019/09/11 URL 編集
ABがもっと高額だったら手を出さなかったでしょうし、逆に安ければ多少のフィールド外でのトラブルは気にしないでしょう。
さすがにHernandezのようなことをすれば問答無用でクビですが、Gordonは帰ってくるまで待つようなチームです。
Butlerのケースも、おそらくはごく単純に「戦力にならない」という判断だったのではないかと思われます。
もっともPatriotsから見ると、ABはいれば大きなプラスですが、いなくてもシーズン前の戦略が変わるわけではないという存在です。
ファンとしてもABがいないとまずいという危機感はあまりないでしょう。
というわけで、個人的にはせいぜいフィールド内外を賑わせてくれればいいのかなという程度で見ています。
2019/09/11 URL 編集
2019/09/12 URL 編集
https://desaixjp.blog.fc2.com/blog-entry-2302.html
一流選手でも体調が悪ければ「戦力にならない」という判断もあり得るでしょう。
2019/09/13 URL 編集
Patriotsには想定内のリスクなのでしょうか...。
2019/09/21 URL 編集
こちらとしてばblogのネタが増えたと喜ぶことができる展開ですが……。
2019/09/21 URL 編集
あとはMIA戦のコスパですが、Patriotsの払う金額も情報が錯綜してて興味深いです。
ただ、大金で召喚したFA選手がキャンプの怪我で全休もあり得るアメフト。
契約時点での期待値と金額で評価すべきで、リスキーではあっても、そんなに判断ミスとは言えないのかな?という気はしますが、どうなんでしょうねー?(^-^)
2019/09/21 URL 編集
https://desaixjp.blog.fc2.com/blog-entry-2594.html
一般的なリスクとしては確かにあり得る範囲だとは思います。
Patsにとっての損失はデッドマネーとThomasを手放すのが早すぎたことくらいで、チーム作りとしては許容範囲と見ることも可能でしょう。
それでも2~3日待って様子を見ていれば、デッドマネーは避けられた可能性もあります。
ABが来る前からレシーバー陣がそれなりに充実していたことを考えるなら、あそこまで慌ててABを取りにいかなくてもよかったような気もします。
2019/09/22 URL 編集