レシーバーとファンブル

 Mossのトレードが決まった段階でDPARなどの分析をしたが、一つやり忘れていたのがあるのでそれを書いておこう。各レシーバーのファンブル率についての分析だ。
 見るのはキャリアのファンブル率(ロストではなくファンブルした確率)。シーズンだけで見ると母数が小さくなるので、長めの視点で見ておく。まずは既に2006シーズン前にNew Englandを去った選手たちのプレイ数(レシーブ、ラン、パス、キックリターン、パントリターンなど)と、ファンブル率を見てみよう。

givens 172 0.58
branch 317 0.63
patten 382 1.31
fauria 253 1.98

 これを見るとGivens、Branchコンビがファンブルの点では極めて優秀だったことが分かる。Givensなんかはファンブルに見えたがリプレイで切り抜けたことも何度かあったような。プレイ回数では少なめだが、堅実なプレイができる選手が多かったということだろう。
 次に2006シーズンではそれなりに使われたが2007シーズンは良くて控え、もしくはチームを去った選手を見る(Troy Brownは除く)。

gaffney 205 0.98
gabriel 192 1.56
graham 120 1.67
caldwell 166 4.82

 いずれもプレイ回数自体が少なく(つまりあまり経験のない選手で)、ファンブル率は2005シーズンまで在籍した選手たちに比べて高めである。1%を割っているのはかろうじてGaffneyのみ。Caldwellに至っては実に4.8%だ。酷いときのTiki Barberよりも酷いのではないだろうか。他の点と同様、この点についてもダメなレシーバーが揃っていたのが2006シーズンのNew Englandだった。
 次に今年入ってきた選手、及び先発がこれから期待できる選手を記しておく。

thomas 11 0.00
jackson 21 0.00
washington 74 0.00
moss 727 1.38
stallworth 270 1.48
brown 1097 1.55
brady 346 2.60
welker 394 3.05
watson 81 4.94

 プレイ数の少ないThomas、Jackson、Washingtonについてはまだ評価は難しいだろう。その他の選手のうち、Welkerはプレイ数の大半がリターナーとしての記録であり、他の選手と同列に判断するのが少し難しい選手である。だが、それを除けばあとは普通に比較しても構わない選手たちだ。
 先発が期待されているMossとStallworthは、昨シーズンのGabriel、Caldwellコンビよりはずっとマシだが、Givens、Branchに比べると成績は良くない。一方、残されたTEはどちらもファンブル面ではかなり拙い選手ばかり。Welkerについても、リターナーとしての成績が中心とはいえ堅実さという点に不安が残る数値であることは確かだ。
 要するに全盛期のような「堅実なレシーバー陣」は存在しないということ。MossもStallworthも身体能力的にはかつてのGivens、Branchコンビより優れているかもしれないが、だからといってこのチームのカラーに合っているとは限らない、ということを窺わせる結果になった。

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